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庇護欲、全ては口だけ、気持ちだけ

わたしはとんでもなく無能で
何もできやしないのに
「わたしが守ってあげなきゃ」と勢いづく

自分の傷さえ治せず、誰かに守ってもらい
小石ひとつ、投げられないのに
気持ちだけは、ただのお節介焼きか、でしゃばりか
積乱雲のように昇る庇護欲の強さ

「守りたい」を例えて言えば
野良猫が飼われて、自分が守られているのに
飼い主を傷つける人がいたら引っ掻くとか

静かにジッと「飼い主」の動向を目で追い
敵が来た暁には「シャー」と威嚇する
これがわたしの『脳内理想形』

現実は、尻尾を丸めて守られてばかりで情けない

泣くことでしか訴えられず、足を引っ張るのに
誰よりも味方でいると自負する
全ては口だけ、気持ちだけ
実績や形がない…

わたしは実質「長子」で
物心ついたときから「お姉ちゃん」
たしかに昔は、弟を守るお姉ちゃんだった
いつから、こんなに頼りなくなったのだろう

四方八方から敵が来て、仮に勝てても
最後は「自分」という敵がいる、新しい自分もいる
それらを倒すうち
頼り甲斐のある、わたしになるのかもしれない

ご家族を持つ方々を「強いな」と思う反面
ご家族を持つことで次第に
頼り甲斐のある人になっていったのかな、と
少し離れた位置から、励みにしている

気持ちだけは「守っていたい」