著…阿部了『ひるけ』

　もぐもぐ、もぐもぐ。

　そんな美味しい音が聞こえてきそうな写真集。

ひるけ

　小学生、中学生、高校野球部の若者、働く大人といった様々な方たちがお昼ご飯を食べている姿を写しています。

　おにぎりをもぐもぐしている表情の、なんとまあ幸せそうなこと！

　おにぎりって、自分で握った場合も、誰かが握ってくれた場合も、どちらも愛情がこもっている感じがして好きです。

　ちなみに、この本の表紙のおじさんが食べているおにぎりの具は昆布みたいです。

　いいなあ。

　ページをめくっていくと、ミニトマトではなく大きなトマトをまるごと一個持っている人がいたり、工具箱みたいなお弁当箱を使っている人がいたり（もしかして本当に工具箱？）、お昼ご飯って人それぞれ。

　見ていて面白いです。

　この人はこの日の午前中はどう過ごしたんだろう？

　嬉しいことがあったかな？

　それとも午後から難しい仕事を控えて緊張していたりするのかな？

　と想像を掻き立てられます。

　なお、わたしが一番素敵だと思ったのは、中学生たちを写した写真。

　お弁当を前に「いただきます」と手を合わせている姿が写っているからです。

　「いただきます」「ごちそうさまでした」と手を合わせる姿って、なんて美しいのでしょうか。

　〈こういう方におすすめ〉
　他の人が何を食べているのか興味がある方。
　テレビ番組『サラメシ』が好きな方。

　〈読書所要時間の目安〉
　15分くらい。