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「ブラッシュアップライフ」の結末の幸せは、本当に「幸せ」なのか。

毎週楽しみにしていた「ブラッシュアップライフ」が、ついに最終回を終えた。

浅野忠信さんをあんな使い方ができるのは、バカリズムさんだけ。これで芸能界のパワーバランスを語るのは安直(というか誤り)だけど、話題作らしく大円団を迎えるに至ったと思う。

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「地元に帰る」という結末

5周目の麻美と、6周目の真里。

無事それぞれのミッションを達成した後、ふたりはパイロットを辞めて地元に帰った。麻美は地方公務員、真里は保育士。1周目の人生と同じ職業を再び選んだのだった。

パイロットは不規則な生活だが、誰もが憧れる職業である。そんな生活をあっさり捨てて、地元に帰り、1周目の人生と同じ職業に就くことの意味が一瞬分かりかねた。(僕も地方出身だが、地元に帰ること=幸せな人生であることが、どうしたって100%結びつかないのだ)

「地元に帰る」のでなく、「大切な人と一緒にいる」

いちおう納得に至ったのは、このこと。

地元に帰るのが幸せなことではなく、ただ、ふたりにとって大切な人が地元にいたということだ。これは人の流動性の高い東京都民には分かりづらいかもしれない。

地元には、地元から離れない「いつメン」がいるのである。麻美も真里も、1周目よりも2周目と息巻いたが、結局「徳を積んで」人間に生まれ変わる人生よりも、「徳を積まず」に人間に生まれ変わらない人生を選んだのだ。

それは格好つけて言うならば、「いまを生きる」ということかもしれない。

2周目の人生は、思ったほど幸せじゃないかもしれない

このドラマでは随所に「○○、人生何周目?」なんて羨望の言葉をかけるシーンが出てくる。

実際にドラマを観ていた人が、例えば大谷翔平さんを指して、「大谷くん、人生何周目なんだろう?」なんて言ったりしている。

だが、バカリズムさんが脚本で示したのは、「別に2周目があったとしても、楽しくないかもしれないよ」ということ。

麻美は猛勉強に励むあまり、大切な友達を失うことになってしまった。テレビプロデューサーも研究者も楽しく充実していたけれど、それは本当に幸せな人生だったのか。徳を積むことは大切だけど、徳を積むことが目的化してしまうと、途端に行動範囲が絞られてしまう。

なーんにも社会的な意義はないけれど、朝までみんなでカラオケするのって楽しいじゃん。有名になれなかったとしても、福ちゃんのように周りを楽しませることができる人なら最高じゃん。

そんなメッセージがあったように思えた。

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ただ、前述の通り僕は地方出身者で、本当にそれで良かったとは断言できない。

でも「いまを生きる」ことの意味は、理解できた。2周目なんか期待しないし、3年後に「成長しているかもしれない」自分にも期待しない。

明日、早死にするかもしれない。

だから、いまを生きるのだ。しっかりと!

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