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不安や体内の炎症レベルを下げる感情を知っていますか?

2015年、カリフォルニア大学の研究チームが200人の学生に日誌を手渡し、毎日の感情の変化を記録してもらうという研究を行いました。

「朝から家族と喧嘩して不機嫌になった」や「休み時間に友達と話して楽しかった」など、その日に自分が味わった感情を記録させて、その内容を被験者の体調の変化と比較したのです。

その結果、「畏敬」の感情を抱いた回数が多い人ほど、心理的な不安や体内の炎症レベルが低いという事実がわかりました。

「畏敬」とは、なにか自分の理解を超えるような対象に触れた際にわきあがる、鳥肌が立つような感情のことです。

その対象はなんでもよく、壮大な自然の景色を見たとき、何となく読んでみた小説に心奪われたとき、考えつかないような発想のアートに触れたとき、音楽を聴いて涙を流したときなど、心の底からすごいと感嘆できれば、それは「畏敬」です。

他にも、科学の世界では「畏敬」の不思議な効果が次々と明らかになっています。

たとえば、スタンフォード大学の実験で、壮大な海や山を映した動画を鑑賞した被験者は人生の満足度が上がり、チャリティなどへ寄付を行う気持ちも増加しました。
さらには主観的な時間の感覚が長くなり、「以前よりも仕事に使える時間が増えた気がする」と答える人が増えたそうです。

2700人を対象に行われた別の調査でも、生まれつき「畏敬」を感じやすい性格の人ほど親切な行いが多く、目の前の欲望にも強い傾向が確認されています。

なぜ、「畏敬」の感情は人の不安を減らし、良い人間にさせる働きがあるのでしょうか?

それは、時間感覚が影響しています。

畏敬を感じると、人は自分の小ささを思い知らされ、より大きな存在の一部になったかのような感覚を得ます。

自然の中にひとりでいるときや、壮大な音楽に没頭しているときなどに、あたかも自分と外部の境界があいまいになったかのような、独特な意識が訪れます。

すると、その時点で意識が自然や芸術といった息の長い存在と一体化し、頭の中の時間感覚は過去・現在・未来のすべてが含まれた状態になります。

つまり、現在と未来が一緒に含まれていて、それを感じている意識は「今」なので、「未来が今に近づいた」ということになります。


未来を近づけるメリットについてはこちら


人が畏敬を感じやすいポイントは3つあります。


1つが「自然」です。

ここでいう自然は、山川草木以外にも、相対性理論、進化論、量子論などの世の中の仕組みに適応できるような大理論や、宇宙や人間の謎を解き明かすようなフレームワークも含まれます。


もう1つが「アート」です。

音楽、映画、絵画、演劇などの高度な創作性を持つものは、すべて人間を超えたかのような感覚を与え、時間を超越したかのような意識をもたらします。

アートで畏敬を引き起こすポイントは、なじみ深いような作品ではなく、「理由はわからないけどなぜか惹かれるもの」を基準にすることです。


最後のポイントが「」です。

キリスト、ブッタ、ガンジー、アインシュタインなどの歴史上の偉人や、スポーツ選手、タレント、政治家など、カリスマ性を備えた人物は、畏敬の念を生みます。



畏敬を感じることは他にも様々なメリットが確認されています。

あなたが畏敬を感じるものもよかったらコメントで教えてくださると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!



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