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著…マイケル・J・フォックス 訳…入江真佐子『ラッキーマン』

 他の子どもたちよりも小柄で、ちょこまか動き回っていたマイケルのことを、両親をはじめ周りの人たちはみんな「あの子は将来どうなるんだろう」と心配していたそうです。

 そんな時、マイケルのおばあちゃんはこう言ったそうです。

「あの子はだいじょうぶだよ。あの子はあんたたちが想像もできないようなことをやるようになるから。あの子はたぶんいつかすごく有名になるよ」
(P78から引用)

 と。

 おばあちゃんの予言、大当たり!

 おばあちゃん、さてはデロリアンに乗って孫の将来を見てきたのでしょう?

 もしそうなら、おばあちゃんは孫が世界的に有名な俳優になるという未来だけでなく、パーキンソン病を発症するということも知ったかもしれません。

 けれど、きっとおばあちゃんは安心して元の時代に帰ってきたでしょうね。

「問題は〝いかにしてぼくはこういうふうになったか?〟ではなく〝いかにしてぼくはこんなふうでありつづけたか?〟ということなのだ」
(P68から引用)

 と言えるほど、孫はしっかりした人生観と、そして家庭を築いたからです。

 病気になる前の自分も、病気になった後の自分も変わらない、という考え方を持ち、

「ぼくがここまで来られたのはパーキンソン病のおかげ」
(P68から引用)

 とまで言えるのは並大抵のことではありません。

 マイケルが11歳の時におばあちゃんは亡くなったそうですが、いくら映画の中でとは言え、孫が色んな時代を行ったり来たりするのを、おばあちゃんも天国で面白がって見てくれていると良いですね。

 優しいおばあちゃんがいるという意味でも、マイケルはラッキーマン。

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