Ichi in London

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    はじめまして、Ichiです。ロンドンを拠点に活動するフリーランスのライターです。日常の小さな発見や、文化の狭間で感じる思いを言葉にすることが私の仕事であり、喜びです。東洋と西洋の視点を織り交ぜながら、読む人の心に寄り添うような文章を心がけています。時に哲学的で、時に詩的な表現を通じて、日常の中にある美しさや不思議さを伝えられたらと思います。よろしくお願いします。

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Ichi in London「自己紹介」

皆さん、おはようございます。Ichiです。今日も窓から差し込む朝日で目覚めました。Nakajimaが私の足元で丸くなって眠っていて...ああ、そうか。皆さんにはNakajimaのことを説明していませんでしたね。彼は私のルームメイト...というか、毛むくじゃらの親友です。スコティッシュフォールドの猫で、私の日々の喜びであり、時には執筆のアドバイザーでもあります(冗談ですよ、もちろん)。 さて、私の住まいについて少しお話ししましょう。ここはロンドンのノッティングヒル地区、アーン

    • ジャン・ミシェル・フォロン展をみて。

      雨粒が窓を伝う音で目を覚ました。ベッドの中で瞼を開けると、灰色の空が視界に入る。ロンドンの朝だ。時計を見ると6時27分。まだ少し早い。 布団の中で身体を丸め、雨音に耳を澄ます。ポツポツ、ザーザー、時折強くなったり弱くなったりする音が、不思議と心地よい。この音を聞いていると、日本の実家で過ごした雨の日々を思い出す。 ふと、昨日の夜に書きかけた原稿のことが頭をよぎる。締め切りまであと3日。少し息苦しさを感じる。でも、その感覚はすぐに雨音に溶けていく。 そうだ。仕事は雨みたい

      • 夢に見た有名人シリーズvol.n: 山下美月

        目覚めた瞬間、夢の中の山下美月の微笑みが、まだ網膜に焼き付いていた。ベッドから起き上がり、窓を開ける。アーンドル・スクエアの朝もやが、夢の余韻のように部屋に流れ込んでくる。 時計を見ると、もう7時を回っていた。急いでシャワーを浴び、髭を剃る。鏡に映る自分の目が、まだ夢見心地だ。Harris Tweedのジャケットを羽織り、John Smedleyのニットを合わせる。服を選ぶ間も、地下鉄の中で彼女と過ごした夢の時間が頭をよぎる。 キッチンに向かい、いつもの朝食の準備をする。

        • お酒の飲み方にテコの原理を

          夕刻6時半、ノッティングヒルの街路樹が風に揺れる。「The Queen's Fox」に足を踏み入れる瞬間、いつもの罪悪感が胸をかすめた。本当はまっすぐ帰って、積み上げた仕事を片付けるべきなのに。しかし、パブの扉を開ける私の手は、不思議と躊躇わない。 「いつもの?」とオリバーが声をかける。私は小さくうなずき、カウンター奥の静かなコーナー席に腰を下ろした。仕事用のバッグから取り出した手帳を広げ、今日の未完了タスクを眺める。目に入る赤字の締め切り。胃が小さく痙攣する。 ウイスキ

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        Ichi in London「自己紹介」

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          32本

        記事

          緊張と緩和

          早朝の光が窓から差し込み、私の目を覚ました。しかし、起き上がる気力はまだない。ベッドに横たわったまま、天井を見つめる。昨夜、遅くまで「The Queen's Fox」でOliverと語り合ったせいか、頭がぼんやりとしている。 静寂の中、遠くで鳥のさえずりが聞こえる。アーンドル・スクエアの木々に宿る小鳥たちだろう。その音色に耳を傾けながら、ふと思う。この街に来てからもう5年。いつの間にか、ロンドンの空気が肌に馴染んでいる。 ようやく体を起こし、窓の外を眺める。雲一つない青空

          緊張と緩和

          脱皮

          まるで自分の体が異物のように感じる。鏡に映る顔は確かに私のものなのに、どこか他人のような気がしてならない。ロンドンの朝もやが窓ガラスに結露し、その向こうに広がる街並みさえも、いつもと違って見える。 「アクティブになろうとしている自分がいる」そう思った瞬間、別の私が頭をもたげる。その私は冷静に状況を分析しようとする。まるで量子状態の重ね合わせのように、相反する自己が共存している。アクティブな自分と、それを観察する自分。どちらも確かに私なのだ。 昨夜の雨で鏡面のようになったポ

          円安なのに。

          窓から差し込む朝日に目を覚ましながら、私は深い溜息をついた。昨夜、遅くまでパブで飲んでいた後遺症だ。頭がズキズキと痛む。「まさか、もう禁煙して長いのに二日酔いとは」と思いながら、ゆっくりと体を起こす。 ベッドの横の小さなテーブルに置いてある祖父の銀製懐中時計を手に取る。7時15分。まだ少し時間がある。慌てずにすむ。しかし、ふと思い出した。今日は大切な日だった。Dr. Goldsteinとの定例ミーティングの日だ。 ベッドから這い出し、キッチンに向かう。コーヒーを淹れながら

          円安なのに。

          「音楽好き」という生き物が僕は好きだ。

          薄暮の光が窓から差し込み、部屋に淡い影を落とす。私は椅子に深く腰掛け、目を閉じて深呼吸をする。The Rosemary Gardenで過ごした午後の余韻が、まだ私の中で静かに響いている。カフェの喧騒と静寂が織りなす独特の空気感、エスプレッソの香りと洗い立てのカップの触感、そして耳に残る会話の断片—全てが私の内側で波打っている。 ふと目を開けると、机の上に置いた懐中時計が目に入る。祖父の形見だ。その銀色の表面に映る夕暮れの光が、不思議と音楽のように感じられる。時計の秒針が刻む

          「音楽好き」という生き物が僕は好きだ。

          説教は言いたくない

          説教くさいオヤジにはなりたくないと思いつつ、気がつけばそんな自分になってしまっているのかもしれない。そんな思いが頭をよぎる朝。カーテンを開け、窓越しにアーンドル・スクエアの公園を眺める。初夏の陽光が新緑の木々を照らし、朝の散歩を楽しむ人々の姿が見える。心地よい光景だ。 コーヒーを淹れながら、今日の予定を確認する。午前中はブログの記事を書き、午後はDr. Goldsteinとの定例ミーティング。そして夕方にはAliceとの約束がある。忙しい一日になりそうだ。 パソコンに向か

          説教は言いたくない

          ストレスマネジメントが重要

          窓の向こうに広がる灰色の空が、静かに雨を降らせ始める。雨滴が窓ガラスを伝う様子を眺めながら、私は深く息を吸い込む。この瞬間、時間が緩やかに流れているように感じる。 カフェ「The Rosemary Garden」の窓際の席に座り、私はコーヒーカップを両手で包み込むように持つ。温かさが指先から体全体に広がっていく。雨音とカフェの静かな喧騒が、不思議と調和して心地よい。 ふと、隣のテーブルでパソコンに向かう男性の姿が目に入る。彼の表情は真剣そのもので、何かに追われるように激し

          ストレスマネジメントが重要

          パレオダイエットと私

          夏の陽気が満ちるロンドンの空を見上げながら、私は思わず深いため息をついた。アーンドル・スクエアの緑濃い芝生に腰を下ろし、手元のスマートフォンに目を落とす。画面には、先ほど友人から送られてきたメッセージが表示されている。「パレオダイエットを始めたんだ。すごく効果があるよ!」 その言葉に、私は複雑な感情を抱く。確かに、過去の人類の食生活を模倣することで健康を取り戻そうという試みには一理ある。しかし、そこには何か違和感も感じずにはいられない。現代を生きる我々が、本当に過去の人間と

          パレオダイエットと私

          ロンドンでの忙しさについて語ろう。

          朝もやの中、私はゆっくりと目を開けた。窓から差し込む柔らかな光が、部屋の中を優しく包み込んでいる。ベッドから身を起こし、深呼吸をしながら、今日一日の計画を頭の中で整理する。しかし、その思考はすぐに霧散してしまった。 「頭は使われてしまうものだ」という言葉が、ふと脳裏をよぎる。確かに、日々の業務や人間関係、そして自分自身との対話に、私の頭はほとんど休む暇もなく働き続けている。しかし、本当に大切なのは、この頭を自ら握り、意識的に使っていくことだ。 私は立ち上がり、窓を開ける。

          ロンドンでの忙しさについて語ろう。

          忙しい。

          忙しい。マジで忙しい。 この言葉が、まるで潮の満ち引きのように、私の意識の中を行ったり来たりしている。ロンドンの喧騒が窓越しに聞こえる中、私は机に向かい、キーボードに手を置いたまま、画面を見つめている。締め切りまであと3時間。でも、言葉が出てこない。 「忙しい。マジで忙しい。」 そう、忙しい。だからこそ、今この瞬間に立ち止まる必要がある。深呼吸をして、目を閉じる。窓から差し込む陽光が、閉じた瞼を通して赤く染まる。その瞬間、時間が止まったかのように感じる。 ふと目を開け

          ノッティングヒルの朝

          早朝の霧がソフトに包み込む、ノッティングヒルの街並み。窓辺に佇み、湿った空気を肌で感じながら、私は昨夜の夢の残像と現実の境界線を曖昧に行き来していた。Nakajimaは足元で丸くなり、その温もりが私の存在を確かなものにしていく。 「考える作業は人間、伝える作業はAI」という思考が、まるで朝もやのように私の意識を覆っていた。しかし、その境界線もまた、霧のように不確かなものだと気づく。伝えることは、本質的には考えることの延長線上にある。それは高解像度の思考であり、精緻な認識の過

          ノッティングヒルの朝

          日焼け止め

          日が昇る前、まだ朝靄に包まれたノッティングヒルの街を、私は歩いていた。肌寒さに身を縮めながら、ふと腕の日焼けの跡に目が留まる。南の島での出張から戻って数日、まだその記憶が鮮明に残っている。 The Rosemary Gardenに足を踏み入れると、挽きたてのコーヒーの香りが私を包み込んだ。いつもの窓際の席に座り、温かいラテを手に取る。白い泡の上に描かれた繊細なラテアートを眺めながら、ふと考えに耽る。 日焼けした肌を見つめていると、海辺での光景が蘇ってくる。突き刺すような陽

          加齢、AI、そして身体性

          朝日が窓から差し込む瞬間、私は目を覚ました。ベッドに横たわったまま、意識が徐々に現実世界に浮上してくるのを感じる。Nakajimaが足元で小さく丸まって眠っている。彼の柔らかな寝息が、静寂の中で微かに響いている。 ふと、目を閉じたまま、自分の存在そのものに意識を向ける。「私」とは何だろう。この肉体か、この思考か、それとも...。答えのない問いに、心が宙ぶらりんになる。 起き上がり、窓を開ける。ロンドンの朝の空気が、肌に触れる。湿った空気の中に、かすかに花の香りが混ざってい

          加齢、AI、そして身体性