著…内藤幹弘『宝石の裏側』
せっかく宝飾品を買うのであれば、誤って偽物を買ってしまったり、欲しくない物を見栄や付き合いのために買って後悔しないで欲しい、タンスにしまいこんだりして日蔭モノ扱いしないで欲しい、お気に入りの宝飾品と出会って人生を活気づけて欲しい…、という本。
自分にとってより良い宝飾品を選ぶために必要な知識、ブランド品の原価・デザイン性・加工賃の関係、人工的に色を入れたり逆に色を抜くなどの「整形」を施された宝石の存在、通信販売のカラクリなどが紹介されています。
P50には、安いエメラルドにサラダ油を含ませることで色の良いエメラルドに変身させ、高値で売り捌く業者がいる…ということが書かれており、わたしは読んでいて大変なショックを受けました。
油漬けされたエメラルドは、眼鏡を洗う超音波洗浄器で洗ったり、布にくるんで長い時間放置すると、油と共に色が滲み出してしまい、油漬けする前よりも汚い状態になるそうです…。
ひどい!
宝石に対する愛が全く感じられない!
エメラルドに限らず、ダイアも、ルビーも、多くの宝石が加熱などの様々な手を加えられて売られている実態があり、それを「お化粧みたいなものだ」と許せるか許せないかは人それぞれなのでしょうけれど、何だか…さすがに油はひどい…。
売れさえすれば後のことは知らないよ、と舌を出す悪徳業者の顔が思い浮かんで腹が立ちます。
また、わたしはこの本を読んでいて、
という言葉に特に共感しました。
宝飾品に限らずどの買い物にも言えることですよね。
「安いから」とか、逆に「高いから良い物のはず」と価格のみを重視するのではなく、自分にとってその物にどんな価値があるのか見極めて買い物をしたいです。
もし五万円のルビーの指輪を買ったとしても、その指輪が必ず五万円以上かそれに近い金額で売れる保証は無いのだし、「将来これは〇〇万円くらいで売れるだろう」と皮算用して宝石を買っても意味がありません。
それに、宝飾品選びは恋人選びとも似ています。
「〇〇カラットで、透明度が〇〇で、〇〇カラーで、〇〇カットだからあなたにピッタリ!」なんて断言出来る物とはなかなか出会えないはず。
人それぞれ好みや相性がありますから。
いつかは自分にどって本当にお気に入りの宝石を買えるようにしたいです。
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