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green days

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エッセイを集めたマガジンです。
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2017年6月の記事一覧

本とスマホどっちを長く見てますか

本とスマホどっちを長く見てますか

年齢を言い訳にしたくはないのだが、このところ1冊の小説を読み終えるのに「がんばり」が必要となってきてしまった。昔はそりゃあもう砂漠で遭難した人が水を与えられたときのごとく、浴びるように、一気飲みするように、物語が読めていたのだ。調子の良い日は1日に7、8冊読むこともできたくらいだ。

仮にも私は小説を書いていて、物語についてはもっともっと書き方を勉強するために読まねばならないのである。小説以外にも

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お香教室(体験会)へ行ってきました

お香教室(体験会)へ行ってきました

みなさんこんにちは!カルチャーセンターで開催された「お香教室」の体験会に行ってきました。匂い袋をつくったのですが、とっても楽しかったのでレポしたいと思います。

お香のイメージ、というと平安時代に貴族が着物に焚き染めていた、というような感じでみなさん印象づけられていると思うのですが、私もだいたいその程度の知識しか持っていませんでした。

今日の先生は、富山市の日本香&天然石念珠専門店「香華楽(かか

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東と西のおばあちゃん

東と西のおばあちゃん

昔から、齢を重ねることへの恐れはあまりなかった。なぜなら、物書きの世界というのは年配の書き手で、ものすごい方がじゃんじゃんいらっしゃるからだ。私も三十を数え、漫然と齢をとるだけではそういうかつて憧れた人たちに、到底届きはしないこともわかってきたけれども、それでも自分自身、ハタチやそこらのときよりは、ずっと生きやすくなっているし、確かに積み上げてきた、といえるものもそれなりにある。

そして私自身、

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読書がはかどった日

読書がはかどった日

今日は朝から微熱があり、横になっていたのだけど、その間に、県立図書館で借りた小説を、四冊も読破してしまった。最近は小説を一冊読むのにもなかなか難儀していた私が、すらすらと読めてしまい、自分でも驚いている。

読めたきっかけとなったのがこの本――栗栖鳥太郎さんの『「音読」で「バカ」が「天才」になる!世界最強の能力開発メソッド』というkindle本だった。

もともと、音読には以前から注目しており、筆

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物語を書きながら探す道のこと

物語を書きながら探す道のこと

「商業小説家の世界は、本当に厳しい」――というのがこのところの実感です。プロの一般文芸の方の作品の1冊分の分量は、だいたい原稿用紙300枚くらいからで、逆に言えばその分量がコンスタントに書けないと、生き残っていけないんだと思います。

そして、そのくらいの分量が書けて、一定のクオリティを超えているにも関わらず、小説でヒットを飛ばしたり、それのみで生活していくのはとても難しいそうです。才能に輪をかけ

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映画「ナラタージュ」への静かな期待

映画「ナラタージュ」への静かな期待

島本理生さん原作の小説「ナラタージュ」が今秋映画になって上映される。監督は行定勲さん。主演は松本潤さんと有村架純さんで、監督や主演お二人の人気から考えても、多くの人が映画館に足を運ぶことになるのではないかと思っている。

映画「ナラタージュ」公式Twitter @narratagemovie
映画「ナラタージュ」公式サイト http://www.narratage.com/

私は島本理生さんの作

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プレゼント、何にしよう?

プレゼント、何にしよう?

もうすぐ夫の誕生日だが、プレゼントを何にするか思案してまだ決まっていない。去年は七分袖の淡いパープル色をしたシャツを贈ったが、あまり着てもらえなかったので、つくづく使ってもらえるものを選ぶのは難しいと思った。

恋人同士から夫婦になる間に、もう何度もお互いにプレゼントを贈り合ってきたが、自分が贈ったものがなんだったかさえ、地味な贈りものだったりすると忘れてしまう。

今まで私が夫に贈ったプレゼント

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「火花」と「劇場」の言葉たち

「火花」と「劇場」の言葉たち

私の小説の好みは徹底していて「中身の文章がその人なりの華を持っているか」という点を一番重要視している。小説は文章とストーリーの両輪でできていると思うのだけど、文章がその作家さんなりのその人にしか出せない色をしていたら、あっという間に好きになってしまう。ストーリーテリングのうまさももちろん優れた小説にとってはとても大事なことなのだけど、今回は文章の話をさせてほしい。

私が小説を読む時間において一番

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