マガジンのカバー画像

人文・アカデミズム

17
人文書の楽しみを思う存分味わうためのページ。
運営しているクリエイター

#大塚英志

男らしさに欠けてるのがコンプレックスだったけど、この本を読んで楽になった 大塚英志『彼女たちの連合赤軍』

男らしさに欠けてるのがコンプレックスだったけど、この本を読んで楽になった 大塚英志『彼女たちの連合赤軍』

「『耳をすませば』が好きだ」というコンプレックス

 僕は『耳をすませば』という映画が好きだった。ジブリのアニメ作品で、主人公の雫が、恋をしたり小説を書いたりする映画だ。この作品で主人公たちが活き活きとした暮らしが描かれている様が、とても好きだった。

 けれど、この作品は「2ちゃんねる」などの場所で冷笑されていた。雫と恋に落ちる天沢聖司を「ストーカー」と呼んだり、ラストの「結婚しよう」というセリ

もっとみる
2021年読んで感銘を受けた本5冊 「現代」に敗北した者たちとその後

2021年読んで感銘を受けた本5冊 「現代」に敗北した者たちとその後

 去年読んだ本で感銘を受けた本5冊の紹介。順番は読んだ順。

・北田暁大『嗤う日本のナショナリズム』(2005)
・宇野常寛『母性のディストピア』(2017)
・TVOD『ポスト・サブカル焼け跡派』(2020)
・與那覇潤『平成史』(2021)
・大塚英志『彼女たちの連合赤軍』(1996)

 ジャンルで言うと「評論」ってカテゴリに入るものが多いだろうか。どの本も面白くて一気に読んだ。
 実はこの

もっとみる