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「採用ブランディング」の目指すところは、どこだ?(後編)

こんにちは。道場(どうじょう)です。

本日は、前回お届けした、【「採用ブランディング」の目指すところは、どこだ?】の後編です。前編をご覧いただいた後に、今回の内容をお読みいただけると、より内容をご理解いただけますので、是非ご覧ください。

採用サイト≠採用ブランディング

採用ブランディングのお話をいただく時、多くの場合が「採用ホームページ」の制作という切り口から検討される企業が多いと思います。しかし、私はこのようにお答えをしています。「採用サイトは魔法の杖ではない。あくまで手段の一つです。」と。

採用ブランディングは、採用目的だけで捉えがちですが、企業ブランディングの一環として採用ブランディングがある、と捉える必要があります。そして、さらに採用ブランディングの方法の1つとして、採用サイトがある。そんなイメージです。(企業ブランディング>採用ブランディング>採用サイトなどのツール)

ですので、採用サイトは、あくまで求職者をはじめとした採用ステークホルダー(学生、保護者、大学の教授や職員、転職希望者、社員やリクルーター、協力パートナーなど)へのコミュニケーション手段の1つと捉えた上で、採用活動全体でどのタイミングで、どのようなツールを使ってコミュニケーションを取るのかといった、採用活動全体フローの中から検討をすべきものです。

そう考えると、社員紹介やプロジェクトストーリーなどのように「採用サイトの鉄板コンテンツはこれ!」といった感じで決まっているものではなく、本来は、コンテンツは採用サイトを採用活動フロー全体の中で、どのシーンで、どう使うか、個別の企業ごとの採用コミュニケーション戦略によって、コンテンツの中身も変わるはずです。

また、採用サイトを作ることで、母集団が増えると思われているケースもありますが、直接的に母集団が増えることはあり得ません。なぜなら、採用サイトを作って、社名で直接検索を流入してくることは、ほぼ無いからです。

ですので、数を「集める」の観点よりも、「残す」の視点で、採用ステークホルダーに接触をした後に、自社の理解を促し、優先順位を高めさせるためのイメージを醸成するツールとして「残す」に主眼を置いた位置づけの方が、良いと考えています。(ランディングページを作り、Web広告を投下するという方法もありますが、採用ブランディングの観点でなく短期の母集団形成の観点ですね)

採用ブランディングは、企業から採用ステークホルダーへの約束(プロミス)

ここまで採用ブランディングの考え方について考えてみましたが、採用ブランディングは、企業の内側からにじみ出るようなものが自然なんだと思います。

そして、採用ブランディングは、求職者をはじめとした採用ステークホルダーに対しての「企業からの宣言であり、約束(プロミス)」であると思っています。

自社にジョインすることで、どんな体験価値があるのか、採用活動時だけではなく、入社後も続く一貫した体験(UX)として約束をする。だからこそ、インナーとアウターの発信が一致していないといけない。そう思っています。

私はブランドやマーケティングの専門家ではなく、どちらかと言うと、HR畑の出身ですので、専門で取り組んでいる方とは認識の違いがあるかもしれません。ただ、ブランドとは、対象者に選ばれることで自己の精神的価値を満たし、さらには、応援・推奨したいと思ってもらうためのイメージづくり。

「入社後体験のイメージづくり」が採用ブランディングにつながる。ただし、人材採用の場合は、例えば、「この新商品のシャンプーを試してみよう」と購入し、合わなかったから次はすぐにいつも使っているものに戻そうといった低額の消費財のように、気軽にコロコロと変えられるものではありません。

どちらかと言うと、家や車のような高額商材のように、じっくりと他のものと比較をして最終的に1つを選択する活動に似ているし、入社した後の自己実現をイメージすることは、まさに入社後体験のイメージづくりですよね。

「採用活動4.0を解剖したみた」の記事でも少し触れたのですが、求職者(キャンディデイト)をはじめとした採用ステークホルダーに「意味付け」を促すことで、入社後体験のイメージを与えられている状態を作ること自体が、採用ブランディングになっていく気もします。

理想論だと思われるかもしれません。

ですが、理想は描くから近づけるもの。いま、企業運営において組織文化の重要性が見直されているように、価値観をベースとした組織は強い。一朝一夕ではできないものですが、意志を持って、インナー、アウターどちらに対しても真摯に向き合い続け、強みの原石を磨き続けること。

目に見えやすい短期的な成果ではないだけに、独自の価値観を磨き続けることが大切ですよね。そういった企業が、結果的に採用シーンでもブランドを獲得するんだと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

採用戦略立案、採用マーケティング設計支援、採用ブランディング、採用広報など、インナーの理解を通じた戦略上流を中心とした支援をHRパートナーとして活動を行なっています。経営と近く、事業理解を必要とするサイズの企業の伴走型サポートがメインです。

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