見出し画像

円安で夜の仕事(風俗)を始めた   女子大生の話

「9月から留学に行くのですが、円安でお金が足りなくなったので、
風俗で働くことにしました。」

将来の自分がまだ見えない
 
華鈴さん(仮名:21歳)は、中堅私立大学の3年生。
文学部に在籍しているが将来、何がやりたいのか、何が自分に向いているのか、全くイメージができていない。

 四国の地方出身の華鈴さんは、地元の中堅公立高校から推薦入試を受けて大学に合格した。文学が好きで文学部にしたのではなく、推薦入試で合格できそうな大学・学部がたまたま文学部だったからだ。
 現在は叔父・叔母の家に下宿。そこから大学に通っている。
実家は自営業で裕福でなく、奨学金の支給も受けている。

「将来、何をしているか・・正直今でも全くイメージができません。
 だから就活も考えられません」

華鈴さんが大学入学したのはコロナの真っ最中。
スタートした大学生活はイメージと全く違ったコロナ禍の世界だった。
「初めてのアルバイト」として登録した居酒屋やファストフードは登録してもシフトを入れることができなかった。

1年生の大半はオンライン講義で毎日が過ぎていき、
サークルもバイトもなく、大学生になった実感もなく、
下宿の部屋に籠ってスマホで漫画を読む毎日だった。

2年生になって初めてのバイト
2年生になるころ、コロナが明けてきた。
やっと登録した居酒屋のバイトに入れるようになった。
華鈴さんは堰を切ったように、バイトに明け暮れた。
時給の高いガールズバーにもチャレンジしてみた。
キャバクラは、お酒が一滴も飲めないのであきらめた。

華鈴さんの週7日間の夜はバイト、昼はリアルが解禁になった大学講義で埋め尽くした。
大学生になった実感が出てきたが、まだ卒業後の目標が全く持てなかった。

「奨学金の返済を考えると、働ける時にできるだけ働こうと思いました」

安いという理由で決めたオーストラリア留学
そんな中でふと思いついたことが、海外留学だった。
留学には漠然とした憧れがあったし、苦手な英語を何とかしたいという気持ちもあった。

調べてみると、アメリカ、カナダ、オーストラリアが候補にあがり、費用が最も安いオーストラリアに決めた。

インドやフィリピンで英語とITを学ぶ留学もあったが、
超文系の華鈴さんは、語学留学を選択したのだった。

9月から半年留学にすれば、オーストラリアだと気候が良い。
とりあえず、留学すれば少なくとも英語は話せるようになる。
半年間、大学は休学しよう。
そんな理由で留学を決めた。

留学が決まってから、華鈴さんはバイトに力が入るようになった。
バイトだけでは、お金は貯まらないので、裕福でない親からもお金を少しばかり支援してもらった。

「それでもお金が足りないので、週2回だけバイトが終わったあと、ヘルスで働くことにしました。」

夜の仕事は、たまたまバイト仲間の違う大学に通う友達に誘われ、一緒に二人で面接を受けに行き、即採用になった。


ヘルス嬢として彗星のようにデビュー

「やってみたら、意外にできました。」

友達と一緒に店長から一連のサービスの流れを動画で見せられ、スグに体験入店することになった。

華鈴さんは身長155㎝の小柄だが可愛い系のルックスにEカップのバスト。
これだけのスペックで、「新人・未経験・現役女子大生」の謳い文句がプラスされれば人気が出ないはずはない。

「初日から事前予約が入り、出勤すればすでに予約でいっぱいになっているような状態になりました。」

週2回、それも1日3時間だけ限定出勤の女子大生ヘルス嬢はすぐに話題になった。


40分、一人接客すれば、ほぼ一日分の居酒屋バイト代

 出勤3時間。枠がすべて埋まれば40分の客が4回転することになる。
華鈴さんの働くお店では、指名予約だと女の子の取り分は
1回あたり7000円。 それが4枠あるので28000円が3時間の出勤で手に入る。

「昼のバイトの1日分の給料が夜の1人分の接客と同じだと思うと、金銭感覚がおかしくなります。そうなったら駄目だって自分に言い聞かせました。」

「お客さんの立場に立つと、1日のバイト分の倍ぐらいのお金を40分で使ってしまうのです。そう考えると、お客様を大切にして、満足していただくことを重視したサービスにしなくっちゃって、考えて行動しました。」

華鈴さんは、講習を受けたのは入店時に友達と一緒に動画を見ただけ。

「素人っぽさが良いって店長が言ってくれて講習はしていません。経験人数は一人で回数も少ないので、ネットに上がっている動画をみてめっちゃ研究しました。」

「一緒に入った友達も新人・未経験・現役女子大生なので、スグに人気が出ました。
同じ路線で勝負ができないので、私ができることはどんなことか、をずーっと考えていました。
唯一友達のマネをしたのは、パイパンにしたことです。
脱毛に行くお金がもったいないので、自分でシェーバーを使ってVIOを処理しました。(笑)脱毛じゃなくて、剃毛なので毎日のお手入れが大変です。」

“週2回、夜3時間だけの女子大生の秘密バイト”そんなキャッチコピーの女子大生ヘルス嬢は、目標のお金が貯まったため、昨年、突然退店した。


人気の女子大生風俗嬢がカムバック

目標の金額まで稼ぎ、突然退店した人気女子大生風俗嬢が4月に突然復帰した。

「9月から留学に行くのですが、円安でお金が足りなくなったので、風俗で働くことにしました。」

「円安にはびっくりです。もともとコストが低く、為替もまだマシなオーストラリアにしましたのに。学費や生活費を入れると当初計画の1.5倍以上。お金が足りません。
あと50万円ぐらいは必要なので夜の仕事に復帰することにしました。」

お店ではかつて人気だった華鈴さんが電撃復帰。 
それも、今までの「週2回、閉店間際の3時間限定」でなく、「週3回夕方から6時間出勤」することにした。

「以前お世話になったお客様が見つけてくれて、またお越しになっていただいています。また、以前は予約がとれなくて、今回やっと予約できたっておっしゃる、初めましてのお客様も何人かいました。ちゃんと心を込めて接客していてよかった、って思います。
今もちゃんとした接客を心掛けていますよ。」

「オーストラリアでどれぐらいお金が必要かわからないし、円安でだんだん不安になってきました。お金をたくさん持っていた方が安心ですし。
奨学金の返済もあるので、稼げる時に稼いでおこうか、っていう初めての時の気持ちは今も変わりません。」

「オーストラリアで何をするか、まだ決めていません。決まっているのは英語の勉強だけ。
だって、どこに住むかわからないのに、
何をするかなんて、わかりません。」

華鈴さんにとって決まっているのは、8月までヘルス嬢を続けること。
9月からオーストラリアに渡る。今年は夏を2度経験することになる。
後のことは分からない。

「自分が見つかるか。自分のやりたいことが見つかれば良いのですが。
行くのが楽しみです!」

華鈴さんは目を輝かしている。

かつて、私がオーストラリアに行った時、アメリカやイギリスとは違う、
現地の人の発音がほぼ聞き取れず、英語力の無さに愕然とした。
オーストラリア的に発音すると、
「ハーバーグッダイ!」(Have a Good day!)
華鈴さんが何かを見つけて、無事帰ってくることを祈っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?