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情熱を注いでみんなを楽しくするべきだ!ーVanja Rukavina&Karel van Laere・BOKKO /ボッコ/복고/復古

渋谷にTRUMP ROOMというクラブがあった。2019年7月のLAST PARTYで閉店してしまった。わたしは1度しか遊びに行かなかったけど、その、たった1回がとても大切な1回となった。

この日は、faeru(弟)がDJとして出演するイベントがあったから、teshと2人ででかけたのであーる。ギラギラの店内、超かわいかったなあ。ちなみに、faeruの音はこんな感じ。

faeruは、TRUMP ROOMでもいい音をかましてくれて、フロア最前でteshもわたしも気持ちよーく踊っていたのだけれど、そこに!!!!キレッキレのダンスをしている海外の方がいらっしゃった。ただ者ではない。機敏な動き、狂いのないステップ(いや、CRAZYなステップ)、しなやかなウェ〜〜ブ。な、何者なんだ?!teshがダンスバトルを挑む(笑)バトルだったはずが、いつの間にか褒め合いに変わった。「お前のダンス最高だな」「そっちこそ」「てか、俺たちのダンス似てるな」「おう(笑)」。初対面とは思えない、リズムと体の絡み方。そんなこんなで、すっかり打ちとけた。彼はアムステルダムに住んでいて、観光で日本に来ているのだという。なんという出会いだろう。たまたまfaeruがDJをするイベントに来ていたわたしたち、たまたま日本に観光に来て、東京の渋谷の数多あるクラブの中から、TRUMP ROOMを選び、時を同じくフロアで踊り、ダンスバトルをする・・・。どれだけの確率なのよ。別れ際にfacebookのアカウントを交換して、その場はさよならをした。

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それから・・・彼が日本に来るたびに一緒に遊んだり、家に泊めてあげたりして交流を深めていった。交流は彼のみにとどまらず・・・彼の友達やご家族にも広がる。どんどん仲良しになっていく。わたしたちも、彼を訪ねにアムステルダムに遊びに行った。旅先では、お互い絵葉書を送くりあっている。ポストを開けて、彼からの手紙が届いているととても嬉しい。ソウル、モスクワ、クロアチア、イタリア、北朝鮮、ガラパゴス諸島・・・。

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ああ、神様、人生って不思議ですね、おもしろいものですね。
美しいですね。


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ところで、なぜ、彼のダンスがキレッキレでただ者ではないオーラを醸していたか、その理由はすぐにわかった。彼は、俳優をしながら、友人と2人で「BOKKO」というダンスパフォーマンスを世界各国で披露している、正真正銘のパフォーマー!表現者だったのよ。

そんな、わたしたちがTRUMP ROOMで奇遇に出会った彼の名前は、Vanja Rukavina。生まれはボスニアのサラエボ。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の際に、家族でオランダに亡命をしたの。当時まだ3歳。Vanjaは本当に明るくて、優しくて、一緒にいると超HAPPYになる。日本語の勉強をずっとしていて、漢字検定を受けるためだけに日本に来ることもあるのよ(笑)。


そして、彼の相方はKarel van Laere。パフォーマーで、ヴィジュアルアーティスト。彼も世界中でパフォーマンスをしたり、映像作品を発表したりしているわ。ゆっくりクールに話すKarelは、いつも穏やかで、やっぱり優しい。一緒にいると、とってもあったかーい気持ちになる。karelは、手作りのグリーティングカードを送ってくれるの(カバー画がそのうちの1つ)。とっても嬉しい!

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                                                  左:vanja  右:karel

そして、「BOKKO」とは?!正直、調べてもなかなかよくわからないのだけど、韓国で流行ったディスコダンスらしい。日本でいうパラパラみたいな感じかなあ?2人は、わたしたちとvanjaが出会った時のように、やはりダンスバトルで意気投合して、一緒にパフォーマンスをしよう!と小作品を作ってみたら、なかなかよかったから、どんどん作品の精度をあげて、今の「BOKKO」ができたんだって。vanjaとkarel、そしてteshとわたしは「同じ気配」を嗅ぎとって、自然と繋がることができたのかもね。



ところで、なぜ、2人はBOKKOをしているのか。
2人がここに込めた想いは「情熱を注いでみんなを楽しくするべきだ!」

情熱を!
注いで!
みんなを!
楽しくするべきだーーーーーーーーーーーー!

この2人の熱量を、ただならぬ事態に陥っている今だからこそ、ぜひ、多くの人に伝えたい。

情熱を!
注いで!
みんなを!
楽しくするべきだーーーーーーーーーーーー!



Vanjaはめでたいことに、2019年の春に結婚をしたの。祝!!!

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結婚パーティーに招待していただいたから、teshと2人でアムステルダムに飛んだ!それはそれは、幸せいっぱいの式で、時間で、人々だった。すてきな奥さまは韓国出身。勉強熱心なVanjaは韓国語をがんばって、話せるようになっていた。すばらしい。
心の底からおめでとうって、そしてたくさんの幸せをありがとうって、自然と涙が溢れてきた。



そして、ここでもVanjaにダンスバトルをしかけるtesh。
それが・・・これだっ!!

なかなかガチなダンスバトルではないだろうか。手前の黒づくめちょんまげがteshで、奥がVanjaだ。結婚パーティーの場で、しかも主役のVanjaにダンスバトルを挑むなんて、teshは肝が座っている。まあ、それもそのはず、だ。teshは学生時代に、米軍基地でアルバイトをしていて、そこで夜な夜な踊り狂っていたそうだ。米軍仕込みのダンサーよ。確かに、teshのダンスも悪くない。受けて立ってくれるVanjaは相変わらずキレッキレで、なぜか「ぶちょー、ぶちょー」と叫んでいる。そこは、社長ではないのか(笑)



おもむろに、Vanjaがつぶやく。
「僕たちの、最初の出会いにそっくりだね」


そう、あの日のTRAMP ROOMでのダンスバトル。
あの日から、もう8年。
わたしたちが嗅ぎとった「同じ気配」は間違いではなかった。
遠距離だけど、この陽気な気配は、国境を越えて、いつも漂っている気がする。


渋谷のクラブで、たまたま出会ったわたしたち。
たった1回のダンスバトルが繋いだ縁。
国境も、年齢も、性別も、何もかも飛び越えた。
超CRAZYでHAPPYだ。

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人を楽しませる、幸せにする。
彼のパフォーマンス、そしてエンターテーナー魂は巨大。


「人生は1度きり」
常套句だけど、人生という短く限られた時間の中で、世界中のどれだけの人と知り合えることができるのか、さらにどれだけの人を大切に想い、愛することができるのか、本当に一握りだろう。そんな中で、Vanjaとの出会いは奇跡だと言っても過言ではない。


「世界中のほとんどの人は、一生かけてもあなたと出会うことはできない」(tesh)



今、こうしてわたしのnoteを読んでくれているみなさまと、この文章を通じての出会いも、素晴らしい出来事なのだと思う。



よし、今日は乾杯だ!
情熱をなみなみ注いで、Cheers!!


今夜も躍り狂おうじゃないか。




〔追伸〕
1.Karelのことも、今度、書くよ!

2.あ、youtubeを見ていたら、ほらほら、みなさんもBOKKOを踊りたくなってきたでしょう?いいのですよ、踊っちゃってください!運動不足も解消じゃ!




《関連情報》
BOKKO’s Facebook


tesh’s note




【プロフィール】
中村翔子(なかむら・しょうこ)
本屋しゃん/フリーランス企画家
1987年新潟生まれ。本とアートを軸にトークイベントやワークショップを企画。青山ブックセンター・青山ブックスクールでのイベント企画担当、銀座 蔦屋書店アートコンシェルジュを経て、2019年春にフリーランス「本屋しゃん」宣言。同時に下北沢のBOOK SHOP TRAVELLERを間借りし、「本屋しゃんの本屋さん」の運営をはじめる。本好きとアート好きの架け橋になりたい。 バナナ好き。本屋しゃんの似顔絵とロゴはアーティスト牛木匡憲さんに描いていただきました。https://honyashan.com/


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