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ブランド・コアの作り方(採用ブランディング講座:vol.07)

あなたの会社はブランディングを
実施しているでしょうか?

また、採用ブランディングはどうでしょうか?

商品・サービスや企業のブランディングを
積極的に行っている会社であっても
採用ブランディングを行っている会社は
少ないというデータがあります。

採用ブランディングの実施率は
大手企業では57.5%に対して、
中小企業では38.4%と少数です。

また、具体的な実施方法は
大手企業では、パンフレット会社説明会
中小企業では、SNSの活用
が主な手段だそうです。

活動ができていない理由として、
リソースが足りない
分析ができていない
ノウハウがない 
お困りの企業は多いのが実態です。

そんなお困りの企業の方へ向けて
何からどのように始めればよいのか?
分かり易く解説していきたいと思います。


1.ブランド・コアの作り方

ブランドの「核」の部分をつくる上で
下図の手順で進めていきます。

①PMVV
企業が目指すべき方向性を指示したもので
求職者の共感を促す意味合いがあります。

・Pは「パーパス」で企業の存在意義を指します。
・Mは「ミッション」でビジョンを実現するため
 果たすべき使命は何か?
を指します。
・Vは「ビジョン」でどんな未来を作りたいのか?
 たどり着く先の目標
を指します。
・もう一つのVは「バリュー」で、
 企業が大切にしている価値観を指します。


②ストーリーテリング
ブランドの深い理解を促すため、物語で語り掛け、
ブランドのファンを獲得する意味合いがあります。

具体的な手順は以下の通りです。
・ブランド・コアを宣言する文言を
 定型の文章にあてはめて明記する
・ブランドが発信するメッセージを考える
 (ブランドメッセージ=キャッチコピー)
・ブランドの誕生~現在~未来に向けて
 物語として語り掛けてファンを獲得します。
 (ストーリーテリングの部分)

重要なことは語り掛ける順番であり、
TEDで有名なサイモン・シネック氏が提唱した
ゴールデンサークルを参考にすると
分かり易く伝えられると思います。

上図のように、Why(なぜ?)から
先に説明することで相手に共感が得られます。

一つ事例をご紹介しますね。
ある商品のプレゼンをイメージしてください。

What(何を?)から始めると…

私たちは「世界の常識を変える」素晴らしいコンピューターを作りました。
美しいデザインで簡単に使え、しかも機能的です。
どうですか?この製品を買いませんか?

決して悪くはありませんが、
心に響かないと思いませんか?

そこで、
Why(なぜ?)から始めることによって
以下のように変化します。

私たちは「世界の常識を変える」という使命があり、今までの常識に囚われない異なる考え方に価値があると信じています。
私たちが、世界を変える取り組みとして大切にしていることは、美しく、簡単に使えて、親しみやすい製品を開発することです。こうして、ここに素晴らしいコンピューターをお披露目することができました。
今回ご購入の方だけ、当社限定モデルのマウスとパッドを特典としてお付けします。どうですか?この製品を買いませんか?

こちらの方が心に響きませんでしたか?

前半部分でWhyの部分を強調して、
何を理想としているか?
これを説明をして、聴衆の共感を促しました。

次にHowでどのようなことを大切にしながら、
製品開発をしているのか説明して、
聴衆に自社のファンになってもらえるように、
自分たちの価値観を訴えました。

最後に、What=製品を見せ、
ダメ押しで、特典をつけてあげることで、
(もっと強いオファーが必要かもしれないが)
購入を促すスイッチを押してあげれば完成です。


③ベネフィット
ベネフィットとは商品・サービスによって得られる
実際に得た利益や恩恵のことを指す。

【ベネフィットの価値】
・機能的価値
・感情的価値
・社会的価値(マーケティング3.0では「精神的価値」)

これは事例を挙げた方が分かり易いので
iPhoneを例に説明しますね。

機能的価値:
 操作性、高性能なカメラ 等
感情的価値:
 スマートなデザイン、カッコいい 等
社会的価値:
 革新的なイノベーションで生活を変えた
 環境負荷(オールApple) 等


2.PMMVの作成方法


意味は先ほどの章で説明した通りですが、
これらには上位、下位の概念があり、
上位から順番に以下に記載します。

【PMVVの優先順位】
①P:パーパス(存在意義)
②V:ビジョン(目指す未来)
③M:ミッション(果たすべき使命)
④V:バリュー(守るべき価値観)

上記の内容を元にどのように考えていくのか?
以下に列挙します。

①パーパス
ブランドとしての存在価値について議論
・私たちは世の中の何の役に立っているのか?
・私たちの事業はなぜ、社会に存在するのか?
・どうすればもっと社会に貢献できるのか?

②ビジョン
どんな未来を作りたいのかについての議論
・私たちはどこを目指していくのか?
・どんな社会課題を解決していくのか?
・どんな世の中を作っていきたいのか?

③ミッション
ビジョンを達成するため、果たすべき使命は何か?
に関する議論
・ビジョン達成のため、何をしなければならないか?
・どのような姿になっていかなければならないか?

④バリュー
ビジョン・ミッションを実現するために
大切にするべき価値観とは何か?
・私たちが大切にすべき信念は?
・行動指針として、連想するキーワードは?
・私たちの価値観に反する行動とは何か?

上記を、過去現在未来に向けて
振り返りと目標を話し合ってみてください。
ホワイトボードに付箋で張っていく形式
より視覚化できてよいと思います。

付箋の少ない所は議論が弱い部分であり
今まであまり注視されていなかった所です。

そういった所ほど、
深い議論をすることをお勧めします。
より明確な言語化が可能となるからです。


3.ベネフィットの作成方法


先ほどご説明したベネフィットを
採用に照らした場合は以下の内容へ
切り替える必要があります。

③ベネフィット
・機能的価値=待遇面の価値
・感情的価値=仕事で得られる意味報酬
・社会的価値=社会における役割

機能的価値
仕事に対する報酬や待遇面の価値を指します。
(例)
・業界内でNo1の基本給
・年間の公休が125日以上、有給取得率90%以上
・充実した福利厚生 等

感情的価値
仕事によって得られる情緒的な報酬を指します。
(例)
・◯◯社で勤務しているという誇り
・独自の技術で市場を独占している安心感
・顧客からの感謝による満足感 等

社会的価値
事業がもたらす社会へのプラスの影響を指します。
(例)
・環境負荷への配慮(SDGsへの貢献等)
・スポーツや祭典へのスポンサー
・新しいイノベーションを開拓する 等

上記のような例を元に、
自社に当てはまっていて、競合他社にはない強みを
洗い出していくことで差別化が図れます。

それが、あなたの会社で働く意義であり、
その差が大きい程、採用競争力は向上します。

ただし、
求職者が知らないことは
「存在しないこと」と同義です。
きちんと社会的に認知されてこそ意味がある
という点を押さえておきましょう!


4.優れたMVVとストーリーテリング


最後に、
ミッション、ビジョン、バリューを言語化し、
体現している企業としてリクルートを例に
ご紹介したいと思います。

内容は以下のサイトを引用しました。

ビジョン:Follow Your Heart

一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。本当に大切なことに夢中になれるとき、人や組織は、より良い未来を生み出せると信じています。

ミッション:
まだ、ここにない、出会い。
より速く、シンプルに、もっと近くに。

私たちは、個人と企業をつなぎ、より多くの選択肢を提供することで、「まだ、ここにない、出会い。」を実現してきました。

いつでもどこでも情報を得られるようになった今だからこそ、より最適な選択肢を提案することで、「まだ、ここにない、出会い。」を、桁違いに速く、驚くほどシンプルに、もっと身近にしていきたいと考えています。

バリュー:
①新しい価値の創造 / Wow the World

世界中があっと驚く未来のあたりまえを創りたい。遊び心を忘れずに、常識を疑うことから始めればいい。良質な失敗から学び、徹底的にこだわり、変わり続けることを楽しもう。

②個の尊重 / Bet on Passion

すべては好奇心から始まる。一人ひとりの好奇心が、抑えられない情熱を生み、その違いが価値を創る。すべての偉業は、個人の突拍子もないアイデアと、データや事実が結び付いたときに始まるのだ。私たちは、情熱に投資する。

③社会への貢献 / Prioritize Social Value

私たちは、すべての企業活動を通じて、持続可能で豊かな社会に貢献する。
一人ひとりが当事者として、社会の不に向き合い、より良い未来に向けて行動しよう。

なぜ、私がリクルートを選んだのか?
それは以下の動画がブランディングはこうあるべき
を体現している内容だと思うからです。

動画を見て、リクルートが行っている事業と
照らし合わせた時に、「リクルートらしい」と
感じて頂けたら、それが正解だと私は思います。

あなたの会社でも、
企業のブランドを共感してもらえる
ストーリーで語ってみてください。


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