著…加藤郁美『増補新版 にっぽんのかわいいタイル 昭和レトロ・モザイクタイル篇』

 足もとにある可愛らしい世界に着目した本。

 写真や文章から、タイルの滑らかさ、ひんやりした感覚、凹凸、飴玉やチョコレート菓子みたいに美味しそうな色合いが伝わってきて、ページを捲る度にときめきます。

 「写真だ」と頭では分かっているのに、つい指でなぞって感触を確かめたくなるから不思議。

 タイルに関わる色んな方たちへのインタビューも読み応えがあります。

 皆さんが思い出を振り返りながらお話してくださるので、読んでいるこちらも懐かしい気持ちでいっぱいになります。

 なんだか、大分むぎ焼酎二階堂のCMを観ている時のようなノスタルジー。

 ※注意
 以下はわたしの妄想なので、この本とは直接の関係はありません。


 わたしはボタンがあれば押したいし、紐があれば引っ張りたい人。

 だから、この本に出てくるタイルを見ていると猛烈にウズウズしてきます。

 なぜなら、どのタイルも、色も形も様々なボタンみたいだから。

 押したい!

 「ポチッとな」と言ってポチッと押したい!

 好みのタイルを「カチッ」というまでポチッと押したら、陽気な音楽が鳴り始めて、どのタイルも色とりどりにピカピカ光って、パズルゲームが始まって、こことここのタイルがくっついてコンボ達成…なんてことになりそうな気がして。

 いや、ならないけれども。

 無性にワクワクしてきます。

 これが末期のゲーム脳というやつです。

 もし銭湯の壁や床のタイルにそんなゲームシステムがあったら、名前も知らないみんなと一緒に音ゲーみたいに盛り上がれそうですね。

 また、丸いタイルは、今流行りのラブリーなタイプライター風キーボードみたいに見えます。

 わたしもこういうキーボードが欲しい!

 こういうキーボードがあれば、夢いっぱいの文章を書けるようになる気がする!

 どのタイルも素敵ですが、特に山内逸三さんが作ったタイルは柔らかな色彩の中にぬくもりがあって、ポチッと押したら優しいアンティークオルゴールの音色が聴こえてきそうな気がします。

 いや、そんな仕掛けはないけれども。

 誰かがそういう遊び心溢れる仕掛けを作ってくれたら良いのになあ。




 〈こういう方におすすめ〉
 「可愛いは正義!」って感じで可愛いものが好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 3時間くらい。

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