著…芦辺拓『奇譚を売る店』
敢えて古本屋さん好きにおすすめしたい短編小説集。
どれも、奇妙さと悪意を感じさせる作品ばかり。
この本を読んだら、しばらく古本屋に行けなくなります。
恐ろしくて。
この本には六つの短編が収録されており、それら全てが、ある古本屋で作家が掘り出し物を手にいれ「--また買ってしまった」と呟くところから始まります。
それとも「終わります」と表現すべきでしょうか…。
短編『帝都脳病院入院案内』、『這い寄る影』、『こちらX探偵局/怪人幽鬼博士の巻』、『青髯城殺人事件 映画化関係綴』、『時の劇場・前後篇』…。
どれも、不条理な結末を迎えたと思ったら、次の短編では、まるで前の短編の存在など無かったかのように、「--また買ってしまった」と新たな物語が展開されるので、読み進めれば読み進めるほど、違和感が増していきます。
最後の短編『奇譚を売る店』に至ると、その不可解さの謎が明かされます…。
ちなみにわたしは図書館のおすすめ本コーナーでこの本と出逢ったのですが、この本をおすすめ本コーナーに置いた司書さんにこそ、大げさでなく戦慄を覚えました。
〈こういう方におすすめ〉
不気味な小説を読みたい方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間半〜3時間くらい。
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