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観光地で人々に"非日常の癒し"を届けるために働く人たちの力になりたい。 - 熊本のフォトグラファー・保田有希のこれまでとこれから -

GWも目前!気候もあたたかくなり、どこか素敵な観光地へお出かけがしたくなってきた今日この頃なエムコです。今日は、そんな観光地やイベントなどを素敵に写してくださる熊本の女性フォトグラファー・保田有希さんにお話を伺ってきました!

フォトグラファーとしての一面が強く印象にある保田さん、でもそれだけじゃない保田さんの“今”につながる物語と、そして観光地への想い。写真の裏側にあるストーリーが一気に知りたくなる、そんなお話しです。



Hubとの出会いと、自分の仕事の "現在地"

SONY公式 α NEW generation 掲載作品

ー保田さんと言えば、SONY α NEW generationで公式サイトにも掲載されていたり、東京カメラ部などでも入賞されるなど実力派のフォトグラファーさんというイメージが強いのですが、Hub.craftとのご縁はどのようなことがきっかけだったのでしょうか?

保田 有希さん(以下保田)「Hubさんのことは以前からお聞きしていたのですが、直接お会いできたのは2020年の6月ごろ、まさにこのnoteの取材のお手伝いでご一緒した時が初めてです。そこからご縁が続いて、野田さんが企画された合志市のフォトウォーク企画で講師としてお招きいただいたり、Hubさんが管理されているスタジオピンボールをお借りしたりと何度もご一緒させていただいています。」

ー保田さんはリニューアルしたスタジオピンボールの最初のお客様としてご利用いただいたと伺っています。リニューアル以前にもご利用いただいていたと思うのですが、新しいピンボールでの撮影はいかがでしたか?

保田「もともとのスタジオピンボールは、廃墟感のあるビルのワンフロアをそのまま使用することができて、市内とは思えないクオリティの撮影ができたことが魅力でした。

雰囲気ある壁をバックに撮影もできます!

リニューアルした新しいスタジオピンボールは廃墟感はそのままに背景白抜きで撮影可能なスペースが追加されていたり、すごく使い勝手のいい綺麗なフィッティングルームができたことで、さらにモデルさんなどを起用した撮影がすごくやりやすくなってありがたいです。特に白抜きスタジオに関しては、熊本は商品撮影などのために使える白抜きのスペースがいままでなかったので、このスタジオのおかげで撮影後の白抜き作業時間が1/5くらいに短縮されて本当に助かります!」

北欧テキスタイルブランド pink india の撮影にて 白抜きスタジオ


ーピンボールでの廃墟感ある写真などのように、保田さんの写真は「非日常感」を際立たせる強い美しさのある写真が印象的なのですが、現在のお仕事はやはりフォトグラファーとしてのお仕事がメインなのでしょうか?

保田「そうですね、写真に関わるお仕事もたくさんさせていただいていますが、最近は観光地やイベント、施設のPR周りの総合的なプロデュースやSNS広報に関わるアドバイザーのようなお仕事も増えてきて、自分へ期待される役割がまた新しいフェーズに入ってきているのを感じています。私の仕事=ずっとフォトグラファーだと思われている方も多いと思うのですが、カメラや写真は私にとって表現の手段のひとつでして、実は仕事の軸はちょっと違うところにあるんです。」



「どう人に喜んでもらい、届けるか」
15年以上研究してきたPRコミュニケーションの力

フォロワー数1.5万人の保田さんのInstagram


ー確かに保田さん=カメラ・写真の人という印象でした!

保田「趣味としてのカメラは10年ほどやっていたんですが、真剣にお仕事として取り組み始めてからは実はまだ5年くらいです。今は私のカメラマンとしてのアカウントとして運用している自分のInstagramも、元々は観光地などを紹介するためのアカウントとして始めたものなので、過去の投稿を見るとその名残があったりします(笑) 」

ーカメラマンとしてのお仕事を始められる前は、どんなお仕事をされていたんでしょうか?

保田「もう15年ほど前のことになりますが、インターネット上で観光などの情報を発信してそこから収益を得る、アフィリエイトというよりは今でいうところのインフルエンサービジネスに近い形のビジネスをやっていたことがあります。この時に、かなり "どんな情報を発信すると喜んでもらえるのか" という感覚であったり、ネット上のコミュニケーションの基礎が身についたと思います。

Instagramもこの流れがあり、インフルエンサーとしての発信力をつけていきたいという狙いから始めたものです。アカウントの運営開始当初は、それこそInstagram上でのコミュニケーションのために1日4〜5時間かけたり、発信をみていただいた方にとにかく喜んでもらえる写真や発信内容を徹底的に研究したりしていましたね。」

ーSNS上でのコミュニケーションを研究していく中での学びはどんなところにありましたか?

保田「SNSって、コンテンツの中身だけにみなさん意識が行きがちなんですが、やっぱりそこにあるのは人と人のコミュニケーションだったりしますよね。先ほどもお伝えしたように私はInstagramにて最初、観光情報をアップしていたころと写真の作品をアップしている今とでは全く違う発信をしているわけですが、不思議と初期の頃から繋がっている方は今でも応援してくれていたりします。

そしてそういう方々とのコミュニケーションを繰り返すことで、今自分に求められているものがわかってきます。そういう《求められている像》と《自分自身》とのバランスをとりながら発信内容を決めていく。SNS発信をするときによく陥りがちな "自分が伝えたいことを伝える" だけのアカウント運用ではなく、ちゃんとそこにコミュニケーションを通じて "そのアカウントを必要としてくれている人が何を求めているか" という点を意識しながら発信することが大切だということを学びました。それが、今自分以外の方のSNS発信であったりPRであったりをお手伝いする上でも役に立っている経験ではないかと思っています。」



いつだって自分が頑張るその先には、
観光地で働く人たちの笑顔が見えた

黒川温泉 湯あかり


ー現在ではInstagramのフォロワー数も1.5万人にもなられていますが、インフルエンサーとしての発信力をつけて、なにか実現したいことや目標などはあったのでしょうか?

保田「SNSは私にとって自己表現のツールのひとつでもあるんですが、同時に不思議と昔から観光地やイベントなどの非日常空間について発信したい、観光地で働く人たちの力になりたいという気持ちが強かったんです。だから、自分が発信力をつけることで、直接的にせよ、ノウハウなど間接的にせよ、そういった観光地などのPRに貢献することができるようになるためにインフルエンサーとしての発信力をつけようとしていたと思います。」

ー保田さんにとって観光地とは、どのような存在なんでしょうか?

保田「自分の人生の中の楽しかった記憶が、観光地などの中に凝縮しているのかもしれません。阿蘇を観光して、黒川温泉へ行ったりとか。イベントなどの時の特別な景色とか。そういう"非日常"の空間がとにかく好きで、そこに関わっていたいという想いがあります。

さらにいうと、観光地で働いている方々って、一般の人が休みの時にこそ忙しく、自分が楽しんでいる時にめちゃめちゃ頑張ってみなさん働いてくださってる。それに気づいたのは、観光地で働く友人ができてからなのですが、人手不足も集客の苦労も乗り越えて、汗水たらして私たちの非日常の癒しのために頑張ってくれている裏側を知ったら、そこからどんな観光地へ行ってもそこで働く人たちが浮かび、応援したい!と強く思うようになりました。

ーお仕事で観光地のPRのサポートをされることも増えてきたというお話しでしたが、そのお仕事での喜びはどんなところにありますか?

保田「観光地PRのお仕事は、自分を奮い立たせてくれるものと、自分がこれまで培ってきたSNS運用やPRや写真といった能力とがマッチして、やればやった分だけわかりやすく結果につながったという手応えを感じやすいところもすごく嬉しいポイントです。『あの写真のおかげで問い合わせが増えたよ!』とか『SNSを運用しはじめてからお客様が増えたよ!』とか、彼らの努力の上にほんの少し自分の力が掛け算されて、少しずつその場所にスポットライトが当たってたくさんの方に届いて働く人たちが喜んでくれる。そんな過程を側で見守らせていただけるのが私にとってはすごく喜びですね。」

ーこれから取り組んでみたいお仕事などはありますか?

保田「これからも自分がワクワクするような素敵な風景のあるさまざまな観光地で、そこで働く人たちが笑顔になれるお手伝いができたらと思います。やるからには結果を出して役に立てなければ意味がないと思うので、これまでの経験や、今のフォトグラファーとしての仕事など自分の持つ力を最大限活かしてお力になれたらと思っています。」


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実は、保田さんとはこれまでも何度もお仕事をご一緒させていただいていたのですが、保田さんのバックグラウンドを伺ったのはこれが初めて。写真の撮影をお願いしても、いつもさらに一歩、二歩先を読んで提案をしてくださっていたことや、彼女の活躍の幅広さなど、いろんな点と点が線になって繋がったと感じたインタビューになりました。

フォトグラファー、ビデオグラファー、編集担当や音声担当など、ひとくちにクリエイターと言っても本当にたくさんのお仕事がありますが、そのスキルだけではなくその人の持つストーリーを理解することで、さらにそのクリエイターさんが輝くポイントを見つけることができるんだと、改めて感じることができました。

今後の保田さん×観光地のプロジェクトがさらに楽しみです!保田さん、本当にありがとうございました!!


▽保田さん所属するAlto-Picsのウェブサイト


▽保田さんのInstagram



インタビュー・写真:保田 有希
文:谷本 明夢

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