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猫の奈々へ
たまにはあなたへ詩を贈ろう

もうすぐ17歳
奈々は若くはない
グレーの毛並みには白髪が混じり
でも緑色の目は輝きを持つ

奈々は鮮やかな存在を放ち
掴みどころのない在り方は
心地よい距離感でわたしに欠かせない

寝るとき
わたしはあなたへ手を差し出す
あなたは手のひらを枕にし
朝になるとお尻を乗せている

奈々が冷たく感じる

奈々、冷たいってなんだろうな
わたしは今でも言われてしまう
冷たく思われることから逃げられない

奈々は自己保護本能を持っている
わたしは利益がないものへは
疑いの目を向けるからかもしれない
冷たさはわたし達が生きる術なんだろうね

冷たさは、個性の一部であり
奈々の冷たさにもわたしは癒される
あなたの存在が大切だから

わたしは奈々の冷たさも含めて
奈々を我が子として愛している
奈々の気まぐれがわたしを包み込んでくれる

奈々、ありがとう
わたしの人生には奈々が溶け込んで
奈々との時間を重ねていきたい

長生きしてね
それが奈々の仕事
黄昏はまだ先のことだよ

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