見出し画像

著…二宮敦人『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』

 芸術に対する情熱が伝わってくる本。


 著者の妻は東京藝大生。

 アパートの中でドッカンドッカン音を立てて芸術作品を製作したり、深夜にミイラのような出で立ちで自分の型を取っているところを著者に目撃されたりと、とってもユニークな方です。

「例えば家が欲しくなれば、僕はどうしても賃貸と分譲とどっちがいいかとか、価格がこれから上がるのか下がるのかとか、考えてしまう。通帳とにらめっこする作業が、家を手に入れる作業になる。妻はきっと、自分で建てるという選択肢を出せるのだ。もちろんお金を使えば時間は短縮できるが、それはあくまで選択肢の一つというわけ」
(単行本版P40から引用)

 欲しいものを買うのではなく自分で作るという選択肢があるのって、人生における自由度が高くて素晴らしいですね!

 この本には著者の妻以外にも色んな藝大生のエピソードが登場します。

 どの方も凄い!

 「同じようなタイプの方」は誰一人としていません。

 それぞれが非常に独創的。

 しかし、きっと、芸術を創造する過程は楽しいだけでは無いはず。

 落ち込んだり、苦しんだりもすると思います。

 しかし、何だかもう、「妊娠してつわりや何やかんやで苦しいけれど妊娠したからには産むしかない!」みたいな気迫を感じさせますよね、創造者ってどのジャンルの人たちも。

 生み出す者の迫力に圧倒されます。

この記事が参加している募集

読書感想文

いつもスキ・フォロー・コメント・サポートをありがとうございます😄 とても嬉しくて、記事投稿の励みになっています✨ 皆さまから頂いた貴重なサポートは、本の購入費用に充てさせていただいています📖