マガジンのカバー画像

詩のページ

24
投稿した詩をまとめています。
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

もう潜る海はない(詩)

もう潜る海はない(詩)

もう潜っても潜っても

泳いでも

そこにはないと

分かっているのに

彷徨うことをやめられない

真夜中の海のなか

泳ぎまわるフリをしながら

たどり着いた

月のあかりも届かない

暗がりの底で

ほんとうに欲しいものは何かを

ずっとずっと探している

1才児のいのち(詩)

1才児のいのち(詩)

意味なんて知らなくても
1才児は、笑顔でそこにいる

意味なんて知らなくても
1才児は、踏ん張って立ち上がり
小さな歩みを止めることを知らない
新しい出会いに目を輝かせている

意味なんて言葉を知らなくても
1才児は、ただ生きようとしているのがわかる

人の「生きる」は
きっと意味よりも先に

この世に生まれた喜びや悲しみや
ここにいるわけを考えるよりも先に

この1才児のなかに、
「生きる」があ

もっとみる
意味があるとか、ないとか(詩)

意味があるとか、ないとか(詩)

意味があるとか ないとか
いつでも 考えてしまう

とーても とても つまらないにんげん
なんです わたし

意味があるとか ないとか
問うても わからないこと ばかり

意味があるとか ないとか なしに
大切にしたいと思えることが

わたしは この人生で いくつ
見つけられるのかしらん

「さようなら」の言葉(詩)

「さようなら」の言葉(詩)

さようなら と言って 手を振る
さようならは 寂しい言葉
あなたとのお別れの言葉

さようなら と言って 手を振る
両手を上げて 力強く 手を振る
さようならは 願う言葉 あなたに贈るエール

さようなら と言って 手を振る
笑顔で 涙をこらえて 手を振る
さようならは 誓いの言葉
いつか胸を張って あなたに会うための約束

さようなら。。。

さようなら に続く言葉がある限り
さようならは 終わ

もっとみる
わたしの部屋はわたしの心(詩)

わたしの部屋はわたしの心(詩)

疲れ果てた日の夜、
自分の部屋に帰ると少しだけホッとする

わたしの部屋はわたしの心の居場所

わたしだけの 自由な空間
昼間、多くの人たちとたくさんのことを話し
つねに意識を外に集中させ、周囲を気遣い
我を忘れるほどエネルギーを消耗し
へとへとになった心と身体を癒す場所
なにもかもから開放される場所

わたしの部屋はわたしの心うつす場所

いつも綺麗ですっきりとしていたいのに
なぜだかそうはなれ

もっとみる
お土産を手に持つひと(詩)

お土産を手に持つひと(詩)

仕事終わりの夜道
お土産を手に持って
帰路を急ぐサラリーマンの姿をみた

急いでいるけど なんだか嬉しそう
急いでいるけど なんだか楽しそう

お土産を渡す相手は誰だろう?

恋人かな 奥さんかな 子どもかな
親かな 祖父母かな
もしかしてペットかな
シェアハウスしてる同居人かな

お土産を渡す相手がいるという幸せ
自分の帰りを待ってる人がいるという幸せ

ささやかな幸福が その家路にはある
そん

もっとみる
ときには頑張らない(詩)

ときには頑張らない(詩)

私たちはいつも色々なことを頑張っている。
だから、ときには頑張らない。
そんな日があってもいい。
そんな夜があってもいい。

冷えた身体をあたためよう。
からっぽのお腹を少しだけ満たそう。
束の間の自分の時間を味わおう。
ゆっくり眠ること、休むことだけを考えよう。
すてきな未来のことだけ考えていよう。

私は、ときには頑張らない。
だけど、ときには心からそう思えない自分もいる。
やるべきことが片付

もっとみる
金曜日の夜に(詩)

金曜日の夜に(詩)

金曜の夜
とても疲れて
早く眠りたい

だけどもう少し
金曜の夜を味わっていたい

目覚ましをかけずに寝ていられる朝
仕事に行かなくても良い朝
ゆっくりカーテンを開けて日を浴びる朝
ゆっくり朝食を味わえる朝

そんな明日が楽しみすぎて
金曜の夜はねむれない

全力で逃げる(詩)

全力で逃げる(詩)

轢かれる。
そう思った。

いつものように歩道を横断していたら、
車が猛スピードで突進してきた。

轢かれる。
そう思ったとき、
私は全力で車から逃げていた。

車は過ぎ去った。
生きている、と思った。

生きていて良かった、と私は思った。
命の危機を感じたとき、本能的に生きようとした。
死にたくなくて、生きていたい。
やっぱり、それが私の本音なんだと思った。
生きていることがありがたい。
ふだん

もっとみる