等身大の自分があまりにも小さい
そういえば、まだエッグベネディクトとやらを食べたことがない。
いつぞやによくテレビやらSNSで見かけた気がするが、こんな小洒落た食べ物があるのかと少しビクついているうちに流行りを逃した。ガレットを食べ損ねた理由も概ね同じだと思う。
そんなことを卵かけご飯を食べながら思った。卵かけご飯にキムチと納豆を乗せるという食べ方をここ数年何度も繰り返している。
卵焼きすら面倒くさい私の朝には、極めて丁度よいメニューだ。
よくよく考えたらエッグベネディクトが何なのかもよくわかっていない。エッグがベネディクトされるのいうのは、エクスペクトがパトローナムされるようなものなのだろうか?つまり、私はエッグベネディクトに憧れながらエッグベネディクトを全く知らない。もちろんエクスペクトパトローナムの意味も知らないし、ハリポタも最初の3作しか観ていない。
等身大で生きればいい。あの人もあの本もそう言っていたように思う。
ただ、等身大の自分とやらはあまりにも小さすぎやしないか?
等身大で生きるとやら自分が、ただただ惰性で卵かけご飯にキムチと納豆を乗せる人間だとしたら何だか物悲しい。
福井に行く用事ができた。今暮らしている香川から思いの外遠く、高速道路に乗れと地図アプリが推してくる。またしてもネクスコがニシニホンされているせいか、その金額にほとほとビビる。下道で行こうかな。まぁまぁ時間はかかるけど。
色々とスマホで調べていると、琵琶湖の周りに風情ある食堂を見つけた。少し気持ちが上向いてくる。下道で行く理由が見えた気がした。
改めて、惰性でキムチ納豆卵かけご飯を口にし、高速代をケチる。それが等身大の私である。
同時に、かくなる私は毎度「やっぱこの組み合わせなんよな」「高速とか新幹線では出会えへんもんもある」と心の中でコクコク頷く。
等身大の私はあまりに小さい。
ただ、別にまぁ嫌いってわけでもない。
そんなことを等身大の私は思う。
いや、嘘。最後にカッコつけてみただけで、やっぱりエッグベネディクトとやらは食べてみたい。
そう、これこそ私の等身大。
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