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施した手を握り返してくれない

若いときは畏れを知らず
社外に出れば、一部の人間関係以外は
自分のテリトリーに入れなかった

昔の自分は、今より賢かった

それは、自分が資本だと自覚し自立しており
「わたしが選ぶのであり、選ばれるのではない」
明瞭な気高さと強さを備えていた
わたし以外は自分を助けられない自覚

幼いときから
集団の中でイジメや孤独を全く経験していない

他人へ理解や共感をしても
他人は他人、自分は自分と割り切って
でも、仲間はずれにされたことがなく
わたしの中でのスタンダードになっていた

自分の中で、少しずつ違和感が確信になり
自分を見失うきっかけになったのは、前職

業務上
深夜にスタッフから電話があっても良いのだが
お客様からの電話が、自分をつらくした
お客様だから突き放せない

距離感と配慮は、ご家族を失ったかたを慮ると
無下にできず、自分の習慣へと変わった

会社からは「お客様の電話は休日でも取るように」

家族が他界した苦しみに寄り添う
これは良いことじゃない
自分が持つ、自然治癒力を信じて
周りにいるご家族へ癒しを求めるよう
強く言わなければならなかった、のに

今のわたしは、想像力も何もない
磁場が狂い、方位磁針がくるくる回る

孤立する川へ笹舟が浮かんで
わたしは笹舟に乗り、流れに逆らわず声を拾う
「自己犠牲は利他的で素敵な生き方」
そんな訳ない

自分が欲しかったものを手離し
岸辺から聞こえるお囃子が尚、自分を苦しめる
全部は自己責任、自業自得

結論→ 施した手を握り返してくれない