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Positive Psychology Vlog2 (Happinessに関する誤解)

なぜ書くか?

Happinessという概念が欧米大学を中心に研究され、ビジネスの世界では「健康経営」や「Well-being経営」など、この研究がビジネス世界にも適用され始めています。このブログではその考え方を、日本市場においても"正しく"、"身近に"感じて頂けるように私が学んだことを記していこうと思います。

前回は「Happinessとは何か?」という基本的な考え方をアカデミックな観点でご紹介していきました。

また、今回は、このHappinessに対する誤解についてご説明していきたいと思います。なぜならばこのような学問は日本人にとって悪い意味での洗脳的領域として捉えられがちだからです。

1.Four Misconceptions about Happiness(幸せに関する4つの誤解)

The Greater Good Scienceの研究者であるDacher Keltner, Ph.D.Emiliana Simon-Thomas, Ph.D.達は、幸せに関して4つの誤解があると述べています。

・Happiness means Having all your personal needs met(幸せは、私たちが個人的に欲しいと思うものをすべて持つという事)
・Happiness means always feeling satisfied with life(幸せは、常に人生に対して満足している状態、を意味するもの)
・Happiness means feeling pleasure all the time(幸せは、いつも喜びを感じている状態、を意味するもの)
・There is a uniform prescription for happiness /One size does fit(幸せに対する均一的な処方方法が存在する

これらの私たちが無意識的に思う”幸せ”は全て誤解で、正しくは以下の認識を持っておく必要があると述べられています。

・Happiness doesn't mean Having all your personal needs met(幸せは、私たちが個人的に欲しいと思うものをすべて持つという事ではない
・Happiness doesn’t mean always feeling satisfied with life(幸せは、常に人生に対して満足している状態、を意味するものではない
・Happiness doesn’t mean feeling pleasure all the time(幸せは、いつも喜びを感じている状態、を意味するものではない
・There is not a uniform prescription for happiness /One size does not fit幸せに対する均一的な処方方法は存在しない

2.「幸せになれる」のか、「なれない」のか

では、何がHappinessというものを決定するのかというものについて。


皆さんは、以下の3つの要素がどれほどHappinessに影響を与えると思いますか?



遺伝子(Gene)
意図的な行動(Intentional Activity)
生活環境(Circumstances)




(少し考えてみてください)






3.正解はこちら

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Sonja Lyubomirsky, Kennon M. Sheldon, and David Schkadeによる研究(2005)によると、

遺伝子(Gene):50%
意図的な行動(Intentional Activity):40%
生活環境(Circumstances):10%

という一つの研究結果が出ているのです。(ただこの結果には勿論懐疑的な意見もあり、このようなコメントもありますので鵜呑みにし過ぎない視点も大事です)

“When you are given a graph that is this clean, it seems reasonable to be skeptical,” warns George Mason University professor Todd Kashdan in his blog post critiquing the pie chart.(要はこんなにきれいに出てたら逆に嘘くさくねーか?というコメント)

一つの研究は非常にユニークな結果を示しています。


4.どう解釈するか

そしてこのグラフを見ると二つの解釈が出来ると思います。



・幸せになれない(だって半分遺伝でしょ?)


・幸せになれる(だって40%も自分の意図的な行動でどうにかなる)


ここはまさに「認知」の問題なのですが、いずれにせよ「意図的な行動」でどうにかなる可能性があるのは明らかなようです。その意図的な行動には4つのポイントがあります。



・Choose activities that fit our personality and interests. Activities fit us better when they feel natural, enjoyable, and aligned with our values, rather than driven by guilt or other people’s expectations.(自分の性格や興味にフィットする活動を選択してください。罪悪感や他人の期待に動かされるのではなく、自然で楽しく、私たちの価値観と一致していると感じるとき、活動は私たちによくフィットします。)

・Choose activities that are virtuous and meaningful, rather than obsessing about feeling good all the time. Hedonism won’t necessarily make you happy, even if you feel good in the moment. If we pursue pleasure, it shouldn’t be at the expense of living a meaningful life. We also need to pursue a purpose, and practice forgiveness, gratitude, and generosity—those give us a sense of competence, autonomy, and connection, which are core human needs.(いつもいい気分でいる事よりも、シンプルかつ意味のある活動を選択してください。快楽主義は、たとえその瞬間に気分が良くても、必ずしもあなたを幸せにしてくれるとは限りません。快楽を追求するとしても、有意義な生活を犠牲にしてはいけません。また、目的を追求し、許し、感謝、寛大さを実践する必要があります。これらは、人間の中核的なニーズである能力、自律性、つながりの感覚を与えてくれます。)
・Commit to and put effort into the process. Unsurprisingly, people who invest more effort into their new habits see greater improvements in their well-being.(プロセス/過程の中で努力する事にコミットしてください。当然のことながら、新しい習慣により多くの労力を費やす人は、幸福度が大幅に向上します。)
・Add variety into our routine. Doing an exercise—like writing gratitude letters—the same way over and over can mean that we become accustomed to it and don’t reap as many benefits. You have to keep your brain alive to possibilities.(私たちの日常に多様性を加えてください。感謝の手紙を書くようなエクササイズを何度も行うと、それに慣れてしまい、あまりメリットが得られない可能性があります。あなたの脳を可能性に向けて生き続けなければなりません。)


従って、シンプルにまとめると


①自分に合う事をやろう
②快楽よりも意義のある活動を選ぼう
③結果じゃなく努力する事に集中しよう
④同じことを繰り返すのではなく多様に動こう


という事になります。少しでも皆さんの参考になっていると幸いです。



私は誰ですか?著者:松澤 勝充

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神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。2016年より、最年少執行役員として組織ソリューション本部、広報マーケティンググループ、自社採用責任者を兼務。2018年8月より休職し、Haas School of Business, UC Berkeleyがプログラム提供するBerkeley Hass Global Access ProgramにJoinし2019年5月修了。同年、MIT Online Executive Course “AI: Implications for Business Strategies”修了し、シリコンバレーのIT企業でAIプロジェクトへ従事

2019年12月(株)トライアンフへ帰任し執行役員を務め、2020年4月1日に株式会社Everyを創業。採用や人材育成、評価制度など、企業の人事戦略・制度コンサルティングを行う傍ら、UC Berkeleyの上級教授と共同開発した3カ月プログラムで、「日本の人事が世界に目を向けるきっかけづくり」としてグローバルスタンダードな人事を学ぶHRBP講座を展開している。

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保有資格:
The Science of Happiness(UC Berkeley)
DiSC認定トレーナー、ピープル・アナリティクス(authorized by the University of Pennsylvania)
ポジティブ・サイコロジー・ワークショップ(Japan Positive Psychology Institute)、他

セミナーなども展開しています。

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<参照元>



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