マガジンのカバー画像

四字熟語を考える―3

361
運営しているクリエイター

記事一覧

「附贅懸疣」を考える

ふぜいけんゆう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
必要がなく、迷惑なだけのこと。
「附」はくっつくこと。
「贅」と「疣」はどちらもこぶやいぼのこと。
「懸」はぶらさがると。
くっついていたり、ぶら下がったりするいぼやこぶということから。
「附贅」は 「付贅」とも、
「懸疣」は「懸肬」とも書く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「附」 ①添え加える。ます。つける。
②つきしたがう。

もっとみる

「破邪顕正」を考える

はじゃけんしょう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
不正を打破して、正しい行いを示して守ること。
仏教の言葉で、邪説を打破して、正しい仏教の道を指し示すことをいう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「破」 ①物をこわす。こわれる。
②従来の体制をくずす。

「邪」 ①正しくない。心がねじけている。まがっている。よくない。よこしま。
②有害である。

「顕」 ①よく目立つ。明らか。

もっとみる

「前倨後恭 」を考える

ぜんきょこうきょう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
調子にのって横暴な態度をとっていたが、
急に態度を変えて、相手にへつらうようにすること。
「倨」は偉そうな態度をとること。
「恭」は礼儀正しく丁寧なこと。
中国の戦国時代の遊説家の蘇秦は諸国を放浪して貧しくなって故郷に帰ると、家族は偉そうに馬鹿にした態度をとった。
蘇秦は、その後に六国の宰相になって故郷に帰ると、家族は腰を低くして丁寧に迎

もっとみる

「澹然無極 」を考える

たんぜんむきょく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この上なく静かで穏やかなこと。
「澹然」は静かで穏やかなこと。
「無極」は程度が甚だしいこと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「澹」 うごく、しずかにうごく、水がゆれうごく。

「然」 そのとおり。そのまま。

「無」 ない。存在しない。欠けている。

「極」 この上ないところ。頂点。限界点。

「澹然」
あっさりしているさま、静

もっとみる

「 随珠弾雀」を考える

ずいしゅだんじゃく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
適切でない方法や道具を使用すること。!
特に利益よりも損失が大きい状況のこと。
「随珠」は随侯が大蛇を助けた際に贈られたとされる伝説の宝玉。
「雀」はすずめのこと。貴重な宝玉を、すずめを打ち落とすための弾として使用することから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「随」 ①進むもののあとからついてゆく。したがう。ともをする。

もっとみる

「柔茹剛吐」を考える

じゅうじょごうと
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
弱者を見下して、強者に謙(へりくだ)るという、世の常を言う言葉。
「柔茹」は柔らかい食べ物を食べること。
「剛吐」は固い食べ物を吐き出すこと。
「柔(じゅう)なるは茹(くら)い剛(ごう)なるは吐(は)く」とも読む。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「柔」 ①しなやかでやわらかい。やわらか。
②やわら。

「茹」 ①ゆでる。うだる。ゆで

もっとみる

「窺伺傚慕 」を考える

きしこうぼ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他人のやり方を覗き見して、同じようにやろうとすること。
「傚慕 」は真似しようとしてみること。
郭タク駝という庭師は木を育てるのがうまく、他の人が覗き見して真似しようとしたが、誰も同じように育てることは出来なかったという故事から。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「窺」 うかがう。のぞく。ねらう。

「伺」 ①訪問する。相手の様子をたずね

もっとみる

「蜂目豺声」を考える

ほうもくさいせい
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
冷酷で残忍な性質の人のこと。
「豺」は気性の荒い、狼に似た山犬のこと。
蜂のように細い目と山犬のような気味の悪い声という意味から。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「蜂」 膜翅(まくし)目の昆虫。丈夫な膜質の羽があり、高等なはちでは産卵管が毒針となって、ふだんは腹の中にしまわれている。ミツバチ・スズメバチなど種類が多い。

「目」

もっとみる

「朝齏暮塩 」を考える

ちょうせいぼえん
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ひどく貧しいことのたとえ。
「齏」は野菜の和え物のこと。
朝食に塩漬けの野菜の和え物をおかずにして、夕食は塩をおかずにするということから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「朝」 夜明けからしばらくの間。

「齏」 なます・あえもの

「暮」 日が沈んで暗くなる。日の沈む時分。くれ。ゆうぐれ。

「塩」 主成分が塩化ナトリウムの白い

もっとみる

「沈魚落雁」を考える

ちんぎょらくがん
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他と比べることもできないほどに美しい女性のこと。
その女性を見た魚は恥じらって水底に隠れ、女性を見た雁は見とれて空から落ちるということから。
元は価値観の相対性を言った言葉で、人間の基準では絶世の美女でも、魚や雁からすれば恐れて逃げる対象でしかないということから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「沈」 ①水の底の方へおちてゆく。し

もっとみる

「大樹美草」を考える

たいじゅびそう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
素晴らしい人物が上にいると、下のものは上に行くことができずに、立派な人物に育たないということ。
大きな木の下は、日の光が遮られて影になるために、美しい植物は生えないという意味から。
「大樹の下に美草無し」を略した言葉。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「大」 ①形や規模がおおきい。
②数や量が多い。

「樹」 ①立っている木。立ち木。

もっとみる

「烏白馬角」を考える

うはくばかく
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絶対にあるはずがないこと。
「烏白」は頭の色が白い鳥。
「馬角」は角の生えている馬のことで、そのような動物は存在しないということから。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「烏」 ①鳥の名。からす。
②くろい。

「白」 ①太陽の光線を全部反射する時の色。しろ。しろい。
②日が照ってあかるい。光りかがやく。

「馬」 ①体が大ぶりで、長い顔

もっとみる

「区聞陬見」を考える

くぶんすうけん
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
学問や知識の幅が狭くて偏っていること。
「区」は細かい、小さいという意味。
「陬」は偏っていること。
自分の知識を謙遜する場合に使うこともある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「区」 ①しきりをする。さかい。くぎり。
②大都市の市域に設けられる区画単位。

「聞」 ①声や音が耳にはいる。きこえる。きく。ききしる。
②きくところ。きこ

もっとみる

「察言観色 」を考える

さつげんかんしき
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
人の言葉や表情、顔の様子から相手の性格や考え方を見抜くこと。
「色」は表情や顔つきのことで、人の表情や顔つき、言葉を観察するという意味から。「言(げん)を察して色(いろ)を観る」とも読む。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「察」 ①物事にくわしく通じて、あきらかになる。くわしく知る。よく見て、しらべる。
②おしはかる。思いやる。

もっとみる