トラベルvol.1『ハワイのお土産』

お正月になると多くの人がハワイに行く。
いったいハワイに何があるのであろうか？絶対に何かあるはずなのである。何か甘いものがあるのだ。やはりあった。マカデミアンナッチュというものである。

さっそく、取り寄せてみた。

詐欺である。食べるチョコの部分が少なくて真ん中に大きな白い種が入っているのだ。
「いんちきー！」わたしは窓から叫んだ。「うるさい無職のポンカス！」となりの部屋の人が叫び返した。毎度の事である。
わたしが窓から心の声を叫んだりアニメの歌を思い出しながら半分作って歌ったり馬の鳴き声を真似て叫んだりすると、必ずそう言うのだ。
意味はわからないが、ディズニーアニメの主人公ポカホンタスのようにすばらしい人だね、そう言っているのがなんとなくわかる。
わたしはその度に顔を斜めにして一人「エッヘン」と言っている。
誉められたらそうする、オワコンさんと呼ばれる昔いけてるヒーローだった人から習った事だ。「ナウいね！」そう言って親指を立ててるオワコンさんは何よりもカッコいい。カッコいいものは、さらに改造してカッコよくするのが絶対にいけてる。プラモデルやミニ四駆、バービーちゃんなどの着せ替え人形などがそうだからだ。
わたしはオワコンさんのデニムのオーバーオールに、接着剤でプラモデルの飛行機の羽をつけた。
「いいね！　いいね！」
オワコンさんは、喜んだ。
それを見ていた母が、るいはともを呼ぶと言っていた。しかし、わたしの名前はるいではない。自分の子供の名前を間違るほど、そのカッコよさにシビレていたのだろう。

わたしが思うに、ハワイには、みな、マカデミアンナッチュというものを求めていくのだろう。
チョコの部分は少ししかないが、立派な種がある。

すでにわたしは、全部植えてある。