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黄酒を料理に合わせるか、お客さんに合わせるか。

干杯!

久しぶりに日曜日、お店へ出勤しました。ありがたいことにご予約で満席!気合いが入ります。

そんな中で、今日も黄酒ペアリングのリクエストをいただきました。

料理がコース1本なので、予めこの料理には黄酒AかBかCを!とある程度の選択肢は決めています。月初にシェフが料理を一通り作ってくれて、一皿に対して酒を数種ずつ合わせて、どの酒が合うのかを決めていくのです。月初は酒がだいぶ入っているので非常に楽しい営業となります(笑)

でも、時折、その選択肢以外からチョイスすることもあります。

それは、お客さんの好みや経験値に合わせるのも大事だから。

例えば料理に合う酒としてAという酒を候補にしていたとします。そしてその酒は紹興酒が苦手な人にとってちょびっと苦手な感じの味だとします。

「紹興酒、普段はあまり飲みません。」

そんな方には、いくら料理に合うとしても出すことをためらいます。料理との相性だけでなく、お客さんとの相性も考えなきゃいけない。

今日がまさにそんな状況でした。

「普段はあまり紹興酒を飲みません。でも、飲んでみたいので料理と合わせる感じでお願いします!」

このときは、料理と合わせることも考えますが、一番に、酒の味がお客さんの舌に合うかどうかをイメージします。そしてそのあとに料理と合うかどうかを考えます。

ちょっと余談ですが、今日の方がすごいやりやすいなと思ったのは、こんな言葉を伝えてくれたからです。

「たぶん、1〜2杯だけで終わります。」

お客さんがどれだけお酒を飲む方なのかって結構大事なんですよね。なぜなら、酒の組み立て方が変わるからです。1杯しか飲めない方と、何杯でも飲める方だと、最初にお出しする酒は変わります。

黄酒は、日本に流通している銘柄数がかなり限られているので万能ではありません。その"限られた鍵盤"の中でやりくりをしていくのも、やりがいであります。

自分のセレクトがお口に合っているのかどうか。とても不安だし、ソワソワします。でも、そんな心配は、帰り際の一言で吹き飛びました。

「すごく楽しかったです!」

飲食店で飛び出す「楽しい」という言葉は、最上級の褒め言葉だと勝手に思っています。

結局その方はいつもの限界を突破して、3杯飲んでいただきました。「いつもより飲んじゃった!」そんなひとときを作ることができたのかな?と思えて、僕も楽しい気分になりました。

こうしてうまくいくことも少ないのですが(笑)模索しながらやっていくことが黄酒の可能性を広げることにもなるし、自分の成長にも繋がっていくし、引いてはお客さんのためになるのだろうと思っています。

さて、明日明後日と夏休みをいただきます。貴重な家族との時間。そして水曜日は、ワインの葡萄を栽培する山梨の農家さんへお手伝いに行ってきます!これもYouTubeで生まれた繋がり。楽しみーーー!

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