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少子化が学校教育のあり方をかえていく

そもそもこのNoteに込めた思いも、早くサニーサイドが人並みの学校として世間に認めてもらえるようにしたいというのがその核心であった。

自分の人生、それに関わっている人たちを苦しめる様々なhardshipも、私が今まで上手く導けず失敗を繰り返してきたことも、
すべてはそのためであったし、それさえこだわらなければ、もっと違う、今より気楽な人生もあったかも知れないと考えることもある。

IBに出会ってから12年、
この岐阜の片田舎で、ここから日本の教育を変えるんだという気持ちでやってきた。
最初は、どういう形であれ、認可校(一条校)になることを目指していた。
それはある意味、サニーサイドの生徒にとってはハッピーエンドであるだろうし、保護者の多くがそういう期待を今でも持っているのを認識してきた。

実際に、様々な運営方法やカリキュラム、考え方もいわゆる一条校の枠でも通用するようなものにしないといけないというのがどこかであって、
今思うと、自ら既存の教育制度にすりよっていこうとしていたのかも知れない。
私のもうひとつの心配は、自分がエキセントリックなことばかりを言いすぎて、コミュニティーがあたかも妙なカルト集団のようになってしまってはいけないと、
あくまでバランスのとれた物の考え方をしないといけないということだった。
独りよがりになってはいけないと。

しかし、ここに来て、日本の教育シーンは今までにない転換期を迎えている。

新しい時代を生きるのに合っていない授業のやり方、受験制度、教員の不足、不登校児童の増加・・・あれこれあるが、私の考えでは、
一番深刻なのは「少子化」だ。

少子化の世の中はあらゆる場面に影響を与えている。
保護者の人にことあるごとに伝えているのは、
「この子達が生きていかなくてはいけない時代は、決して楽に生きられる時代ではない」ということ。

予測不能な、混沌とした時代をたくましく生きていってもらわねばならない。その為の子どもの教育はより一層重要さが増しているのだ。

話は少し変わって、今、東京の麹町中学校で、
「学校側が一方的にヒップホップダンスを禁止することにして、それに対して生徒や保護者が涙ながらに訴えている」という話題があるようだ。
教育評論家を始め、色々な外野が「生徒の主体性を潰している」「あまりに理不尽だ」と学校批判を展開しているらしい。
実際は、今の3年生には卒業までやらせることを学校は約束しているし、学校としては将来的に様々な創作ダンスにつなげていけるものを今後考えていきたい、と言っているのであって、生徒の主体性を大人の都合で一方的に潰しているというのではないと私はみている。

要するにこれも「少子化」の副作用だ。
昔は子どもの数が多かったから部活の種類も多くがあって、それにあてがう予算も人も確保できたけれど、今は子どもの数が減りすぎていわゆる少数派の希望に公教育としてすべて応えられないという現状が出てきたのだ。
色々な部活動の市の大会、県大会、全国大会というものもどんどん縮小されていくことだろう。 残るのは野球やサッカーなど、人気の高いスポーツだけになる。

よって親も考え方を変えなくてはいけない。以前のようにあれもこれも学校に求めようとするのは非現実的だ。

教育委員会も考え方を変えなくてはいけない。以前のようにすべてを自分たちだけで面倒見ようとするのはもう無理だ。

ニーズはより多様性をまし、集団は小集団になっていく。
学校も本当ならやらせてあげたいけど、今のキャパシティーではヒップホップはやらせてあげられないのであれば、それは地域のヒップホップ教室を勧めるしかないし、親もそういう発想に変えないといけない。

以前もうちの地元にある合唱団のことを書いたが、地域には学校以外の教育機会がたくさんある。
生きるために必要な教育はいわゆる既存の制度にある学校だけで行われるべきものではない。
そういう考え方はもう過去のものだ。

先週、うちの小学部の運動会があった。
100名程度でやる、実にアットホームな雰囲気の一日だった。
今年は幼稚園の園児も招いて一緒にダンシング玉入れというのを楽しんだ。
上級生が幼稚園児の手を優しく引いて歩く姿は、誰がみても微笑ましい。
生徒たちはハウスといわれる3チームに分かれて、それぞれが団結し、声をかけあってやっていた。

エアコンあって命助かった

目標に向かってみんなで真剣に取り組むこと、
お互いを励まし合うこと、
下級生を気遣うこと、
フェアプレイを心がけること、
そして勝っても負けても仲良くすること。

そういうことを生徒たちがしっかりと経験し、身につけていることを確信した。
どれも今後の人生を生きる上で大事な経験だ。

フリースクール、オルタナティブスクール、ホームスクール、うちのような幼稚園と一体になっている学校・・・この時代、大いに結構ではないか。
合唱団やクラブチーム、学びの機会は学校だけではない。

秋には幼稚園部の運動会がある。
今でも万国旗を掲げた屋外での開催にこだわってやっている。そして今年は逆に小学部の生徒を招いて一緒にやろうと考えている。つまりうちの生徒は年に2回運動会をやることになる。

青空に風船を放つのは体育館ではできない

小学生だけでやる運動会、幼稚園の子と一緒にやる運動会、体育館でやる運動会、外で秋にやる運動会・・・それぞれに大切な経験と思い出だ。

年に運動会を2回やる学校があってもいいではないか・・・今はそんな風に思うようになった。

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