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ゲームをするだけで活きた経営学、活きた経済学が身につく、画期的なマネジメントゲーム(後編) 対談者:西研究所 西 順一郎様

皆さまこんにちは!ヒューマングループnote 編集担当 朝永です(^o^)

今回のヒューマントークは前回お送りした、MG(マネージメントゲーム)の開発者 西 順一郎先生との対談の後編をお送りいたします!

前編では、西先生の経歴やMGが生まれるまでの出来事などをお話ししていただきました♪ まだ読んでいない!読み返したい!という方は下記のリンクからご覧ください。

それでは早速、後編をご覧ください!

※対談の本文は、2008年2月にヒューマンニュースレターに掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。


ゲームをするだけで活きた経営学、活きた経済学が身につく、画期的なマネジメントゲーム(後編)

note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ (16)

内海:90年1月にヒューマングループの各事業所を見て回られたときに、「職場が暗いね、これを良くするにはタヒチに行かなきゃ駄目だよ」と西先生に言われて、「何でタヒチなんだろう?」と思って、タヒチMGに参加しましたが、最後の最後、感想文を書くときに「何でタヒチなのか」ということがようやく理解できた。Y理論というものがそこにあったからなんですね。

西:僕も「職場が暗いね」と言ったことは覚えてますよ。校内が暗かったというのもあるし、スタッフがそう笑っているわけではなかったし。でも僕自身もヒューマングループに行っていいことがあった。マイツールのOA大会をヒューマンさんでやっていただいたそのなかで、誰の発表だったか忘れましたが、請求書をPFドンでやっているのを見てね、「ああこれはうちでもやれるなぁ」と思って、それまで請求書は手書きで全部やっていたのを、うちも「PFドン」に直した。実はヒューマングループのOA大会での発表からノウハウを盗んだんですよ。

内海:ええ、そうですか~?(笑)

西:僕の講義録の一番下に、「すべてはY理論のうえにある」と書いてあるのですが、Y理論を教えてもらったのが、ソニー厚木工場長の小林茂さんでした。小林さんとの初めての出会いは、昭和41年、まだ三菱長崎造船所に勤めているときだったのですが、東京大手町で行動科学セミナーがありまして、そのセミナーの講師の一人が小林茂さんだった。セミナーを聞きながら、話がピッタリくることばかりだったので、受講者が20~30人いる中で、ものすごく頷いて聞いているのが僕だったらしく、小林さんももっぱら僕の方を見て話されるようになってきて、それが小林さんとの初めての出会いでした。

それから3ヶ月してソニーに移りました。小林さんがいらっしゃる厚木工場に行くのが非常に楽しみでね、行くたびに工場長室に寄らせてもらったりしていました。その後、昭和44年7月には小林さんが僕の上司として移って来られて、Y理論(人に優しい考え方)を約2年ほどいろいろと指導を受けながら、訓練していただきました。もともと自分のベースにそんなものがあったのだろうと思うのですが、それが本当に火をつけられて、Y理論信奉者になりまして、それから5年後にMGをつくるわけですから、MGはY理論でできているわけですね。

MGの勉強の仕方は普通の勉強の仕方とは違います。ソニー式でできているんです。ソニー式というのは、教えるのではなくて、自分で発見する、気づく。そういう方式できている。また僕の受験勉強の仕方からもきているんです。受験勉強をするときに、とにかく5回読んでみようということで、最初読んでみると、わからないけれど、少しはわかる。次に2回目読んでみると、もう少しわかる。3回読んでみると、大体わかってくる、そうしながら5回も読めば、参考書とか教科書はだいたいいけるようになる。そういう済し崩しの発想です。MGを教えるときもそれでできているんで、MGにはじめてきた人はよくわからない。インストラクターは教えてくれないんだから。わからんでもいいんだ、とにかく5回やれというわけで、5期までやっているうちに、同じことを5回もやっていくのだから、だんだんわかってくる。5期やってもわからない場合は、10期やればいいという具合です。でもやはりMGは30期やらないと、やったうちに入らないですね。100期やった方がいいというのはそういうことなんですよね。

Y理論というのは、わかりやすく言うと、「人間というのは本当はみんなやる気があって、環境とかあればいくらでも頑張れるんだ」ということなんです。逆にX理論というのは、「監視して、命令して力でやらせないと、ズボラをしてサボっちゃう(人間なまけもの論)」そんなことなんですよね。だからY理論は、ソニーの井深さんやホンダの本田さんの考え方であって、ソニーに行くと好きなことをやらせる環境だし、ホンダだって、そうだし、また「マネジメントの父」と呼ばれた経営学の第一人者のドラッカーも、そうじゃないといけないよということを本にしている。

内海:先生はなぜタヒチだったのでしょうか?

西:僕がタヒチという言葉を初めて聞いたのは昭和45年の1月、年初仕事初めの日、僕の上司となった小林茂さんが、「正月休みにタヒチに行ってきたよ」と言われた。当時「ハワイに行った」という人はいくらでもいたけれど、タヒチという人はいなかった時代で、僕は聞いてもまだまったく興味も何もなかったんです。

日本のパソコン革命は1979年だけれども、その2年前、1977年にアメリカでは「御三家」といって有名なコモドールPET・タンディTRS-80・アップルⅡという3機種が開発された。79年1月にその輸入品を僕がみるチャンスがあって、これはすごい時代がきたと思いました。そんな時代に、僕はアメリカに行くラッキーチャンスが訪れた。僕らの日本総合研究所の野田先生が、僕がアメリカに一度も行ったことがないからということで、1979年に僕たち6人をアメリカに21日間も連れていってくれた。パソコンの時代がきたと気がついたところだったので、ちょうどいいときにアメリカに行けることになった。

いいタイミングでアメリカに行けることになった僕は、アメリカに現れたパソコンを、一体アメリカ人たちはどのように、ビジネスに利用しているだろうかということを、しっかり見てこようと思って、そういう目で一生懸命アメリカを見てきた。答えは、アメリカ人はパソコンを経営には使っていなかった。当時のパソコンは有効数字がまだ6桁だった。8桁までいかない。だから100万円の計算ができないんです。それではねぇ、経営には使えないわけですね。でもパソコンの出現はとにかく大変なことでしたから、80~86年まで、毎年アメリカパソコンツアーを作っては、アメリカに行っていました。だけど僕が本当に行きたいのは、ハワイだったんです(笑)。初めてアメリカに行った帰り、ハワイに4日間滞在した。それがあまりに良かったものだから、アメリカにみんなを引っ張って行きながら、1日でも長くハワイに寄るというのが大きな狙いでした。

そういうことをしているうちに、こんなにハワイに来れるんだったら、小林さんが言っていたタヒチにも行けるかもしれないと思い始めた。どうしたらタヒチに行けるかと言うと、タヒチでの仕事を作ればいいわけで・・・タヒチMGをすれば自分はただで行ける!(笑)そんな具合で1986年秋、第1回タヒチMGを開催し、総勢11名でいくことになるんですね。

初めていったボラボラで、僕らは安いホテルに泊まったのですが、そのホテルの隣がとても良いホテルで、そのホテルのショーをこっそり潜りで見に行きました。そのショーでは、知る人ぞ知る「マルルー・アヴァウ」という歌を、ラストに楽団全員で歌い始めたんですね。それが僕のハートにガーンと響きましてね、僕はたまたま持っていたタヒチのガイドブックの表紙裏に、歌の言葉とハーモニカの楽譜でメロディーを記録したんです。戦後すぐの僕らが通っていた小学校というのは、楽器はハーモニカくらいしかなかったんです。そのハーモニカ楽譜を一生懸命にその場で書いて、日本に戻ったわけです。あの歌がとても良くてね。いまでも心に響きます。はじめてのタヒチMGから帰ってきた一週間後に、ちょうど佐世保MGがあったのですが、MGの講義がいつの間にかタヒチの話ばかりになってしまいました。

内海:そうです。確かあの時は、講義の最後に、参加者全員でタヒチの歌まで歌いましたね(笑)。

ヒューマングループでは、今後もずっとMGを続けていこうと思っていますし、コンピューター、マイツールは今後も消えないでしょうし、西先生の思想をずっとずっと継承していこうと思っています。

西:よろしくお願いします。


西 順一郎氏 プロフィール
S12長崎県平戸市生まれ。
S36東京大学文学部社会学科卒業
三菱重工業長崎造船所勤労部勤務
ソニー経営開発室勤務
日本総合研究所経営研究部長を経て、1981年西研究所設立・代表取締役
おもな著書「人事屋が書いた経理の本」「戦略会計入門」他約40冊。

朝永のつぶやき

ここまで読んでいただきありがとうございます!ここからは担当が今回のトークを読んだ感想をまとめたプチコーナーです(^-^)

今回のトークでは、西先生のY理論やタヒチでの出来事をお伺いしました!

「Y理論」という言葉を初めて聞いたのですが、西先生の解説を読んで自分の考えに近いものがあるなぁと感じました!

その後に登場した「タヒチ」も私は行ったことがないのですが、以前社長のセミナーで聞いた、タヒチスマイルという言葉を思い出しながら読んでいました(*^-^*)

タヒチはみんなが笑顔でハッピーな雰囲気が溢れる島だそうです♪

今回は前編・後編と2回に分けてMGのついての対談をお送りしました!

MG経験者の方はゲームのことを思い出しながら、未経験者の方はどんなゲームなのかを想像しながら読んでいただけていたら幸いです。

それでは今回はこの辺で!また次回お会いしましょう。


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