人的資本経営とは?実例から紐解く最新人事戦略〜後編〜
こんにちは!
HR University事業部 事業責任者の山中です。
前回に続き、今話題の「人的資本経営」について解説していきます。
具体的な事例を交えながら、人事目線で見ていきましょう!
人事戦略を立てる手順
前年の振り返り
人事戦略を立てるにあたって、まずはじめに着手するべきは前年の振り返りです。
採用・育成・労務・組織活性化などにジャンルを分け、それぞれの分野での成功ポイントと課題を洗い出し、前年それぞれにかかった費用を算出します。
その上で、今期注力したいことを抽出し、日々の業務レベルまで落とし込みます。
多くの人事が、毎年同じような施策を繰り返してしまっています。
振り返りをしっかり行い、現在の組織に必要なもの・足りないものを明瞭にすることで、新しい施策作りや取り組みに繋げることができます。
今期のテーマ/施策設定
上記の振り返りをもとに、今期のテーマと施策を設定していきます。
会社のビジョンから事業の理想状態、理想の組織状態を想定し、そのために人事はどのような組織を目指して動くべきかを定めます。
その際に重要なのが「会社としてのビジョンや経営理念」から人事が行う施策を設定することです。
人事として取り組む施策や制度を定めるに当たり、「経営目的の実現・従業員の所属価値の向上」を図るために、計画的かつ、合目的な理念・価値基準にもとづいて、全体として一貫性のある人事管理を行うための基準や運営の仕組みをつくる必要があります。
図1のように、企業ビジョンや経営理念・行動指針(バリュー)を念頭に置き、それらを達成するためには事業はどのような状態であることが理想なのか、そしてその事業の理想状態を叶えるためには組織はどのような状態であるべきなのかを考え、そこから日々の業務レベルで人事は何をするべきかを検討していきます。
各施策の優先順位やコスト設定
経営戦略にもとづいて定めた施策について、取り組みの優先順位やそれぞれにかかるコストを算出していきます。
優先順位をつける際には、まず過去に成功した施策やインパクトの大きい施策に目をつけます。効果の見込める施策をやらない手はありません。
また、会社で抱える課題から、その課題を解決することのできる施策も優先度高く取り組む必要があります。
先ほど図1で示した、企業の理想状態から施策に落とし込む上流からの考え方だけでは、人事施策の成功は困難です。
どの組織も抱えているはずの課題をもとに施策を設定していく下流からの考え方での施策検討も行なったうえで、上流・下流が交わるところに位置する施策こそ、企業にとって最も優先度高く取り組むべきです。
各施策ごとの戦略・担当者設定
施策とそれぞれの詳細・優先度が決まれば、細かいアクションプランや担当者など、実行にあたって必要な情報を揃えていき、実行に備えます。
人的資本経営を目指す企業の人事戦略
人的資本経営を行なう企業の人事は、3つの視点・5つの共通要素を用いて人事戦略を立てるべきです。
具体的なTipsとして、まずあなたの企業は人事戦略をしっかり立てているかどうか確認しましょう。
採用戦略や組織戦略など独立したものではなく企業の理想状態や課題から考えた、組織全体の生産性を改善するための戦略です。
もし、そのような戦略がなければ今期・来期に向けて戦略を立てていきましょう。
また、人的資本経営下では、人事戦略の中でも、社員の能力を最大化させ、パフォーマンスを向上させることのできる社員育成に関連する制度をしっかり検討していくことが大事です。
会社の根本である「ヒト」の能力を最大限に高めることのできる人事戦略は、これからの時代、非常に重要になる持続性のある企業発展に大きく貢献することができます。
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