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小原聖誉『凡人起業』が諭す、凡事徹底の大切さ

タイトルとは関係ないけれど、ここ数日、脳みそスパーク状態が続いている。ここ数年を振り返ってみても、これほどインパクトのある出来事が続いたのは記憶にない。
昨日参加した経営ゼミ、本日見学に行ったとある会社の入社前研修、物凄いエネルギーを浴びてしまって、それを僕の中で消化し切れずにグワングワンと渦巻いていて、どうにも収まりがつかない。
そこで目の当たりにした言葉の一つ一つが忘れたくないほど強烈だったりもする。表層的で、装飾された言葉とは全く正反対。絶え間ない努力から生まれた言葉は、言霊が宿る。うっかり感電してしまったようで、今なお、どうしようもない興奮でうなされている

ここ数日の興奮は、考えてみると、小原聖誉さん『凡人起業』を読んだことが始まりだった。
僕は、小原さんご本人と何回かお会いしたことがある。ビジネスの席だったこともあるし、飲み会の席だったこともあるし、AppBroadCast設立時期だったこともあるし、AppBroadCastを売却した後だったこともある。
こんな風に書くとかなり懇意な間柄に思われるかもしれないが、極めて僕からの一方通行で、初期の頃から「小原さんのファン」を(勝手に)自認しているに過ぎません。

誠実さと妖艶さの両方を兼ね備えた、僕の周りには全くいないタイプの方で。だからこそ僕にとって小原さんは「特別 」であり「選ばれた」人という認識がある。
故に本書発売の報を聞いたとき、「タイトルに『凡人』という言葉を入れるなんて、謙遜を通り越して不遜なんじゃないか!」と密かに憤ったのだ。どこか『凡人』なのかと。個人的な経緯もありタイトルに共感できていなかったので、正直言って内容に期待をしていませんでした

という前提でエントリしているわけですが「小原さん、ごめんなさい!」と言うしかありませんでした。僕は小原さんの何を見てきたんだと。。

本書に書かれている殆どは、やらないだけで誰にでもできることだ。
例えば「自分のFacebookに業界情報を毎日発信していくこと」。今の時代、別に検索して情報を取りに行かなくても、Googleアラートを設定していれば、よほどニッチなキーワードでなければ、毎日、必ずキャッチアップができる。それを「ふんふん」と読んだフリするだけなく、一言コメントも添えて発信するだけ。Facebookのアカウントを持っていればできるし、仮にアカウントを持っていなくても登録すればできる。つまり誰でも=全員ということだ(Facebookユーザー対象年齢さえ満たせば)。

小原さんが提示する「凡人起業ドリブン 12のスキル」は以下の通り。
・今いる会社の社長に起業の相談をする
・競争を避ける
・毎日継続できる、レベルの低いことをする
・毎日継続せざるを得ない養成ギプスをはめる。
・無料セミナーをし、資料をつくらざるを得ないよう追い込む
・自分を信用していないから、ヒアリングを大切にする
・誰も否定できないことを整理して先駆者感を出す
・お金がないから広報に取り上げられる工夫をする
・自分にはチャンスが少ないことを認識し、真剣に提案する
・お金の使い道が見えてから資金調達する
・社員に名前を売ってもらう。売れば売るほど営業が不要になる
・ニッチでもNo.1と言える領域を徹底的につくる。そこで伸びるとトップシェアの自分たちが最も伸びる

起業後のアクションもあるけれど、そのうちの幾つかは、会社員としてでも実践することが可能だ。むしろ背伸びして、自分の足元が盤石でないうちから事を始めると、様々なことで躓いてしまう。時流に乗れたとしても再現性がないから、第二・第三の柱を立てるところまで行き着かずにドロップアウトしてしまうかもしれない。

凡人の強みは、弱さを開示できること。
そして凡事徹底の大切さを理解していること。

そのメッセージがとても優しくて、何だか救われた気持ちになれる。

ちなみに。

この本は「全力で起業したい」という人だけが対象ではない。
ビジネスパーソンとして、社内外の信頼を多少なりとも獲得した人が、「起業」というオプションについて考えるきっかけにもなりうる。

「選ぶ」ということは、意義がある選択肢がなければ意味がない。
「選ぶ」自由、「選べない」不自由のどちらが良いか。考えてみれば明白なわけで、僕にとって力強い選択肢を獲得できたなあと思うわけです。


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