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読了!石田衣良「空は、今日も青いか?」

《粗筋》
長引く不況にあえぐ日本。広がる格差、減ってゆく子ども、増える自殺...生きることはますます窮屈になっている。けれど本当は、勝ち組負け組の線引きなんかに意味はない。きみはきみらしく、ゆっくりとすすめばいいんだ―。働くことや恋すること、趣味、子育ての話題から世界情勢まで、しなやかな視線で時代を切り取り、閉塞した「今」を生きる若者たちにエールをおくる。著者初のエッセイ集。


《感想》
ずっと読んでみたかった!石田衣良のエッセイ!説得力が半端ない。最高に染みたね。石田衣良の小説を読んで育って、当たり前のように自分の価値観は"石田衣良"に大きな影響を受けていたと実感。

悲しいよな〜。勝ち組とか負け組ってのに囚われすぎてるって。寂しいよな〜。恋愛やセックスが面倒くさいって。


《引用》
勝ち組負け組と簡単に人を二つに分けて、浅いところで分かった顔をする時代になってしまった。人は誰でも、ある部分で勝ち、別な部分で負ける。どれほど強運で才能に恵まれた人でも必ず失うものがある。また逆に全てを失ったという人にだって、輝くような時間はきっとやってくる。
生きることの味わいは勝ち負けなどよりずっと多彩で、目が眩むほど深い。(P14)

厳しいといえばこれほど厳しい仕事もない。一回一回締切のたびに実力を試され、一度デビューすると、新人もベテランもまったく同じリングで闘わなければいけない。書店に並んでしまえば、どんな本も一冊は一冊でしかないのだ。毎回がガチンコ勝負である。(P18)

僕は結婚しなくてもいいし、子供だってつくらなくて別に良いと思う。どこかの保守党の政治家のように子供を産まない女性は日本国の役に立たないなんて思わない。けれど、やはりみんなに恋をしてほしいのだ。(P92)

食わず嫌いはよくないし、すぐに飽きるのもよくない。美味しくなかったら、美味しく食べる方法を考えよう。セックスについて、僕がオススメするスローガンは簡単だ。
「好きな人とたくさん」(P142)

最後にひとつ。君はあまり無理をして、人と同じようにしないほうが良い。君は君らしく、ゆっくりと進む。ひとりぼっちだと嘆きながらではなく、自分の速度で。(P204)
(2020/12/6)

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