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【書評】プーさんにマインドフルネスを学ぶ『プーさんと一緒にマインドフルネス』

最近読んだおもしろい本を紹介します。

それは『プーさんと一緒にマインドフルネス』で、プーさんの一日を追いながらマインドフルネスについて分かりやすく学ぶことができます。

現代では「マインドフルネス」も健康を保つための重要なカテゴリーです。

著者は、パフォーマンス心理学の世界的権威で、アーティストやアスリートの指導にあたるマインドフルネスの大ベテラン。

その著者がマインドフルネスの案内役として選んだのが、「何もしないことの名人」である「くまのプーさん」です。

非常に読みやすい本なので、以下のような方に読んでもらいたい本です。

こんな人にオススメ

・くまのプーさんが好きの人
・ストレスを感じている人
・瞑想を始めてみたい人
・本を読むのがあまり得意ではない人

プーさんが好きな人にとって、イラスト付きのかわいいプーさんは充分な癒しになります。

オススメは33ページのイラスト「瞑想するプーさん」で、可愛いすぎるのでぜひ見てみてください。

また毎日なが〜いToDoリストと格闘している人にとっては、プーさんのマインドフルネスな行動が、張り詰めた緊張感をいい具合に和らげてくれます。

そしてプーさんの行動自体が、即実践できる瞑想やマインドフルネスの方法になっているので、瞑想を始めてみたい人にもとっつきやすい内容。

本の長さも160ページと多くなくイラストも満載で、物語とは別にまとめページ(コラム)もあるため、本を読むのが苦手な人にもオススメできます。

つぎに本書の内容について紹介します。

内容

本書の1章ごとに「プーさんの1日のひとコマ(物語)」と「マインドフルネスの実践法(コラム)」がセットになって進んでいきます。

ですので以下のような読み分けも可能です。

・プーさんの1日を楽しみたい人は、物語だけ読む。
・プーさんの行動についてマインドフルネスに興味をもち、補足説明が必要ならコラムを読む。
・マインドフルネスについてサッと知りたいのであれば、コラムだけを読む。

物語パートは、プーさんが目覚め、朝のエクササイズをし、マインドフルネスの練習をし……というように続いていき、最後ベットに入るまでを描いています。

プーさんと仲間とのやり取りにからめ、マインドフルネスとは何かが物語形式でわかる内容。

プーさんの1日を通して、マインドフルネスをより深く理解できる内容になっているので、プーさんと仲間たちの森でのようすを思い浮かべながら読むだけで、毎日の忙しさで忘れてしまいがちな「やさしさ」をきっと取り戻せるはずです。

物語の中では、大切なポイントを盛り込んだ「プーさん作の押韻詩」も添えられています。

この詩には、心を整えて自分らしく生きるための知恵がつまっています。

コラムパートでは、マインドフルネスについての考え方や実践方法がまとめられています。

ティク・ナット・ハンやジョン・カバット・ジンなど、マインドフルネスのレジェントたちの言葉が引用されており、信頼できます。

本からの学び

本書は、ストレスだらけで慌ただしい現代社会に適した対処法として「マインドフルネス」を簡単に教えてくれます。

本からの学びをとても簡単にいうと、私らしさとは「"今"という瞬間に集中すること」と、「自分自身や他人にできる限りやさしくあること」の2つです。

マインドフルネスというと難しく考える人もいるかと思いますが、ただこの2つのことを意識することが大切です。

プーさんの言葉いがいにも、コラムパートでは様々な人の言葉が引用されているので、自分の気に入るコトバが必ず見つかるはずです。

以下、わたしの心に響いた言葉を3つほど抜粋します。

未来や過去から戻ってこよう
やってたことを続けよう
ぼくはいつもそうするんだ
そしたら、「今、ここ」にプーでいられるんだ"

希望や恐怖にとらわれないことが肝心です。ただ好奇心を持って進みましょう 

ぺマ・チョドロン『No Time to Lose』より

「心とは、癇(かん)の強い野生馬のようなものだ。閉じ込めて御してやろうとすれば、興奮して暴れてしまう。御するということをもっと広い視野でとらえなさい。意識という広い草地で、心という野生馬を思い切り走らせてやるのだ。抵抗する相手がいなければ、やがてひとりでに落ち着くだろう」

禅話より

まとめ

本書では、集中力の向上やストレス軽減のために、Googleをはじめとした一流企業にも採り入れられている「マインドフルネス」を、プーさんの1日を通じてわかりやすく紹介しています。

毎日を忙しくすごしていると、一つのことをしている間に別のことを考えることの連続で、「今、ここ」に気持ちを置くことがありません。

そんな忙しい方や、普段マインドフルネス本を読まない人にも、物語・イラスト・コラムで楽しみながら読めます。

そして読んでいるだけで心が落ちつき、やさしい気持ちになれる、そんな本です。

おまけ: 『マインドフルネスストレス低減法』

がっつりと「マインドフルネスのやり方」について学びたいならば、『マインドフルネスストレス低減法』を強く推薦します。

ぼくも毎日少しずつ読み進め、瞑想のガイドとして使っています。

ぼくがこの本を使う理由は、著者のジョン・カバットジンがMasterClassで講師を務めているほど、世界的に認知された人物であること。

MasterClassは世界レベルの著名人が講師を務める、アメリカの有料オンラインクラスです。

普通の本と比べると本書は390pと大著ですが、毎日少しずつ読み進めて確実に自分のものにしたいと思います。

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