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これって浮気なのかな。

※今回滅茶苦茶長いです。

前回黒さんとの初デートで浮かれていた私だけれど、
報告しなければいけないことがある。。

時は、黒さんとのデート前日に遡る。

まれたそさんとの恋愛が終わりを迎え、
他のマッチした人からも返信が途絶えていた中、
新しくマッチして会話が始まっている方がいた。

たぬきさん(24歳)だ。

その時の状況は当たり障りのない会話と、お互いの趣味に関して一言二言、話した程度。会話も盛り上がっているという印象は無し。

たぬきさんはアプリに顔写真がちゃんと分かるものをのせていなかったが、
マスクの写真からは、優しそうな雰囲気と小動物のような可愛さを感じた。
特に垂れ目がたぬきっぽくて私がよく好きになる目だった。

他の写真では変なポーズをとったりしてて、陽気で面白い感じなのかなという印象。感情の振れ幅が小さい私は、ノリが良い人とは合わないだろうなと勝手に距離をつくっていた。

また、黒さんに対して気持ちが向きはじめている自分からすると、
たぬきさんからの返信は来なくなっても良いとすら思っていたし、
会話を続けるのもめんどくさくなっていた。

だから、当たって砕けろというか、自暴自棄というか、
黒さんの顔がもしタイプじゃなかった時の保険として、
とりあえずたぬきさんをご飯に誘ってみようと思った。
断られたらマッチ解消で楽だし。

けれど、そんな私の思いとは裏腹に
たぬきさんは快くデートを承諾してくれた。
マッチして一週間も経ってないから、
断られる確率の方が高いと思っていたのに。

しかもたぬきさんの方からLINE移行の提案があり、
遊ぶ場所は追々決めるという形で、日程もとんとん拍子で
決まってしまった。

しかし、翌日私は黒さんとの初デートで、
黒さんに心を奪われてしまう。。

私はたぬきさんとのデートに対して、気が乗らなくなってしまった。
折角休日にデートするなら黒さんが良いとさえ思った。

黒さんと違って、たぬきさんは甘い物が好きとか、東京の店に詳しいといった訳でもなく、行きたい場所も特段ないという感じだった為、デートの二日前でも行く場所が決まっていなかった。

このまま連絡が無ければ自然消滅で良いなと楽観視していた私に、
LINEは送られてくる。

「会う前に電話してもいい?」

もし、黒さんに心を決めていて、
たぬきさんの事を思うのなら、私はここで未読無視を決めるべきだった。
初対面の人とする電話ほど苦手なものは無いのだし。。

でも、何を血迷ったのか
「大丈夫だよ」と送っている自分がいた。
人の頼みを断れない悪い性格だ。

私が電話が苦手だと伝えるとたぬきさんは、
嫌だったら大丈夫だよ、と一歩引いてみせた。

それがかえって私の心を揺さぶった。
押してダメなら引いてみろという奴だろうか。

勇気をだして電話を誘ってくれたのに、
断られそうになっている彼女をみて何だか悲しくなってしまった。
私の事を気遣ってくれるたぬきさんのことを魅力に感じてしまった。
この人は他人を思いやることができる優しい人なんだなって。

そして、電話当日。

私は前日に友人達とカラオケオールをしていたこともあり、
めちゃくちゃ眠かった。。
電話の数分前まで寝てたくらい。

予定の時間になって、私からたぬきさんに電話をかける。

開口一番何を言ったのか覚えていないけど、
たぬきさんはとても落ち着く、可愛い声をしていた。。
本人は自分の声が好きでは無いらしいが、
私はたぬきさんの声を好きだなと思った。

気づいたら5時間くらいの長電話。
眠気だけはあるのに、たぬきさんの声がとても好みで、
胸がキュンとしてしまっていたし、初めての電話での会話なのに
とっても甘えてしまった。絶対気持ち悪がられるべきなのに、
たぬきさんは子供を寝かしつけてるみたいって言って、
幼児や小動物に語りかけるような口調で囁いてくる。

私はすっかりたぬきさんの虜にされてしまったのだ。
私が寝ぼけて変なことを言ったり、唸ったりするだけでも、
いちいちリアクションをくれるのだ。

しかし、体は正直だとでも言うように私の大事な部分がとても元気になってしまって、全く持って眠ることができなかった。。。

結局、私が本気で寝ようと、
返事を辞めたことでたぬきさんが電話を切って無事就寝。
息子も一命をとりとめた。

デート当日。

数日前までは、乗り気ではなかったデートに対して、
少し楽しみにしている自分がいた。

けれど、心の内ではたぬきさんの顔がタイプじゃなければいいなと祈ってもいた。それだったら、この妙な胸の高鳴りも収まって、また黒さんぞっこんLOVEに戻るだけ。そうやって自分を納得させようとしていた。

待ち合わせの時間。

たぬきさんはプロフィールにすこしぽっちゃりと書いていて、
確かにモデル並みのスリムでは無かったけれど、
体系は気にならなかった。
と言うより、お胸が大きすぎる。。
私の周りの女性および、今までマッチした女性とは比べ物にならないくらいの大きさ。。

お目当てのカフェにて、ご拝顔。
どうして、、
愛嬌のある顔をしていた。
可愛いと思えてしまった。。

話をすると、彼女はお嬢様なのかなという一面をみせるものの、
結構な下ネタもいける二刀流の剣豪だった。

彼女からすると、私のようにネイルをしたり、
髪の長い男性は周りにいないらしく、新鮮味があるらしい。
(たぬきさんよりも私の方が髪が長い)
髪の毛サラサラだねーとか、天使の輪っかが羨ましいって言ってた。

カフェで時間を過ごした後は、映画を見に行くことになった。

カフェでの時間は楽しかったから、私が奢ったのだけど、
その時たぬきさんから

「ありがと~、じゃあ映画代は私がだすね」

え~、黒さんに引き続き、たぬきさんも聖人なの??
私のマッチングアプリ女性像が崩れ去っていく。

二人で映画を見る時、彼女の指を触った。
私にしてはかなり大胆な行動にでたと思う。

たぬきさんの指はとっても綺麗で、
小指にいたってはちっちゃすぎて食べたくなってしまう可愛さだ。

たぬきさんは触られても嫌そうにはしていなかったけれど、
くすぐったいって言われてしまったので、
触らないで!!の信号かなと思い、それ以上指を触るのはやめた。

映画のあとは、お酒なしで夜ご飯と散歩。
たぬきさんは明日も休みだから、時間は気にしないって言ってくれて、
私の時間が許す限り、夜の都会を二人で練り歩いた。

私は再び、たぬきさんの指を触って、手を握った。
恋人つなぎというやつ。
たぬきさんは嫌がらなかった。

マッチングアプリにおいて、初デートで手を繋いでくる男性ほど嫌われる人間はいないだろう。何なら嫌われる方が良かったのかもしれない。

たぬきさんの手は本当に気持ちが良くて、
手フェチにとって一生終わってほしくない時間だった。

今迄、アプリで会った女性の手に触れたり、えっちをすることはあったけれど、手を繋いで外を歩いた人はたぬきさんが初めてだ。

たぬきさんの前だと、力が抜けて、幼児化してしまう。
お酒が入っていなのにこれだ。

私がたぬきさんの手を食べたいとか、持って帰りたいって言っても、
たぬきさんは怖い怖いと言いつつも小指だけなら大丈夫かなって言ってくれる。こんな性癖異常者を包み込んでくれる安心感からか、たぬきさんなら何を言っても引かないんじゃないかって気がしてくる。

そんなこんなであっという間に終電の時間。

お別れしたあと、すぐにたぬきさんから返信は来なかった。
ここで私から送らなかったら、自然消滅で何の心配もなく、
おさまってたのかな。。。

「今日は楽しかった、よかったらまた遊んで」

絶対後悔すると思いつつも、たぬきさんにLINEを送ってしまった。

「こちらこそ、私もまた会いたい」

たぬきさんから返事がきた。
その気にさせてしまった。

私から送らなくても、
もしかしたらたぬきさんの方から連絡が来たかもしれない。
でも、先にLINEを送ったのは私だ。

何か言い訳を考えるのなら、
まだ黒さんもたぬきさんも1回ずつしか会っていない。
彼女らにキープされているのは自分の方かもしれないし、
突然連絡が来なくなることだって無いわけじゃない。
まだ私の知らない、彼女らの嫌な所だってあるかもしれない。

もう少し考える時間が必要だ。
二兎追うものは一兎も得ずとは言うけれど、
どうしよう。。

たぬきさんが気になる理由として、
LINEのレスポンスが異常に早いところがあげられる。
休日なら送って30分で返信くれるのもざらだ。

対して黒さんは、比較的遅かった。
でも、この間電話した後くらいから、少しずつ黒さんのレスポンスも早くなってきてて、最近だと黒さんから自発的にLINEをくれるようになった気がする。

たぬきさんは次いつ会えるってなったら、
まさかのデートした翌日の夜にも会えることになった。
二日連続で会ってくれるなんてことある??
しかも、あんなに指触った変態に…
たぬきさんは何を考えているんだろう。。

2回目のデート当日。

私の仕事終わりに、落ち合って二人でご飯を食べた。

一回目の時に比べて、私は少し冷静になっていたと思う。
そんな頭でもう一度、たぬきさんについて分析しながらデートをしてみた。

たぬきさんと一緒にご飯を食べる。
それは普通に楽しい。

でも、たぬきさんと価値観が合うかと言われると少し微妙だ。
話してて、たまに話が噛み合わない時があるから。

あと、たぬきさんは運動好きだ。
野球、テニス、etc…
色々経験してきているみたい。
そんな所も私とは大違い。

たぬきさんからみた私の印象は、変な人らしい。。
ひとめを気にしない為に帽子を被るとことか、
たぬきさんより歩くのが遅いだとか、
ずっと眠そうにしてるとことか、
手フェチなところとか。

普通の人と比べて面白いからいいんじゃない?って言われた。

2回目のデートの時も、私はたぬきさんの手をずっと握ってた。
たぬきさんに嫌がる素振りはない。
でも、たぬきさんの方から手を繋いでくるっていうことはない。

私は2回目で、あわよくばホテルに行くことも考えていた。
でも、たぬきさんにその気持ちは無かったと思う。
たぬきさんの首や、耳を触ったりしても、嫌がったりはしてない。
でも、それ以上の事は求めてないような。そんな感じ。

たぬきさんが何を考えているのかがあまり分からない。

「ぽんず君がお酒好きな人じゃなくて良かった~」

そんな事を言われた。
アプリで男性と食事をするとなると、
毎回お酒がついてくるのが嫌だったらしい。

確かに私もお酒は好きでは無い。
でも、付き合いで1杯くらいならまぁ良いかなって思える。
たぬきさんは、お酒なんかこの世にいらないって断言してた。

そういったボタンの掛け違いみたいな些細なことだけど、
1回目の時に比べれば、気持ちも収まった気がする。

多分なんだけど、たぬきさんに向かっているこの感情は、
単純に性欲からくるものなんじゃないかなって気がしてきた。
だからきっと、事が済んでしまったら、この気持ちも薄れていってしまうような不安がある。

そんな気持ちで、変に彼女を期待させるのも申し訳ない。

だから、2回目のデートで解散した後は、
私からはLINEを送らないようにしよう。
そう決めた。

「今日はありがと。良かったらまた遊びたい!」

たぬきさんからのLINEが来た。

もうどうするのが正解なのか分からない。
自分で自分の感情に整理がついてなくて、
頭がぐちゃぐちゃになった状態で
変なメッセージを送ってしまった。

「私って良い人じゃないよ。もう関わるのやめたほうが良いよ。」

たぬきさんからしたら意味が分からないだろう。

「ぽんず君が会いたくないなら、もう会わないよ」

ここで、終わるべきだった。。
でも、たぬきさんのことが別に嫌いなわけじゃない。
一緒にいるのは落ち着くし。楽しい。
手を繋ぐと幸せな気持ちになる。
でも多分それは性欲がトリガーな気がする。

結局、私は踏ん切りをつけることができなかった。

たぬきさんも、恋愛感情はお互い一度置いておいて
とりあえず、ぽんず君ともう一回会って話してみたい気持ちはあるから
もっかい会おうってなった。

黒さんとの2回目のデートは数日後。

そこで、黒さんの魅力を再確認したら、
自分の気持ちに決心がつくかな。

黒さんとはまだ手を繋ぐとか、
恋愛っぽいことあんまり意識してないから、
次会った時に挑戦してみる。

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