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コンテクストのハイ・ローとファッショニスタの対立〜ファッションはもっとONE PIECEすべき〜


ファッションシーンの永遠の課題…
それは「ファッション好き」なのか、「服好き」なのか、みたいな線引き。

両者の言い分は、

「ファッション」は本人の絶対評価で楽しめればなんでもいい。
自己満の範囲でのビジュの追求や自己ブランディングこそファッションの本質。
服好きの知識マウントが表現することの楽しさを殺している。

「服」はまずプロダクトの良し悪し、そしてカルチャーやバックグラウンドとの相関性で楽しむもの。
歴史や時代性をメタファーした表現こそファッションの本質。
着飾るだけのファッションが受け継がれてきたカルチャーを冒涜し殺している。

といった具合だ。

きっとどちらも間違っていない。
ではこのギャップの正体はなんなのだろう。

一言で答えるなら、
コンテクストのハイ・ローの違いだ。

分かりやすく例えると、
ノルウェイの森か、恋空か、
エヴァか、鬼滅か、
みたいな違いだ。

面白いか面白くないかではない。

では、
ファッション業界で今までこれをちゃんと問題提起し、解決に取り組んだ人はいただろうか…?
否、
両者は一見許容し合っているようなポーズを取りながら、今もしっかり冷戦状態のままなのだ。
これがファッションビジネス、マーケティングの限界でもあるのだろう。

そこで僕は思う。
ハイコンテクストな服好きが○○期な服をこれでもかと着倒す姿勢も、
ローコンテクストなファッション好きが映えるootdをひたすら極めていく姿勢も、

結論、いまやどちらも"ダサい"。

両者は本当の意味で歩み寄り、
互いの良さを理解し取り入れた上で
結果的に自分の根源的な"好き"が強調されてしまっている状態
が余裕のある奴みたいでカッコいいではないか。(笑)

さも恋愛がこの世の全てだとでもいうように立ち回る青年から、恋と愛の分別がつくカジュアルな大人になろうよ、みたいな話だ。

例えば、
ワンピースの必殺技が飛び交うバトルシーンも、
綿密に張り巡らされた伏線やメタな社会性も、
どちらも楽しめた方がいいに決まっている。

『君の名は』のハッピーエンドな新海誠も、
『秒速5センチメートル』のモヤモヤな新海誠も、
どちらも楽しめた方がいいに決まっている…。

そんな余計なお世話に、
プライド高き精神弱者のファッショニスタたちが
「「「好きなものをただ追求させろ」」」
と停戦協定さながらの総ツッコミを入れにくる気持ちもわかる。

しかしそういうわけにはいかない。
昔のようにSNSやメタバースのない閉鎖的なコミュニティでツレ同士のオナニーを見せつけ合う時代ではないのだから。

このオープンワールドな前提の中、
一方の絶対的正義の主張は、一方の圧倒的否定なのだ。

男子校生が共学生のヤワなノリを否定するようなあのムーブはもう通用しないのだ。

それでもまだこの歩み寄りを否定するというのならば、
「お前が創れ」

勘違いしてはいけない。
我々はあくまでカリスマアーティストを憧憬するだけの消費者なのだ。
そんな我々には我々なりの柔軟な楽しみ方と優しい世界への暗中模索が必要なのだ。
(そもそも作り手になるほどの心意気を持った人はこの文章に辿り着かない。)

さも自分で作りましたみたいな顔でアーティザナルを全身固めるな。
さも資本主義を攻略しましたみたいな顔で白Teeの真ん中にメゾンロゴを載せるな。

ファッションという第一印象をカマしすぎる行為はもはや、
スマホの待ち受け画面をトレインスポッティングのポスターにしているのと同義なのだと自覚すべきだ。

…だとするならばだ。
もっとさり気なく馴染ませてはくれないだろうか?

なんかペンキ塗りたてのベンチに座っちゃいました顔で、
たまたま引き出しの一番上にありました顔で、
ユニークに、ナードに、もっと可愛げのあるミックスをしてみようじゃないかと。

その姿勢こそが現代に求めるファッション共生社会のあるべき姿のはずだ。

これを読んでしまった皆さんが、この前提の上に立って何をどう着るのか、
非常に楽しみで仕方がない。(笑)

そしてこれを唱えた張本人はというと、、
ラフテルへの海図なき航海を誰よりも進めなければならない…。

ならばこれからも、
レッドツェッペリンとB'zを両方楽しむし、
ATCQを聴きながらキングギドラとドラゴンアッシュにドキドキする。
モッズな映画を見尽くした後は広瀬すずと橋本環奈の主演作を観漁ってもいい。
全てをシームレスに噛み砕いては、できるだけPOPに吐き出そう。

そもそも僕のnoteに少年ジャンプが頻出する理由も、一見難しい議題にPOPな共通言語を持たせる手段の一つなのだ。


とまあ、
いつも程よく適当に言ってみてるだけなのだけれど、
とりあえずコンテクストの使い分け・共存は、エンタメ業界の永遠の課題であることと、
それをファッションに落とし込んで考えてみたいという旨だけ伝えたい。

僕のディレクションにもふんだんにメタな伏線を張ってONEPIECEしていこうと勝手に思う今日この頃の独り言だ。

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