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双子を授かった41歳が知った高齢出産のこと


高齢出産は、双子に限らずリスクが高い

私は、まもなく、双子を出産をする41歳です。

 日本産婦人科学会によれば、高齢出産とは「35歳以上の初産婦」を指します。
 つまり、私は堂々たる「高齢出産」です。

 厚生労働省のワーキンググループが、「初期妊娠リスクスコア自己採点票」という、18の質問に答えることで、自分の妊娠リスク度を確認できる票を公表しています。
 4点以上が、ハイリスクとされ、「ハイリスク妊娠に対応可能な病院での妊婦健診、分娩の必要性について 主治医と相談してください」と診断されます。
 40歳以上は5点、初産は1点なので、この時点で、私は、「ハイリスク妊婦」だということがわかります。
 40代は多胎妊娠でなくとも、ハイリスク妊婦なのです。
 主に以下のリスクが高いと言われています。

・流産の確率があがる
・ダウン症などの先天異常の子を授かる可能性があがる
・妊娠高血圧症候群や妊婦糖尿病になりやすい
・難産になりやすい

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リスクを軽減する為に、自分でできる事は少ない

 まず、それぞれのリスクを自分の暮らし方で少しでも減らせるならば、可能な限り努めたいと思いました。

 流産と先天異常の確率があがる原因は、卵の染色体異常と考えられています。
 卵子は、女性が胎児の時に一生分の卵が出来ます。それ以降増えたりすることはありません。
 そして、年齢を重ねると数が減り老化し、老化した卵子が若返ることはありません。例え、肌年齢が18歳の42歳の美しい女性だとしても、卵子は確実に42年分老化しています。
 そして、卵子の老化は、単細胞の卵子が細胞分裂する際に減数分裂を起こす可能性を高め、染色体異常を引き起こします。

参考/加齢による卵子の染色体数異常の原因を特定(理化学研究所)


 流産の確率は30~34歳までは15%、35歳~39歳は17~18%、40歳以上は25~30%と、年齢が高くなるにつれ上昇します。先天異常の発生率は、20歳代での発生率が0.1%なのに対し、35歳以上では0.3%まで上昇します。

参考/高齢出産は先天異常を増やすか? -(深井保健科学研究所)

 私に出来る事ならば、何でもやって、健やかに産んであげたい。ただ、既に高齢で、既に妊娠している私には、自分の努力で確率を下げられる方法は特にないことがわかりました。
 私にできる事は、悲しい事が起きたときに受け止める心構えをすることと、子どもたちがハンディや強い個性を持って産まれてきた時に、ともに暮らし支える未来を夫婦で話し、その準備を今からすべきかどうか、子どもにリスクがない範囲の検査で確認した位でした。

 ある時代までは妊娠中毒症と呼ばれていたらしい、妊娠高血圧症候群(35歳未満のほぼ2倍のリスク)と妊婦糖尿病(35歳以上では20~24歳の8倍の頻度で発生)については、医療機関で定期的な検診を受け、毎日2度血圧をはかった記録を提出しています。

 なお、単胎の場合は、定期的な運動等も予防効果があるようですが、多胎の場合は、運動は早産リスクを高めるため、ストレッチ以上の運動は避けた方がいいとのことでした。
 どちらにせよ「きちんと通院し、食生活を配慮しながら健やかに過ごす」程度しか出来ることはないことがわかりました。 

 とはいえ、私は、ただでさえ出来物跡が数カ月残り、最終的にケロイド状になって慢性化する、傷の治りの遅さ際立つレジリエンス低めの40代です。
 産後の体力の回復に、全く自信がありません。そこで、医師に安静を命じられるまでは、マタニティ整体で妊娠中の身体のつかい方をならい、産後少しでも早く健やかな状態に戻れる可能性を模索しました。
 効果は不明ですが、何もしないよりは不安が軽減した気がします。

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これからの自分の中で、今の自分が、一番若い

 産科にいくと、「待合室にいる方の中で私が一番高齢かもしれない」と思うことがあります。若さを眩しく感じます。

 そんな時、新たなチャレンジをしない理由を年齢のせいにしようとしていた時に、恩師が伝えてくれた言葉を思いだします。
「えー、もったいないよ。田中さん何でも出来るし、可能性に溢れているのに。それに、これからの自分の中で、今が一番若いんだよー?

 年を重ねることで、幸運な出会いがあり、学びや経験が増え、いま、10代の時には想像していなかった大切なあたたかい日々を過ごすことが出来ています。これまでの時間は私にとってかけがえのないもので、不思議と「若かったあのときに戻りたい」という気持ちは湧いてきません。(今よりずっと痩せていたあの体型に戻りたい気持ちは、確実にありますが)

これからの笑顔で暮らせる働き方って?

 私は、仕事を通じて地域や、生活者、多様な主体と関わることが好きです。今後も、ひとりひとりの想いと場の力を起点に、まちばでカラフルに愉しく暮らすシーンの創発に貢献していきたいと考えています。

 ただ、妊娠・出産にはともない、どうしても、仕事にブランクができる期間が生じます。

 特に、キャリアを重ねると「自分だから、この場だから、この人とだから出来る仕事をしたい」という欲が高まり、自分の役割を他の方に代わってもらえるイメージがつきづらくなるように思います。

 「代わりがいない」ことはよろこびでありながら、プロジェクト推進という点では、大きなリスクです。私は、これまで、個々が能力を発揮し集わせ課題解決に取り組む自立分散型のプロジェクト推進を好んできました。
 しかし、マネージャーが統制管理することで、人材を取替え可能にする、「代わりはいくらでもいる」統制型組織のメリットを多少感じた瞬間でもありました。

 ところで、育児休業給付金は、雇用保険に紐付けられている制度なので、被雇用者ではない、会社役員やフリーランスには、金銭的な補償がある「育休」はありません。
 自己裁量なので、ある程度の期間仕事を休むと決めることは可能ですが、その間は収入や顧客との関係を育む機会が一切無くなることになります。
 もしも、会社役員やフリーランスが、会社員並に1年程度の育休をとりたいと思う場合は、自分の年収程度の貯蓄は確保しておくと安心です。 (たいへん!!)
 会社員の育休にはある社会保険料の免除等もありませんので、忘れず支払い続けましょう。(たいへん!!!)

初夏からのチャレンジ

 私は、まだ、自分のこれからの働き方・暮らし方のロールモデルをみつけられてはいません。
 これから、周囲の方のサポートやアドバイスを受け、仕事仲間や家族と相談しながら、自分の手で少しずつ模索し、納得出来るこれからの働き方をつくっていこうと思います。

 藤の花の咲く頃、新たなチャレンジがはじまります。

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