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ホームスクーリングで大切にしている3つのこと

我が家には3人の子どもがいます。ホームスクーリング(家庭教育)という形態で子育てをしています。ホームスクーリングを始めてから、まもなく12年が経とうとしています。

一番上の子がまもなく高校生になります。プログラミング関連で数々の賞をいただくだけでなく、プログラミングサークルを主催して学校に通う子どもたちとも仲良くやっている様子。近所の友だちやいとこからも一緒に遊びたい/泊まりたいと言ってもらえています。一応、参考までに模試も受けてみた結果、偏差値は60台。学習面も問題なさそうです。また、末の子は卓球で全国大会に行くなど、それぞれの才能を伸ばしています。

なにより、当初は猛反対していたわたしの親ですら「3人ともほんとによい子に育って…」と人格面での成長を認めてくれるようになりました。

恵まれた出会いや本人の努力要素も多分にありますが、少なくともホームスクーリングによって成長を阻害してはいなさそうです。この点でホームスクーリングという選択は間違っていなかったと確信しています。

さらに踏み込んで言うならば、ホームスクーリングは多くの子どもたちの成長を力強く支援できるものだと考えています。うちの子が他よりトータルで優れているなどとは思いません。どの子もそれぞれに優れた点を持っています。それぞれの特徴やクセ、性格が互いに協調し、補い合って、社会を回していく原動力となっていくものと考えています。

5教科の少ないモノサシで子どもに偏差値競争をさせるのではなく、それぞれの興味を自由に引き出すために環境を整える、最大限のサポートをするーーーそれが、親をはじめとする大人の役割だとわたしは考えています。

■ホームスクーリングとは?

定義は人によってやや異なりますが、おおむね「ホームスクーリングとは、自宅をおもな拠点として、保護者が主体となり子どもの教育を行うもの」といったところだと思います。最近は脳科学者の茂木健一郎さんあたりも言及するようになって、多少知られるようになりました。けれども認知度は低く、「ホームスクーリングやっているんです」と言うと怪訝な顔をされることがまだまだ多いのが実情です。

 ▼ホームスクーリングとは | Wikipedia
 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ホームスクーリング

ホームスクーリングには様々な形態があります。家庭の数だけカリキュラムがあります。ホームスクーリングの是非については、あえて触れません(政治や信仰と同様、正解がないので)。ここでは、ホームスクーリングで大切にしていることについてご紹介します。

■ホームスクーリングで大切にしている3つのこと

我が家は以下の3点を大切にしています。

1. 愛することを第一にする
2. 生活力を身につける
3. 各自の興味関心を軸に学習する

ホームスクーリングをしていると自由に使える時間がけっこう多いんです。保護者も子どもも大きな裁量を得ることができます。逆に、なんらかの指針がないと場当たり的に日々暮らすことになり、大人・子ども双方とも疲れてしまいます。我が家では何をどう進めるか試行錯誤しながら、調整しつつ、ホームスクーリングを続けてきました。特に大切なのが、愛、生活力、興味関心の3つです。

1. 愛することを第一にする

「愛」とは、生きていく意味と目的。最も大切なもの。我が家では「愛すること」を基盤においています。我が家はみんなクリスチャンでして、聖書を生きる指針としています。”人生の設計書”とも言われる聖書に示された愛の戒めを基盤に置いています。キリスト教式の結婚式で読まれることも多い1コリント13章。そこには愛の大切さが語られています。「愛がなければ、どんなに優秀でも、善行をしても、信仰があったとしても無意味」という考え方です。親である私自身が、がんを患って人生を俯瞰した時に、愛のある人間関係こそが第一であり、究極的にすべてだという結論に達しました。愛することを基盤に置くことで、社会性は自然と身についていきます。貢献する機会にも恵まれやすく、なにより本人が幸せな人間関係を獲得しやすくなります。

2. 生活力を身につける

愛し合う人間関係に育まれて、情緒が安定する。日々を幸せに生きる。すると、次に必要になるのが「生活力」。具体的には、自分の身の回りのことと家事です。自分で起きる、顔を洗い歯を磨く、トイレに一人でいけるようになる、炊事洗濯、片付け掃除。

当たり前のこと、と思われるかもしれません。しかし、生活の一つひとつを丁寧に進めていくと、まず体を動かすので健康になります。また、一緒に住む家族に貢献するので心も健康になります(奉仕の不思議な力)。さらに、自分はできるという自然な確信(自己効力感)を得ることまでできてしまいます。良いことづくめです。最初は遊びの延長で。慣れてきたらだんだんレベルアップ。おこづかいとも連動して、やればやるほど成果も目に見えて得られます。ねらいは、自分の身の回りのことができるようになること。身についた生活力は一生モノです。そして自己効力感を得て、将来の未知の体験にも積極的に飛び込んでいける静かな自信を養うことです。

おままごとや、やらされ仕事で終わらないように、わたし自身も家事をします。とっかかりはダルくとも、動いていると気分が上がり不思議と元気が湧いてきます。家事は、働く喜びと習慣を学ぶよい機会です(分担すれば親も楽ですね w)

3. 各自の興味関心を軸に学習する

愛の人間関係、生きる力である生活力があれば、幸せに生きていけると思います。しかし、わたしたち人間のポテンシャルはそこでは止まりません。子どもは誰でも天から才能を受けている、天才です(*1)。

「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」(マーカス・バッキンガム&ドナルド・O・クリフトン)の”才能”の章によれば、人は1000億個のニューロンを持ってこの世に生まれ、3歳までに1つのニューロンあたり1億5000個のシナプス(ニューロン同士の結合)を形成するそうです。つづく3歳〜15歳の間には刈り込みが行われ、使わない脳回路(シナプス)は壊れて二度と再生されなくなると。遮断回路と使いやすい回路が選別され、その人を特徴付ける回路が決まってくる。決められた回路は使用頻度が高まることで、より一層強靭で好感度なものになると。同書はそこから競争心や知識欲、共感などの34の強みを説明し、診断で得られる強みトップ5を活かせる活動をしようと続きます。よく聞く「誰一人同じ人間ではない」という主張は、この選別された脳回路の組み合わせパターン数を考えるとうなづけます。

「強み」ーー 自然にできてしまうこと、ふと気がつくとしていること。そのように脳が成長しているのであれば、それこそ天から降り注ぐ恵みの雨を受けながら、子どもたちがどのような方向に熱心に進むか、あるいは興味を持たないか、意識してあげると、当人も満足、親も余計なフラストレーションをためないですみます。

(*1) 天才は子どもだけのものではありません。大人もそれぞれに特徴を持っています。天才だと思います。才能を一人一人持っていると、わたしは信じています。才能を発揮できていないと感じている方がいるなら、それはその人自身が自分の良さに気がついていないか、忙しすぎるからかもしれません。自分以外の何かになろうとすると罠にはまります。自分に合っていないものを求めても手に入れられる確率は低いからです。友人と話していて「え?そんなの当たり前じゃん?なんでできないの?」とか「続けるのが苦痛?わたしなんか何時間でも喜んでできちゃうよ?」と思うようなことがあれば、そこにあなたの才能がすでに現れていると考えて間違いないでしょう。

まとめ

「ホームスクーリングで大切にしている3つのこと」として、愛・生活力・興味分野での成長・学習環境を整えることをご紹介してきました。ホームスクーリング特有のものではなく、子育て、ひいては人が育つ、自分が育つことに有効だとわたしは考えています。最終的に、本人も関わる周囲もイキイキと日々活動していけたら、しあわせですね。

もし、ひとつでも何かのヒントになれば、とてもしあわせです。
Have a nice day!!

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