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「夢見る少女じゃいられない」好きなことをやって生活していくのが難しい理由。

正確に言うと、好きなこと「だけ」やって生きていくのはほぼ不可能、ということが言いたくて。

これを書いてみたい、と思ったのが占い師・しいたけ.さんのこの記事を読んでから。

「自分が見てほしい作品ほど、誰も興味がない」

私は無料で読める前半しか読んでいないので、彼が伝えたかった根っこのことからはズレると思うんだけど、この記事がきっかけになった。

これまでに私がやってきた、「好き」なこと

夢見がちなときは、「好きなことが仕事になったらいいな」と思って色々挑戦してきた。

①好きな作家さんの雑貨を販売して生活していきたい→オンライン雑貨店を経営
これは2~3年ほどで終了。自分の好きなものだけ売っているので、自分のお店に来る人のターゲットが絞り込めていない。結果赤字で、続けるとただ経費がかかるだけになり、閉店。そして、作家さんとのやりとりにも疲弊してしまった。やりとりで消耗するわりには大した利益にならないし、やりとりがこじれるとその作家さんの作品が好きではなくなってしまったことも。もったいない。

②ハンドメイド作家になって食べていきたい→布小物のハンドメイドを始める
こちらは細々と続けてはいるものの、次第にフェードアウトしつつある。その時自分に必要なものをメインに作っているため、世の中の人のニーズを満たせない。リピーターができるほど対応できない。作れるものしか作れないというのが弱点。

具体的にいうと、ベビー雑貨をメインに制作販売していた。スタイやガーゼハンカチ、おしりふき入れ、ポーチなど。ただ、そこでついたリピーターさんのニーズに合わせたものまで作れなかった。スタイだったら、もう少し首回り大きいものがいい、とかこういう生地で作ってほしいとか。型紙があるものは作れたけれど、一人一人にあわせたサイズ変更に対応できるほどの手芸力がない。

一時期コロナの影響でハンドメイドマスクがよく売れたこともあったけれど、作ってはすぐ売れる、そして作業量のわりには材料費もかかるし、消耗感が半端なくてこれをやり続けていくのはいやだ、と思った。

このように、好きを仕事にしようという挑戦をいくつか経験してみると、「好き」を仕事にはしにくいな、と感じる。

「したいこと=できること」ではない

成功している人のインタビューでも「ほんとうは今の仕事が一番やりたいわけではなくて、2番目にやりたい仕事なんだよね」というのをよく聞く。「したいこと=できること」ではないという事実がそこにある。

そして、好きなことを仕事にして生きていくためには、私のような考えでは甘すぎるのである。芸人も長い下積み時代を経て日の目を浴びるように、したいことをして生きていくためには、求められていることをやって認められる必要がある。

たとえば、私は最近少しずつnoteにアウトプットするようになってきたが、「これからはエッセイを書いて生活していきたい」、とある日思うようになったときに、誰が今の私のエッセイをお金を払ってまで読みたいと思うか。いたとしてもほんとにごく一部のマニアックな人になってくる。

その人の仕事ぶりを見て、「この人のこともっと知りたい」と魅力を感じたときに、その人が好きで発信していることにもようやく目を向けられることがあるのである。

だから、「好きなことは趣味として、生活のための仕事は一番やりたいことではない」と割り切るという人が多いのはそのためだ。

「好きなこと」を仕事にできる人はストイックな人

占いの鑑定中に、10~20代の若い人たちから「将来アイドルになりたい」という相談を受けることがあるが、こういう人たちの中にも「好きなこと」と「仕事」を分けて考えられない人が多いように感じる。もちろん、歌やダンスが好きで好きで、自分を追い詰めるようなことも苦にならないというストイックさがあれば、のしあがって成功する人もいるだろうが、中途半端な状態が続いて耐えられずに辞めるという人が多くいるのが現状だ。

細く長く続けていることが、運よく日の目を見ることはある

好きなことは趣味としてゆるく長く続けているうちに、たとえば自分の文章が本になったり、作ったものが売れたりする、ということはあるかもしれない。しかし、その好きなことを続けていくためには、まず自分の生活の基盤をしっかりと確保することが必要である。


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