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著…遠藤雅司『暦メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる』

 まるで歴史上の偉人たちと食卓を囲んでいるような気分を味わえる本。 

 オリエント・ヨーロッパにおける8つの時代の料理の再現レシピ、再現過程、当時の食文化や逸話が紹介されています。

 当時の味を完璧に再現しようとしても、食材の入手が日本では困難であったり、現代人の味覚に合うとは限らないので、それぞれの時代を想像しながら、出来る限り入手可能な食材で美味しく食べられるレシピが工夫されています。

 たとえばサメ肉など、残念ながらわたしの生活圏内では売っていないものもありますが…。(一体どこで売っているのですか?)

 古代メソポタミアの「メルス(古代メソポタミア風ガレット)」

 古代ギリシャの「メラス・ゾーモス(スパルタ風ブラックスープ)」

 キュケオーン(エレウシス秘伝粥)」

 古代ローマの「古代ローマ風 牛のステーキ」や「モレートゥム・ヒュポトリッマ」

 中世イングランドの「マーメニー(黄金色のビーフシチュー)」

 ルネサンス期イタリアの「イチジクの温製サラダ」や「鶏肉ソテーの教皇風」

 フランス・ブルボン朝の「コメルシー風マドレーヌ」

 フランス・ナポレオン時代の「ジャガイモとアスパラのスフレ19世紀風」

 プロイセン王国&ドイツ帝国の「スペアリブのロースト シュバイネハクセ風」「ライネヴェーバー・クーヘン」

 などなど、作ってみたいお料理がいっぱい!

 こういうコンセプトのカフェがあったら楽しそうですよね。

 たとえば黒板に「本日のランチ…レオナルド・ダ・ヴィンチの厨房コース」「本日のディナー…マリー・アントワネットの晩餐コース」と書いてあるカフェがあったら通いたいです。

 また、

「ルイ16世はパルマンティエの依頼を快諾し、手はじめにヴェルサイユ宮殿の外にある畑にジャガイモを植えさせました。日中は見張りを置き、夜は手薄にしてあえてジャガイモを盗ませ、その味を広めました。マリー・アントワネットもルイ16世の提案にのる形で、ジャガイモの花を髪飾りにしています。彼女は野草を好んだそうですから、喜んで協力したのではないでしょうか。1785年の飢饉がジャガイモの直接的な普及のきっかけになりましたが、国王夫婦の広告効果も少なからず手伝って、ジャガイモはフランス全土に普及します」
(単行本版P117〜118から引用)

 と書いてあるのを読んで、彼らなりに飢饉対策をしていたのを想像し、そんな彼らがギロチン台で処刑されたのを思い出して、なんだか悲しくなりました。

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