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Episode 360 お姫様だっこで気付くのです。

全ての女性が憧れるか…というと分かりませんが、女性の憧れのシチュエーションのひとつとして、意中の男性に「お姫様だっこ」されるというものがあるような気がします。
ふわりと両腕で抱えられる感じが良いのでしょう。
だっこしようと思う男性も、女性とは逆に男気を見せるチャンスだったりするんですよね。

私は昨日のブログ記事で、ASD者を好きになってしまう定型者の心理状態は、自己肯定感が落ち込んでいる場合が多いのではないか…と指摘しました。
そこへ自己肯定感の塊であるASD者に、自分の凹んだ部分を埋めてもらえる期待感を抱く…と。
吸い込まれるようにASD者の魅力に取り憑かれた定型のあなたは、自分の領域に相手を引き入れてしまいます…『千と千尋の神隠し』で、千がカオナシを油屋に引き入れてしまうように。

先日お話しした小川の例え話で言えば、ASD者を自分の側に引き入れてしまうということでして、ASD者は自分の岸を飛び越えて対岸のあなたの岸に踏み込む「領域侵犯」をするということです。
ASD者は自他境界線が緩いことが多く、あなたの領域に踏み込むことが「おかしなこと」だと気が付いていません。
一方…定型のあなたは、助けを求める気持ちのあまりに領域侵犯してふわりと「お姫様だっこ」で支えてくれるASD者の距離の近さを許してしまうのです。

ひとしきり「お姫様だっこ」の甘い抱擁感を味わったあなたは、自分の足が地面についていないことに気が付きます。
そして、自分のプライベートスペースにあなたが入り込んできていることも…。

コトの重大さに気が付いたあなたは、「降ろして!」と言って暴れ、ASD者を本来の居場所である小川の対岸へ押し返そうと足掻きます。
ASD者は許されたハズの居場所から「出ていけ!」と言われるわけです…意味わかりません。

ここから先の二人の関係は、ケースバイケースでしょうね。
ウチはパートナーが「穴に逃げ込む」という避難を上手に使いながら、私との距離感を保っていたワケです。
そうこうしている内に、私はあれやこれやの問題を起こしてASDを自認するに至るのです。
後はこのブログで書き綴っている通り…ASDであることを理解した上で、愛すべきパートナーとの生活をどのように作っていくのかを模索する日々です。

何度も言っていますが、これは私の思うことであって、一般論ではないのです。
ただ自分の経験してきた人生を振り返れば、きっとこういうことなのだろう思う…ということです。

付き合い始めたころに背負っていた大傷を癒すだけのASD的な距離感の近さは、多分…定型者には出せないと思います。
それ故に発生するその後のASD者とそのパートナーの問題は、埋めた傷と同じだけの谷になる気がします。

谷があることにパートナーは気が付いてます
あとは、ASD者がどのようにして気が付くのか。
それが定型×ASDカップルの円満のカギであると私は思うのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/9/9

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