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加藤諦三「アメリカインディアンの教え」

・本書は、社会心理学者で評論家の著者が、ニッポン放送(ラジオ)の「玉木宏の笑顔でこんにちは」でパーソナリティの玉木宏氏が朗読した散文詩『アメリカインディアンの教え』をモチーフに執筆した1冊。

・著者は、さまざまな人間関係のなかで、親子関係は特に大切なものと考えている。なぜなら、親子関係が、すべての人間関係のスタートになるからだ。
・親子の間で満たされるべき感情が満たされた人は、友だちとうまくいき、恋人ともうまくいく。そうして他人と協力する喜びを知り、親密になる力をもった人は、会社などでもうまくいくのだ。
・親から愛されなかった人は、愛に飢えている。そして、やたらと愛を要求するのだ。それでは、他人から愛されるはずがない。
・あげくのはてには、すぐにひがんだり、虚勢を張ったりと、ついつい他人に嫌われることになってしまう。
・モラリストのヒルティーは、「幼年時代が楽しいものであれば、その残照は一生消えないものであるし、その逆の場合は、苦い不快感が生涯を通じて後を曳くものである」と言っている。
・つまり、幼年時代の楽しさは生涯の財産だし、逆に幼年時代の悲しみは生涯の負債なのだ。「不幸な人は一生不幸であり続ける」とは、こういうことなのだ。

・幼い頃は皆自分本位である。むしろこの頃の利己主義は健全なものであるが、彼らはこれがわからないのだ。
・「自分本位な行動から利己主義を昇華し、そして利他主義にめざめる」というのが子供の自然な成長である。ところがそれを持てない親もいる。彼らは情緒的に未成熟なのだ。
・いつも「ダメだね!」と批判された子供は、まず、いきすぎた批判で、子供は自分に失望していく。するとその子供は次に、他人を攻撃することで、自分への失望と戦おうとするのだ。親と同じように、他人への非難で自分がダメな人間だという思いから目をそらそうとする。他人を非難している限り、自分が弱点のない人間であるような気になっていられるのだ。
・子供を変えるために、「ピグマリオン効果」が挙げられている。
・このピグマリオン効果とは、「人はそのように扱うとそのようになる」ということで、粗野や娘が、淑女に変わっていくほどの効果がある。
※ピグマリオン効果の具体的な事例、子どもを変えるためにもうひとつ大事なことがあるが、詳細は本書をお読みください。

・本書は、「批判ばかり受けて育った子は非難ばかりします」「敵意にみちた中で育った子はだれとでも戦います」「ひやかしを受けて育った子ははにかみ屋になります」「ねたみを受けて育った子はいつも悪いことをしているような気持ちになります」など合計11章で構成されており、子供が
◇我慢強くなる
◇自信を持つ
◇感謝の心を持つ
◇自分を大事にする
など子供の心を育むための心得について紹介した内容となっている。

中学時代など、10代のときに読みたかったですし、当時の親にも紹介したかった1冊です(泣)

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