誤訳訂正委員会③Tomorrow never knows/Mr.Children
東京外国語大学卒の筆者による、誤訳訂正コーナーの時間です!
今回取り上げるのは、Mr.Childrenの「Tomorrow never knows」。
えっ? 邦楽で誤訳って、どういうことだって?
疑問にお答えする前に、この曲名について説明しましょう。
'Tomorrow never knows'というタイトルは、ビートルズの同名の曲から来ていると思われます。
作詞作曲はジョン・レノンですが、タイトルはリンゴ・スターが考えました。
さて、ミスチルのほうの曲の歌詞には、次のような箇所があります。
誰も知る事のない明日へ
ああ、'Tomorrow never knows'って、そういう意味なんだな。
と思ったそこの貴方! ここが今回の誤訳ポイントなんです!
'Tomorrow never knows'は、'Tomorrow'が主語(S)、'knows'が述語(V)の、SV構文となっております。第1文型というやつです。
つまり、目的語(O)がないので、仕方がないから次のように訳すことになります。
明日は(◯◯を)知ることはない
◯◯には何が入るのでしょう? まさに未知です。
これはリンゴ独特のタイトルなので、真の意味を知るには本人に訊くしかないのですが、残念ながら筆者の知り合いにリンゴの関係者は多分いません。
ちなみに、「誰も知る事のない明日」という歌詞に合わせてタイトルを変更するとすれば、
Tomorrow is never known
(誰も明日を知ることはない)
って感じでしょうか。やっぱり'Tomorrow never knows'のほうがイイですね!
参考になったでしょうか?
では、次回をお楽しみに!!
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