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浮気をロジカルする

みなさんは恋人やパートナーとの初めての会話を覚えているだろうか?

わたしは覚えている。

「りさこちゃんは、浮気ってどこからだと思う?」と聞かれた。 

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(出会ったばかりの2人。笑)

出会って小一時間経ったかどうかで、お互いのことなど首から上の見た目しかわかっていない状況の女にそんな質問する男、マジで変態だと思う。
それにわたしは、そんなこと聞かれたら、この人はもしかしてめちゃくちゃ浮気性なんじゃないかと勘ぐる。
「この会話で丸め込んであわよくば浮気してやろう」と思っている男でなければ、初っ端からそんな会話する必要がないと思うから。

だけどわたしは即答した。

「浮気は、読んで字の通り、気持ちが浮ついたら。」

これはわたしの人生経験から成る、揺るぎない結論だった。


以下、浮気をロジカルして生まれた揺るぎない結論と、全人間関係をよりよくするハウツー。


浮気は最悪

経験がある人ならわかると思うけど、浮気をされると自己肯定感が-2兆を叩き出すし、憲法第11条で全国民に保証されているはずの基本的人権さえ失ったような気分になるから浮気は最悪だ。

当時のわたしにとって「浮気とは」というテーマはタイムリーだった。
付き合っていた彼氏と別れて半年くらい経った頃で、別れた理由は彼氏の浮気だったからだ。

わたしが夜遅くまで仕事をしてるのをいいことに、家に女の子を連れ込んでいた。
彼氏がアニメを見るためと、パズドラを2端末同時にやるためだけに使っていたiPadで調べものがしたくて開いたら、データフォルダに、裸で寄り添う男女の写真があった。
場所はわたしと彼氏が住む家の、まさにその瞬間座っているベッドだった。
血の気がサーっと引いて耳が遠くなっていったと思ったら、体全部が心臓になったのか心配になるほどドキドキが止まらなくなる「アレ」を体験した。
即座に彼氏に電話して「浮気してるやろ。iPadの写真見た。言い訳しないで」と言ったら、2秒くらい間が空いた後、作ったような極めて冷静な冷たい口調で「で?俺は別に浮気だと思ってない。俺、仕事やから」と言って電話を切られた。

浮気やと思ってない?なんやそら。
本気ってこと?ハ?

わたしはすぐに家を出て、2年間住まずとも家賃だけは払い続けていた自分の家に帰った。
グッジョブわたし。

その後、彼氏がわたしの家に謝りに来たり、荷物を取りに行ったら大喧嘩になって灰皿を部屋にぶちまけたり、とにかく色々あったけど、浮気の概要をまとめるとこうだった。

〜〜〜彼氏の言い分〜〜〜

・仕事がとても忙しい毎日で癒しが欲しかった。
・仕事でも、友だちとの人間関係でも悩んでいてストレスが溜まっていた。
・彼女(わたし)に癒されたかったけど、仕事が忙しそうで2人の時間がなかなか無かった。
・自分と同じブライダル業界にいるのに、彼女(わたし)の方が仕事における責任や収入も大きく劣等感があった。
・そんなとき、職場にアルバイトで来た学生の女の子は自分のことを尊敬して懐いてくれて嬉しかった。

まとめると

「ヨチヨチして欲しかっただけやのにお前はいちいち厳しいねん。しんどいわ。俺かて癒されたかったんや。ま、ごめんやで」

ということらしい。

わたしは人の多様な感情にめちゃくちゃ理解のある人間なので、全部納得した。
というか、「もっと優しくしてあげるべきだったな」とか「寄り添う気持ちが足りなかったな」とか自分を責めた。
でも結局、「だからってわたしを傷つけていい理由にはならんだろ」と思って別れた。

この結論にたどり着くまでかなり時間を要したし、感情の紆余曲折があったけど、揺るぎない芯となった。


どこからが浮気なのか?

よく、「内緒で会ったら浮気」とか「セックスしたら浮気」とか言う人がいる。
確かに、内緒でご飯に行かれたら「隠す必要があるの?」と思うし、セックスなんてされたら受け入れられなくて当然だ。

だけどもし、そこを浮気の定義にしてしまったら、「内緒にしなければ浮気ではない」「セックスしなければ浮気ではない」ということになる。

大っぴらに公言して会って、何ならインスタのストーリーに「デートなう」なんて載せるくらい包み隠さず会われたらどうだろう?
めちゃくちゃ腹が立つと思う。
セックス「だけ」はしていないけど、同じ時間を共有して笑ったり泣いたりして、時には喧嘩をしながら日々を過ごされたらどうだろう?
疎外感を感じて悲しくなると思う。

されたら嫌なことを挙げるとそんな矛盾が生まれるので、今度は逆に自分が浮気する立場に立って考えてみる。


中村倫也という国宝

あなたの愛してやまない憧れの芸能人が、(わたしなら中村倫也が)飲み会の帰りに手を繋いできたらどうか。
まさかわたしなんかが中村倫也とどうにかなるわけがない。きっと遊ばれている。
だけど今この瞬間、手を繋いでいる時間くらい自惚れたいと思うだろう。

突然めちゃくちゃキモい妄想を繰り広げてしまったが、仮にそんなことがあったとして、恋人から「飲み会の帰りに手を繋ぐなんて浮気だ!酒も飲んでいたのに何もなかったなんて信じられない!」とブチ切れられたらどう思うだろうか。

いやいやいや、中村倫也だよ?!
わたしみたいな女がなんかあるわけないやん!
逆にあなた池田エライザに手を繋がれても「いえ、僕には彼女がいるので。」ってスッと手を離せるの??無理やろ??違う??
それに何もないじゃん。手繋いだだけ!!
減るもんじゃないし!!!!!

↑わたしならこう思う。

そうなのだ、減るもんではないのだ。
セックスも同じく減るもんではない。
だけど倫理的に考えて、恋人がいるならば不特定多数とするべきではない。
それはキスすることも手を繋ぐことも同じだろう。
だけどわたしは中村倫也に手を繋がれたら、問答無用で握り返す。
ただしそこに「手を繋げてうれしい」以外の幸せはない。
一度手を繋いだくらいで「わたしは中村倫也と結婚して幸せな人生を歩める!ていうか歩む!絶対歩む!決めた!今決めた!!!」と言って彼氏と即座に別れることもない。
ただ、手を繋ぐだけなのだ。

だから、そんな「倫理的な価値観」を浮気の定義にするのは曖昧で不確か。
むしろ悲しい別れを生んでしまうと思う。


【倫理】人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの。道徳。モラル。- goo国語辞書



浮気の定義

そうなると、もう浮気の定義は「アレしたら」とか「コレしなかったら」とかじゃなくなる。

「自分の行動によって傷つく恋人を想像することが出来ないくらい気持ちが浮ついたら」だ。

つまり、「何をしたか」はあまり問題ではなく「なぜしたか」が重要だということ。

「なぜ浮気するのか」は大きく2つ考えられる。

①傷つくと思っていなかった
→これは簡単に防ぐことができる。
何をされたら傷つくのか事前に伝えておけばいい。

②傷つくとわかっていても行動したい理由があった
→人間だからそういうこともあるだろう。
というか世の中の浮気の大半はこれだと思う。
もしそうなってしまったときには「理由の正当性」は大きな争点となるので、普段から「そうなる場合の理由」について共通認識を持つべきだ。

仮にさっきの中村倫也との夢のハッピータイムが本当に訪れたとしたら、わたしは彼氏に包み隠さず話す。
そしてわたしの彼氏は絶対に怒らない。
なぜなら、わたしの「中村倫也と手を繋ぐ」にそれ以上の意味がないことを普段の話し合いからわかっているから。
同じくわたしも、彼氏がもし飲み会の帰りに池田エライザから酔った勢いでハグされたと喜んでいたら「やったじゃん!!!」と一緒に喜ぶ。推しは尊い存在だ。


もちろん当然のことながら、恋人がいながらも積極的に異性と2人で出掛けたり手を繋いだりキスをしたりすることを推奨しているわけではない。
これを大前提の「論理的な浮気の定義」として、カップル各々の「浮気の定理」を導き出しておくことがめちゃくちゃ大切だと思うのだ。


各々の浮気の定理

自分の恋人が誰かと手を繋いでいることを想像したら悲しくて悲しくて辛い気持ちになる人だっているだろう。
そうであるならば、「手を繋がれると悲しい」ということをしっかり伝えておく必要がある。
「なぜ悲しいのか」「そういう状況が訪れたときにはどうしてほしいのか」
こういったことを真剣に議論したことあるカップルがどれくらいいるだろうか?

「そんなこと伝えなくても当然だろ!分かれよ!」と思うかもしれない。

確かに、当然だ。
だけどどんなに好き同士のカップルでも突き詰めれば赤の他人。
育った環境が違えば考え方も全く違う。
長く付き合ううちに必ずどこかで歪みが生じてくる。
現に、どんなに仲睦まじいカップルでも、お互いの愚痴は絶えない。
そういう小さな歪みが積み重なったときに起こる弊害は、未来の自分や、子どもに生じる。
わたしがウェディングプランナーだったときは、担当する新郎新婦さんには結婚式の打ち合わせを機に、小さなことでもたくさん議論してもらうように努めていた。

それは、「招待状を何にするかさえも建設的に話し合えない2人に、将来の人生や子どもについての話など出来るわけない」と思うから。

「招待状どれにする?ディズニーのやつ可愛いけど、100円高いなぁ」と見積もりを気にする新婦さんに対して、ケータイを見ながら「好きなのにしたらええやん」と言う新郎さん、めちゃくちゃ見てきた。

ぶっちゃけ、結婚式の打ち合わせなんてそんなもんといえばそんなもんなのだが、わたし的には嫌だった。

新婦さんは「もっと一緒に考えてよ!」と思っている。
かたや新郎さんはもしかしたら仕事の大切なメールを見ているのかもしれない。
でもそこでお互いが何も言わずにいることは幸せを産まない。
「もっと一緒に考えてほしい」とか、「このメールは大切だから少し待ってほしい」と伝える手間を惜しむことは、未来の自分たちの関係性から借金してることと同じだと思う。

「一緒に考えてくれて当然でしょ!」と気持ちを押し付けたり、「仕事の都合ぐらい理解してくれている」と思い込んでいてはいけないのだ。

話を戻すが、だからこそ「当然でしょ」と思う浮気の価値観ほどちゃんと話し合っておいた方がいい。


必要な遠回り

わたしは元カレから浮気されて、すごく傷付いたけど、おかげで「浮気とは何か」を考えられたし、「次付き合う人は見た目やお金じゃなく、建設的な議論が出来る人がいい」と思えた。
そして図らずも出会って即座に「浮気ってどこからだと思う?」と聞いてくる男と出会えた。

彼もまた「議論できる女」を求めていた。
ここでわたしと彼はお互いのニーズがハマっている。
だからこそ性格が割と真逆ながらもここまでそれなりにうまくやれてるのだと思う。
側から見たらめちゃくちゃキモいカップルだけど。

彼は完全なる男脳でわたしは女脳。
「事実こそがすべて」な彼に対し
「感情は変わりゆく」なわたし。

でもお互いがお互いの関係性をより良くするために建設的に話し合うことができる間は、絶対に大丈夫
そう思える安心感は、例え目の前に池田エライザが現れようとも変わらない。

人を信じることは難しいけれど、信じようと努力することはできる。
しかもその努力にはお金などかからない。
ただ、本音で語り合うことのみが必要なのだ。

これは家族や友だちにも当てはめられる。

確かに建設的に議論することは大変だ。
気持ちを語弊なく伝えることはすごく難しいし、世の中には頭で理解しても納得できないことがたくさんある。

でも、その遠回りを抜けた先には必ず、一歩進んだ関係性が待っている。
この幸福感は一度味わったらやめられない。

わたしはこの幸福感をあなたにもぜひ体験してほしい。

今すぐ、恋人と、家族と、友だちと建設的議論をしよう。


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6/5で26才になりました。
何をするでもないですが、京都の嵐山で着物レンタルして散歩してきました。

26才最初のnoteは、わたしの中の大切にしていることを書きたかったので、これにしました。

今年も、あーでもないこーでもないと、彼と色んなことを議論しまくれたら幸せです!

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