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著…政木哲也『本のある空間採集 個人書店・私設図書館・ブックカフェの寸法』

 単に本を買うだけなら、ネットショッピングでも事足ります。

 しかし、「何気なく入ったお店で偶然〇〇という本を手に取った」「それまでその本の存在すら知らなかったが、感じの良い司書さんからおすすめしてもらった」といった体験は、ネットではなかなか出来ませんし、いつまでも心に残りますよね。

 これは、読書にそういう思い出を味付けしてくれる素敵な場所をいくつも紹介している本。

 個人書店・私設図書館・ブックカフェ・移動書店といったところを斜め上から見下ろすイラスト、間取り図、写真が載っているので、それぞれの場所の異なるコンセプトが伝わってきます。

 隠れ家感覚で通っているリピーターさんも多そう。

 わたしは特に、P82〜83に掲載されている電話ボックスを利用した図書館の遊び心が好きです。

 その発想は無かった!

 とっても狭い空間なのに、なんて自由な世界観なのでしょう。

 また、この本で紹介されている書架・レジカウンター・照明といったレイアウトを見たり、紹介文を読んだりしていると、「わたしもここへ行って本を買いたい!」とワクワクしてきますし、お客さんの動線も想像出来て楽しいです。

 「わたしならまずこの平積みコーナーの前に立ち止まって、その後こう動いて、カフェゾーンで一服するかも…」と妄想が膨らみます。

 大型書店チェーンですら次々と閉店を余儀なくされる昨今、こじんまりとしたこうした場所が奮闘していることに情熱を感じます。

 また、本を通して人と人とが交流するまちづくりに熱心な地域って、なんて心の豊かなまちなのだろう…とも思います。

 壁面の書架には店主が置きたいと思う本ばかりが並ぶ。この店は店主の描く世界地図なのかもしれない。

(著…政木哲也『本のある空間採集 個人書店・私設図書館・ブックカフェの寸法』P49から引用)


 という考え方も素敵。

 このnoteも、この本で紹介されているのと同じように、単に本を並べるだけではなく、本を通して人と人が交流出来るぬくもりのある空間づくりを目指したいです。



 〈こういう方におすすめ〉
 個人書店・私設図書館・ブックカフェ巡りをするのが好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 3時間〜3時間くらい。

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