- 運営しているクリエイター
2023年8月の記事一覧
from white to scarlet 4
「それでどれだけの人間が苦しむことになったと思っているんだ」
押し殺したような言海の声は、実感を伴う多大なプレッシャーを放っていたが、しかしアメイシアは相変わらず優雅に頬杖を付いて、それから口を開いた。
「さぁ? 興味の無い、意味のない数を数える趣味は無いもの」
それは、あまりにも平坦に吐き出された言葉だった。
俺には知る由もないことだが、こんな状況で、琴占言海と対面した状態でそんな言葉
from white to scarlet 3
「……あら、残念。もう見つかっちゃったのね」
言海とアメイシアは睨み合うように視線を交錯させたが、数瞬ののちに驚くほどあっさりとアメイシアが身を引いた。
アメイシアはそのまま椅子の背もたれに深く体重を預けると、わざとらしく艶めかしい動作で足を組んだ。
対する言海は俺の方を見て短く微笑んだ後、持ったままだったメニュー表をテーブルの上に戻し、それから視線をアメイシアの方へ向けた。
横顔から垣