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お墓探しの旅

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リアルなお墓探しの旅。わたしの心の変化や、お墓探しの途中で出会った人&できごとを綴ります。人生でそうあることじゃないお墓の購入について書いているので、これからお墓の購入を考えてい…
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【お墓探しの旅】#7 お墓をデザインする。

【お墓探しの旅】#7 お墓をデザインする。

デザインのことあらかた予想していたが、パンフレットに掲載されていた金額よりもお墓の購入金額は高かった。パンフレットに記載されているのは一般的な墓石を選んだ場合であって、好みの墓石を選んだ場合はその分の料金が加算される。

契約を進めるうちに、

「まさか、文字入れも追加料金か?!」

との不安がよぎる。

もちろん、墓石店(霊苑)によって違うとは思うが、わたしが契約した霊苑では名前や死亡日、誕生日

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【お墓探しの旅】#6 高価な墓石を建てるより。

【お墓探しの旅】#6 高価な墓石を建てるより。

契約のこと見学を済ませて、わたしと姉はそのまま樹木葬の墓地を契約することにした。お墓の購入なんて人生でそうそうあることじゃないが、契約は至ってフツー。車や家を購入するのと同じように、書類にサインをして、押印して…といった具合だった。

墓石のこと父が納骨される予定のお墓は、樹木の周りに一人用のお骨を入れる穴が掘られていて、その上に手のひらサイズの墓石が置かれることになる。ちなみに、樹木葬は夫婦用の

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【お墓探しの旅】#5 遠足気分のわたしとホクホク顔の姉と富士山と。

【お墓探しの旅】#5 遠足気分のわたしとホクホク顔の姉と富士山と。

樹木葬に興味を持ったわたしたち姉妹は、富士山が見える霊苑を見学することになった。まだ工事が進められている途中のようで、ナビは厄介な案内を繰り返す。しかし、小高い丘に位置する霊苑に向かう道中は、すでに絶景。遠足に行くような気分だった。

駐車場に着いたわたしを迎えてくれたのは、電話で対応してくれた男性。電話越しの声と同じように腰が低くて、感じの良い人だった。もうその時点で、”決まり”のような気がした

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【お墓探しの旅】#4 けんかはやめて

【お墓探しの旅】#4 けんかはやめて

雪が降るかもしれない…そんなことを気にしながら、お墓探しの日程を決めていた。それだというのに、当日になってみたらパッと晴れて、絶好のお墓見学日和になった。

疲れは涙となって姉と会うのは葬儀後の後片付け以来だったか…

父が死んだ日、介護疲れのピークを迎えていたわたしは、家族のことを気遣う余裕なんてない程に心がズタズタだった。数十年来、姉とけんかなんかしたことがなかったのに、父が亡くなった日から数

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【お墓探しの旅】#3 お隣さんはどんな人

【お墓探しの旅】#3 お隣さんはどんな人

期限付きの納骨堂期限付き…つまり、時期が来たらお骨を合祀しますよ~というもの。永代供養してくれる納骨堂ももちろんあるが、わたしが資料を取り寄せした納骨堂は十三回忌、十七回忌の節目で期限を迎えることになる。料金はもちろん十三回忌で合祀の方がお安い。

人の生き死にに商売っ気が見え隠れするのは少々うんざりしてしまうが、仕方のないこと。むしろ、遠くに住む姉とわたしの十数年後を思えば…(還暦を迎えるか迎え

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【お墓探しの旅】#2

【お墓探しの旅】#2

#1でお墓探しの旅 、つづく。なんて書いてみたけれど、第一候補のお墓を1時間足らずで契約できたので、【お墓探しの旅】は短い短い旅で終わってしまった。
良いところとご縁があったのは良かったのだけれど、noteに旅の途中を綴りたい気持ちもあった。だから、【お墓探しの旅】というタイトルからは少し逸れて、見学したときのこととか契約とか、納骨までの経過を少し書いておこうと思う。

お墓を買う経験なんて、たぶん

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【お墓探しの旅】#1 こころの余裕と香りのないテスター

【お墓探しの旅】#1 こころの余裕と香りのないテスター

父が亡くなって、2カ月足らず。お墓探しの旅に出る前日、部屋のフレグランスを買いに行くことにした。どうやら、わたしの心にも余裕が出てきたようだ。

フランスとイギリスのフレグランスオイルを扱っている専門店。特別目当てのものがあったわけではなかったが、フレグランスの専門店に当てもなく入るなんで、それだけで気分が良い。リビングに合いそうなグリーンティの香りのフレグランスオイルを1つ買って、いくつか気に入

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【お墓探しの旅】#00 お墓の休館日

【お墓探しの旅】#00 お墓の休館日

父が亡くなって1カ月と少し。このところ、わたしの携帯の着信履歴は葬儀屋、墓石屋、不動産屋のBIG3が占めている。

葬儀を終えて、諸々費用の振り込みも終えて、領収書を受け取ったので葬儀屋からの連絡はこれで終わるだろう。しかし、どういうわけだか個人情報というのは筒抜けのようで。葬儀の後、色々なところから電話がかかってくるようになった。

まぁ、お墓探しているから良いのだけれど。

いよいよお墓探しの

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【お墓探しの旅】#0 いくらなんでも

【お墓探しの旅】#0 いくらなんでも

年明けに亡くなった父の遺骨はリビングに鎮座したままだ。間もなく四十九日を迎えるというのに、お墓も決まっていない。

次男坊で信心深くない父。まだまだ現役でお酒も飲むつもりでいたのだろう。お墓の話なんてしたことがなかった。

いやいや、いくらなんでも80手前だったんだから、お墓の話くらいしておくべきだった。いくらなんでも。

でも、どんな形の、どんな場所が良いのだろう。さっぱりわからない。今わたしを

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