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【エッセイ】私のままで

いつも誰かのことを見る。
そして羨ましいと心で思う。
そのまま言葉にすることはないけれど、わたしはいつも人に対して羨望と嫉妬を向け、自分に対する虚無感に苛まれる。

「あなたにしか出来ないことがあるよ」

励ましのつもりなのだろうけど、見つけられなければ何にもならないただの持ち腐れだ。
見つけられないから、花開かずにいるから苦しいのに、根拠のない「大丈夫」を向けられた気分になる。

そんな励ましは、ただの言葉の暴力だ。
それを知ってるからこそ、逆をされた時、つまり自分には何もないとかあんたはすごいとか言われた時は、なんて言えばいいかわからなくなる。

「あなたはあなたのままでいい」

そんなことを言いたくなる。
だけどそれはきっと毒にしかならないと知っている。
わたしも言われたら思うから。
「変わりたいから、このままは嫌だから言ってるのに。あなたはたくさんたくさん持ってるから言えることなのよ」

人のことはよく気づく。
自分のことはよく見えない。
そういうもんなんだよね。悲しいことに。

自分のこと、大事にしたいね。
難しいね。わかってる。
それでもね。

私は私のままで生きたいの。

もうひとりのわたしはそれを簡単には許さないと思うけど。
そんなわたしも私だから。


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