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すきを贈りたい小説たち

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2020年9月の記事一覧

闇を照らす月を食べた

ココンコココッコ、コンコンッ。 軽やかな明るいノックに乗って、彼の感情が伝わってくる。 …

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三分後の世界

金曜日の夜なのに、私の電話はうんともすんともいわない。明かりををつける気にもなれずに、薄…

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深夜0時のキングランナー「ショートショート」

暗いトンネルの中に、俺の息づかいと足音とそして奴の足音がすぐ後ろに聞こえてくる。 「須藤…

あらら
3年前
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ような恋

 ふっと、魂で眠るように、その人は目をつむった。ほのかにお酒臭い吐息が、鼻にかかる。青白…

伊藤緑
3年前
15

船を待つ【ショートショート(約3200字)】

 青年がひとり流れ着いた場所は無人島でした。 「ここはどこだ……」  目を覚ました青年は…

29

犯人はあとがきにいる【ショートショート】

ーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーー あとがき 親愛なる読者の皆様へ 著者の天津…

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あれが夢なら

夢の中で兄は小説家になった。自分の本業のお菓子屋の店舗の前において少しずつファンが付き、実際に書籍化までされたのである。 その売り方がすごかった。まず、お菓子を求めて買いに来るお客と、その小説を求めてやってくるお客は完璧に棲み分けされていた。お菓子を買いに来る人の手は、男女ともに細く、マニキュアを塗っている手など一つもなく、清潔感が染み付いたような白い白い手だった。逆に、小説を手に取るひとの手は浅黒かったり、大きな深い傷跡があったり、派手なネイルが指から3cm以上せりだして