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著…加藤路瑛『感覚過敏の僕が感じる世界』

 みんなにとっては平気なことでも、自分にとってはとてもしんどい…。

 そんな「感覚過敏」について多くの人に知ってもらうために書かれた本。

 ひとことで「感覚過敏」と言っても、その内容は人それぞれ。

 著者の場合、例えば、

 ●女子の甲高い笑い声
 ●食べること
 ●食べ物のニオイ
 ●靴下
 ●服
 ●日常とかけ離れたこと(旅行やレジャー)

 といったものが苦手。

 また、人によっては、

 ●冷蔵庫や空調の生活音
 ●子どもの声や赤ちゃんの声
 ●人に触れられること
 ●服のタグや縫い目
 ●柔軟剤の香り
 ●お風呂に入ること
 ●雨や風

 が苦手な場合もあります。

 大多数の人と異なることは時として「わがまま」と見なされがちですが、そうではないことが伝わってくる本です。

 「幸せ」の基準は人それぞれ違うということに気づかされます。

 「過剰に感覚過敏を敵視せず、しかしながらあきらめて妥協するわけではない、絶妙なラインで感覚過敏とつきあいたい」
(P218から引用)
 「誰かの快適は誰かの不快なので、このバランスは難しいなと思いながら、それでも僕は、この感覚過敏という課題を社会の仕組みの部分から変えていきたいと思っています」
(P219から引用)

  という著者の言葉も素敵ですし、

 「親が美しいと思うものを子どもにも美しいと思ってほしい。親がおいしいと思うものを子どもにもおいしいと喜んでほしい。そう思うのは親のエゴです。コミュニケーションにおいて、同じ体験や感情を分かちあえることはすばらしいことでしょう。ただ、同じである必要はないのです。それなのに、私たちは、無意識のうちに〝みんなと同じ〟を求めてしまうのでしょうね」
(P81から引用)

 という著者のお母様からのコメントも素敵。

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