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『帰ってきたK2 池袋署刑事課 神崎・黒木 / 横関大』を読んで。

こんにちは。自称読書好きの春風ともうします。

普段はキャラクター文芸の小説を中心に扱っていますが、今回は一般文芸『帰ってきたK2 池袋署刑事課 神崎・黒木 / 横関大』の読書感想文を書きたいと思います。押忍。

今回読んだ『帰ってきたK2』は『K2』の続編です。個人的には『キャラクター文芸』だと思って読んでもいいんじゃないかな、と思います。主役二人のキャラクターが、まぁぁぁあ濃い。しかもいい男なんですよ……(小声) 。美男美女あふるるキャラクター文芸好きにも、きっとご満足いただける作品です。『K2』は美男美男ですが。

ところで、ドラマ化されたようですが、申し訳ありません、そちらは視聴しておりません。この note では小説のみの情報で書いております。あらかじめ、ご了承ください。

 ―― 注意 ――

・感想を書くにあたりこの記事内では作品の内容に関わる #ネタバレ をある程度しています。事前になにも知りたくない方はご注意ください。

◆K2 池袋署刑事課 神崎・黒木 (講談社文庫)

( あらすじ )
池袋署刑事課強行犯係で捜査に明け暮れる、クールな理論派の神崎と、型破りな直感派の黒木。同期のふたりが組むと、一筋縄では行かない事件がさらに複雑に。数々の修羅場をくぐり抜けたあと、神崎は二択に直面する。同期の擁護か決別か。黒木が隠し続けた過去とは。興奮と感動の、新世代バディ刑事小説!

まず前作から。これは書店で平積みになっていたときに見つけた小説でした。初版です自慢です。文庫ですけど。

帯には「型破りの直感派&クールな理論派 斬新なバディ小説、登場! 運命で結ばれた同期が池袋を、お互いを守る!」と書かれております。買うでしょー、こんな帯なら。

わたしはキャラクター文芸の中でも特に、男二人のバディモノが好きでして、K2は特に印象に残っています。というか、数ある男二人のバディモノ小説のなかで一番面白いのはこの『K2』だと思っています。ただ気軽にオススメができない理由があって、それは後述することにいたします。

K2。開始2ページで落ちた記憶があります。神崎と黒木の警察署内でのやり取りから始まるのですが、二人がどんな性格の人達なのかが一瞬でわかる会話を繰り広げてくれやがりましてですね……………………ハマりました。これにハマらないバディ好き女子はいないと思います。(が、実はちょっと安易にオススメできない理由がありまして(2回目)、後述します。

◆帰ってきたK2 池袋署刑事課 神崎・黒木 / 横関大

( あらすじ )
池袋のアパートでシングルマザーの死体が発見された。真っ先に現場に駆けつけた神崎と黒木は、残された幼い娘を前に犯人検挙を誓う。ところが翌日、2人は突然、捜査本部から外されてしまい―。「池袋の治安を守るのは俺たちの仕事だ。困っている人がいたら見過ごすわけにはいかないだろ」。ドラマ原作、シリーズ最新作。

読みました。一言でいえば、ご褒美本という印象。

まず驚きです。前作とは雰囲気が全く違っています。ドラマ向きになっているような気がしてなりません。章ごとに事件が解決したり繋がったりするところなど、まるでドラマの脚本とおぼしき構成。

そしてなにより、黒木や神崎の人間性についてを表面だけをすくっているような感じなのです。前作の『K2』では、黒木や神崎の普段の任務から、警察学校での出会い、また彼らの出自、親、警察官を目指した理由など、彼らの内面を深く掘り下げていました。

それに『K2』では、黒木、神崎の恋愛関係の女性のお相手も作品内で登場されておりました。(これが、男二人のバディ好き女子に安易にオススメできない最大の理由です。女子は『推しの男の恋愛』にめちゃくちゃ繊細な民族なのです…… #伝われ

それが、この『帰ってきたK2』では一切なにも触れられてもいない。完全に、K2の頃の話を、無いものとしています。女性だけではなく、前作の事件についても触れることもないので、時系列的にK2より前なのか?とも思えなくないのですが。黒木と神崎の私生活についての描写も極端に無いので、なんらかの意図があるような気がしてなりません。

『帰ってきたK2』が先に出版され、「二人のことをもっと知りたい」という読者のために、彼らの過去や内面を描いた『K2』を発売する……というのがシリーズものの定番のような気がしますが、『帰ってきたK2』から読んで『K2』で黒木と神崎の女性との恋愛を見せられたら、5億人の女子が滅亡するような気がするので、やっぱりこの順番は止めたほうがいいですね。女子は『推しの男の恋愛』がめちゃんこしんどい民族なので…… #伝われ

ということで、『帰ってきたK2』は黒木と神崎好きの人のための『ご褒美本』が正しい言い方かと思います。普通に面白かったですし、「黒木と神崎をもっと見たい!」という読者の期待に応えていることは間違いない作品だと思います。

『帰ってきたK2』は、ドラマを視聴した方を意識しての作品の一面もあるのではないでしょうか。

ドラマ化が発表され、キャスティングのころから「おや?」と思っていました。黒木役・神崎役の俳優さん方の年齢差です。ドラマのネタバレをチラッと読んだところ、黒木と神崎の設定が小説とドラマで違うらしいっぽくて。

原作小説は黒木と神崎は警察学校の同期なので、おそらく同年齢です。池袋署の配属は黒木のほうが先なので、ちょっと先輩風吹かすんですが、かわいいでしょう。おっと心の声が。

『帰ってきたK2』は、黒木と神崎の内面や過去にはほとんど触れないので、やはりドラマを意識している作品といえると思います。

推しの恋愛を読むのは苦手な方も、『K2』は面白いので読んで下さい、と言いたいです……できましたら。心臓が弱い方は『帰ってきたK2』だけにとどめてください。

なぜ心臓が弱いわたしでも読めて、読了後もまだ『K2』を好きだということができたのかというと、『K2』で出てきた女性は、ぐうの音もでないような運命のような女性だったから、でしょうか。神崎は婚約者で(たしかのちに結婚します?)が、黒木はまだ序章みたいな感じです。

が、都合のいいことは全部、瞬間記憶喪失になる能力があるので、わたしは大丈夫です。恋する乙女よ強くあれ!

◆後記

読まなくてもいいところです。

一般文芸だし、寒くて手がかじかむ(かぢかむ?)なので今回は手短に。

『K2』面白かったなぁ。藤本の正体は、そんな感じがしてたよ。



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