YAWARA! アニメ✖️マンガ比較 第十八話 決戦!柔VSさやか
アニメおすすめ度 ★★★★★+★
柔初の公式戦も遂に決勝。
柔を倒しべく勝ち上がってきた本阿弥さやかとの一騎討ち。
が・・・驚きの展開・・・。
柔の圧倒的強さの前に瞬時にひれ伏す本阿弥さやか。
そのあまりの早さに状況が飲み込めない観衆、審判。
そんな柔が圧倒的に強いことを描きつつ、驚きのあっさりした試合展開を描く。
この両立はなかなかに難しい気もするのですが・・・それがきちんと描かれている!!
最高!!
そんな今回なのです。
何がそれを可能にしているか、その最初のファクターとして『ヒリヒリ感』があると思うわけです。
本来であれば対峙した相手の強さ、そこから出てくる「本当に勝てるのか・・・?」といった綱渡り状態によって生まれる『ヒリヒリ感』なのですが・・・。
柔にとってこの試合にそんなものはなく・・・。
それでも、ここにはきちんと『ヒリヒリ感』が存在する。
これは試合に間に合うか否かで闘う松田にとってのヒリヒリ感。
本来の大一番に必要で、それでもこの試合にないものを別の手段で描く。
ここ、映像化として非常に上手い!!
カットを細かく割って試合進行とそこに向かう松田が交互に描く。
二つのできごとの時間的な進行をわかりやすくすることで間に合うかどうかのヒリヒリ感が非常によく出る。
これがあるからこそこの試合は、柔が圧倒的に強くても面白い試合となるわけなのです。
で、松田の会場到着と同時に解けるヒリヒリ感。
それ故、試合中のヒリヒリ感はゼロになってしまう。
だからこそ、試合はそれに視聴者が気づく前に終わらなければいけない。
このタイミング的な描き方も完璧。
松田が試合会場に入った瞬間、技がかかりさやかは空中にいる。
ここ、松田の到着と技のかかり方がちょっとでもズレたらガッカリなところ、完璧なタイミングで映像化されている。
痺れます!!
からの、驚きで「キョトン」となる場内と、別の意味で「キョトン」となる柔。
静かな場内に響く滋悟郎と虎滋郎の煎餅をむさぼる音。
この試合をどう受け止めたかが一人ひとりの発する「音」の差で上手く表現されている。
ここもめちゃくちゃ大切なワンシーンとして登場するわけなのでした。
あと、ラストシーンもいいですね。
松田の采配で日刊エブリースポーツだけが柔の勝利の涙の写真を一面に載せる。
ここ、アニメ版オリジナルでキヨスクで新聞を選ぶおじさんのシーンが一瞬入る。
松田の采配が、お客さんにもきちんと届いている、というのを一瞬で表現。
最高なワンシーンなのです。
ここまでの物語についてはこちら。
脚本 菅良幸
絵コンテ・演出 藤原洋英
作画監督 栗原玲子
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