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〜淡い恋〜③
悲しかった、辛かった、苦しかった。どんなにグレていても、見た目は不良でも、あたしの心はまだ純粋な14歳だったのだ。
病院に着いてダイスケのバイクから降りれば「今日はありがとう」なんて笑ってみせて、何か言いたそうなダイスケに背を向け病院の玄関へと走った。
もちろん、抜け出したことがバレて担当医や看護師さんにめちゃくちゃ怒られたのは言うまでもない、ベッドに寝ることを促されたあたしは再び、看護師さんの手によって点滴が繋がれた。そしてあたしはそのまま眠りについた・・・・・・
今思えば安定剤でも打たれたのであろうか。だけどそのおかげで取り乱さなくて良かったのかもしれないから感謝してる。
次の日、セイヤは平気な顔をして面会に来た、そして入院中のあたしの体を求めようともしてきた。
笑うしかなかったし、そんなセイヤを突き飛ばし「さよなら」そう言って座っていたセイヤに背を向けた。
シャッーーー!!
カーテンが開ける音が鳴ったかと思えば、そこには笑顔でダイスケが立っていて、セイヤは酷く睨みをきかせていた。
「調子はどうだ?あれ?邪魔した?わりぃな」あははっ、と嘲笑うかのようにセイヤを見たダイスケの目はとてつもなく怖くて、まるであたしの代わりに怒りをぶつけてくれているようだった。
「顔色良くて安心したわ」そう言い残せば、あたしに片手をあげて「また来るな」と病室を後にした。
「待って・・・・・・」急いでベッドから身体をおこすと、サンダルを履きダイスケを追いかけた。病室を出るとそこにはダイスケの姿はもうなくて、
今にも閉まりそうなエレベーターを確認し駆けつければ、そこにはダイスケがいて「戻ってやれよ」とどこが悲しそうな顔で笑いながら、あたしとダイスケの間のエレベーターのドアが静かに閉まった。
*
つづく→④
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